Sightsong

自縄自縛日記

ジェームズ・フォーリー『パーフェクト・ストレンジャー』

2012-02-27 08:12:41 | 北米

ジェームズ・フォーリー『パーフェクト・ストレンジャー』(2007年)を観る。

サイコ・スリラー、しかも裏切りが「こちら側」にある。ジェームズ・マンゴールド『アイデンティティ』やマーティン・スコセッシ『シャッターアイランド』を想起させるが、まあ一過性の作品なんだろう。ハル・ベリーは魅力的でありますね。

そうか、フォーリーは『フーズ・ザット・ガール』を撮った人か。


"カライママニ" カドリ・ゴパルナス『Gem Tones』

2012-02-27 00:57:28 | 南アジア

昨年末、インド・プネーのホテルに置いてあった『DNA India』紙(2011/12/9)に、現地のサックス奏者が紹介されていた。カドリ・ゴパルナス(Kadri Gopalnath)。南インド・カルナータカ音楽の人であるらしく、その彼が、北インド・ヒンドゥスターニー音楽のフルート奏者、ロヌ・マジュムダール(Ronu Majumdar)と共演したコンサートを絶賛するレビュー記事だった。


『DNA India』紙(2011/12/9)

そんなわけで俄然興味を覚え、1枚取り寄せてみた。ふたりの共演盤は見当たらない(南北インドの共演が少ないのかもしれない)ため、ゴバルナスの『Gem Tones』(Ace Records、2000年)。インドではなく英国盤、録音もロンドンである。

Kadri Gopalnath (as)
Ms A Kanyakumari (vl)
M R Sainatha (mridangam)
Bangalore Rajasekar (morsing)

調べてみると、ムリダンガムは南インドの両面太鼓(つまり、タブラとは奏法が異なる)、モルシングはやはり南インドの口琴(名前にバンガロールと入っているから南インドの人である、笑)。インドにも口琴があったのか!

一聴、サックスがこんな風にラーガを演奏するのかと吃驚する。まったく不自然ではないのだ。いかにも滑らかなラーガ音階の演奏である。ヴァイオリンとの掛け合い、ムリダンガムやモルシングのソロも素晴らしい。例によって、曲の最期、同じフレーズを繰り返しながら加速するエクスタシーもある。おそらくは決まりごとと即興とが融合しているのだろう。背後で聴こえる基底音もモルシングだろうか、口琴でずっとこれをやっているとすれば凄い技術と口である。

ちょっと、ジョン・ハンディのインドかぶれサックスと聴きくらべたいところ。耳がカライママニ。

●参照
ラヴィ・シャンカールの映像『Raga』
スリランカの映像(6) コンラッド・ルークス『チャパクァ』(シャンカールがサントラを担当)
チャートリーチャルーム・ユコン『象つかい』(口琴)
ハカス民族の音楽『チャトハンとハイ』(口琴)
酔い醒ましには口琴
宮良瑛子が描いたムックリを弾くアイヌ兵士