アキム・ツェペツァウアー+フローリアン・ヴァルター『Hell // Bruit』(Umland Records、2015年)を聴く。
Achim Zepezauer (electronics system)
Florian Walter (as)
ツェペツァウアー、ヴァルターそれぞれのソロ2曲ずつのカップリング盤である。ひとつひとつはとても短い。
ヴァルターのアルトは独特なものであり、色々な音をパッケージ化する。その内なる実験と試行が、そのまま外部へとショーケースのように持ちだされる。単に内省的ということではないのであり、自分の肉体の活動を公開で切り刻むような感覚がある。ただし露悪的ではない。
今年のメールス2日目でヨーロッパ・ツアー中のクリス・ピッツィオコスとのデュオを行うそうであり(つまり今日の深夜以降)、それというのも、「JazzTokyo」誌でのヴァルターに関する記事にピッツィオコスが関心を持ってアプローチしたのだという。NYならではの相手に苛烈にぶつけていくノイズ・アヴァン界のキメラが、この静かなる変態とどう対峙するか。(わたしは就寝中ですが)
ツェペツァウアーのエレクトロニクスも、また、より直接的なコミュニケーション寄りのアメリカのそれとは異なるセンスのように感じられた。もっともこれはソロなのだが。
●フローリアン・ヴァルター
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
フローリアン・ヴァルター『Bruit / Botanik』(2016年)