Sightsong

自縄自縛日記

Shuta Hiraki『Unicursal』

2017-10-22 12:23:21 | アヴァンギャルド・ジャズ

Shuta Hiraki『Unicursal』(きょうRecords、2017年)を聴く。

よろすずさんである。先日ご一緒した神楽坂のプチパリや大洋レコードでもよろすずさんであったので、このたびはじめて本名を知った(笑)。

1曲目はいきなり狭い湿ったハコで反響するようなピアノの音、ちょっと意表をつかれた。あとを聴いてあらためて、これは脳に起きなさいとタップするものであったのか。

さて、目を覚まさせられて2曲目以降は、さまざまな反響音や生活音や人工音が重ね合わされる。決して人をいたずらに驚かすような壮大なものではない。そのことが、身の周りを見渡したときにふと見え隠れする地霊のような感覚を生み出している。ひとつひとつの音の流れに、小さな周波数と、大きなうねりとがあって、それが複数並行して時間を形成している。そのどれかに耳を貼り付けると、それは無意識のうちに別の音の流れに取って代わられる。

ボーナスCDの様子は異なり、もう少しサウンドを形成しようとする策動があって、聴いているうちに多幸感が出てくる。このトラックが本CDの中に紛れ込んでいても面白かったのかもしれないが、いまのように淡々と並行世界が提示されているからなお良かったのかもしれない。


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