Sightsong

自縄自縛日記

マッツ・グスタフソン+サーストン・ムーア『Vi Är Alla Guds Slavar』

2016-05-12 07:38:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

マッツ・グスタフソン+サーストン・ムーア『Vi Är Alla Guds Slavar』(OTOROKU、2013年)を聴く。180グラム、1000枚限定のLPである。

Mats Gustafsson (ss, electronics)
Thurston Moore (g)

まるで『サンダvs. ガイラ』のような、似た者同士の怪獣の邂逅である。

サーストン・ムーアがマッツ・グスタフソンの存在を意識したのは、たまたま、グスタフソンとバリー・ガイとのデュオ盤を聴いて驚いたからだという(1997年の『Frogging』のことか?わたしは歌舞伎町のナルシスで紹介してもらったのだった)。そして、ムーアがストックホルムのレコード店に足を運んだときに、いやグスタフソンというサックス奏者の音源を探しているんだけど、と相談したのだが、その相談を受けた店員がグスタフソンだったという。時系列的には出逢いのあとにこのCDがあったのではないかと思うが、まあ何にしても愉快な話である。

ここでグスタフソンはソプラノサックスとエレクトロニクスを同列に扱う。また、音を使った即興と、音そのものとを同列に扱う。その音の濁流がムーアの濁流と合流して、泥と泡とをまき散らして、さらに絢爛豪華な泥流を創りだしている。濁流に呑まれ押し流されて聴いていると、たいへんなカタルシスが得られてしまう。

「The Thing」もいいが(昨年のライヴには行けなかった!残念)、このデュオも是非生で立ち会いたいものだ。

●参照
ザ・シング@稲毛Candy(2013年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)(マッツ・グスタフソン登場)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)(マッツ・グスタフソン登場)
大友良英+尾関幹人+マッツ・グスタフソン 『ENSEMBLES 09 休符だらけの音楽装置展 「with records」』(2009年)
マッツ・グスタフソンのエリントン集(2008年)
ウィリアム・フッカー『Shamballa』(1993年)(サーストン・ムーア参加)


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