Sightsong

自縄自縛日記

菊地雅章クインテット『ヘアピン・サーカス』

2009-06-03 01:02:10 | アヴァンギャルド・ジャズ

吉祥寺バウスシアターで「爆音映画祭」という特集をやっていて、何となくプレゼントに応募したら、ポスターをあげますというお知らせ。行かざるを得なくなった。しかし、このポスターどうするのか(笑)。

観たのは、西村潔『ヘアピン・サーカス』(1972年)。謳い文句には、「トヨタ2000GT vs. マツダサバンナRX-3 !!」とある。昔からほとんどクルマに興味がないが、トヨタ2000GTばかりは子どもの頃から格好良いと思っていた。それより格好良いのは、ずっと流れる菊地雅章クインテットの音楽で、70年代の匂いと勢いがたまらない。そういえば、同時代の菊地雅章『ススト』も嫌いではなかった。

メンバーは、菊地雅章(ピアノ、フェンダー・ピアノ)、菊地雅洋(オルガン)、峰厚介(サックス)、鈴木良雄(ベース)、日野元彦(ドラム)、中村よしゆき(ドラム)となっている。映画の中で、いかれた走り屋が入り浸る小屋での演奏シーンがあり、若い峰厚介がソプラノサックスを吹く姿も登場する。

それから、何故か笠井紀美子が、レース中に激突死する主人公のライバルの恋人として出てきて、ほんの一瞬ではあるが歌を唄う。恋人の死後、「お金持と結婚して歌手を辞めた」ことになっており、その後の本人の運命を先取りしたようだ。けだるさを漂わせるのは何とも「雰囲気」だ。

東京の高速や埠頭でのエンジン音がひとつの楽器になる。腹の底から唸るぶろろろろという音が凄まじい。これがクルマの魔力なのだと言われたらわからなくはない。