四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

映画「PERFECT DAYS」へ

2024年02月23日 12時10分16秒 | お出かけ

 昨日、雨模様で散歩にも出られないこともあり、細君からの誘いもあり最近、静かな評判となっている「PERFECT DAYS」の映画を見に横須賀汐入のHUMAXシネマズに行って参りました。

     「咲き競う 河津桜」

 この映画はご存知の方も多いと思いますが、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いた、役所広司が主演を務める人間ドラマです。上映時間は二時間五分ほどでした。
 東京・渋⾕でトイレ清掃員として働きながら静かな日々を送っていた男が、姪等との再会をきっかけに、過去に目を向けていく様子がドキュメンタリータッチで淡々と描かれていました。

 同じ時間に⽬覚め、同じように朝⽀度をし、同じように働く。その毎⽇は同じことの繰り返しに⾒えますが、同じ⽇は1⽇としてなく、男は毎⽇を新しい⽇として⽣きていました。男は小さな木の苗を育て、⽊々を愛し、⽊々がつくる⽊漏れ⽇を慈しみつつ眺め、その景観をフイルムカメラに撮り続けていました。

     「白花水仙」

 掃除をするトイレには、建築家、板倉竹之助さん、隈研吾さん、坂茂さんをはじめ、様々な有名建築家の作品が登場しました。暗くて湿ったイメージの、かつての公共トイレとは大違いのスタイリッシュな印象を受けました。
 
 無口で武骨、でも心根が暖かくお人好しで面倒見がよい男。この男を演じた役所広司の素の品格が滲む「演技しない演技」が垣間見える上質な映画であったと、今改めて考えています。

     「咲初める 白梅」

 一つ一つの当たり前が小さな幸せで、その小さな幸せの営々とした積み重ねの日々。その当たり前の日常こそが実は大きな幸せであり「PERFECT DAYS」なんだと改めて感じました。
 ロシアの侵略により、破壊し尽くされたウクライナの惨状、イスラエルハマス紛争の悲惨な状況、さらに、能登半島地震の現状に触れこの想いは、さらに募っています。

 『世界の涯ての鼓動』等のヴィム・ヴェンダース監督と、役所広司が組み、柄本時生のほか、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和らがキャストに名を連ねています。なお、田中泯の踊りの凄さと、存在感が光っていました。

コメント (4)
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