四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その21)

2022年02月09日 05時34分12秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その21)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】好きなアダモの曲「雪が降る」を掛けながら18号線を走る時、雪化粧をした
    浅間山が綺麗で思わず叫びたくなります。浅間山の冬景色が好きです。
☆雪が降る アダモの歌を 聞きながら 朝焼け信濃路 走る喜び
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)
【詞書】1月28日BSNHKで岐阜県関市のモネの池特集をやっていました。
☆水たまる 名もなき池を 手入れして クロード・モネの 春夏秋冬が
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)
【詞書】過日テレビで空飛ぶ自動車の開発特集をやっていました。
☆激烈の 空飛ぶ自動車 開発は 中国企業 一歩リードも
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)

【解説】
 作者の「口語短歌」は詠むたびに、洗練され整いを見せていますが、作者の詩人としての
 感性と、力量が短歌にも活かされていると考えます。
 二首目の「水たまる」は池であれば当然ですので、少し表現を変えてみましたが…。
 「モネの降臨」か、「モネの再現」に悩みましたが、どうでしょうか。
【ご参考】
 ★湧き水に睡蓮浮かぶ「モネの池」 岐阜の関市に モネの降臨

【詞書】こんなに早く咲いているのかと驚いた紅梅の花一輪。次の日に花を見たさに
    再度訪れましたが、見つけることができませんでした。そういえば昨夜吹いた風が
    強風だったことを思い出して詠みました。
☆咲いていた 紅梅いずこ 見あたらぬ 昨夜の風と 共に去りしか
                         さわやか♪さん
【詞書】子供の頃、親戚が集まった冬、木の葉を集め焚火をしました。とても大きな
    焚火でした。その中にサツマイモを入れ、わいわいと焼いたのを思い出して詠みました
☆懐かしい 焚火の香り 漂いて 思いだされる 幼きあの日
                         さわやか♪さん
【詞書】ガラケーからスマホに昨年12月に変えました。試しに目覚ましをセットしてみたのですが、
    止め方がわからなく、あたふたしたことを詠みました。
☆スマホにて 目覚まし利用 デビューする 止め方いかに あれやこれやと
                         さわやか♪さん

【解説】
 いずれの短歌も内容の良く分かる、完成度の高い詠歌と思います。
 作者の感動や、想いが素直に表現されていて、思わず微笑んでしまう短歌は
 素敵と思います。
 一首目の短歌も状況の佳く分かる詠歌ですが、説明調を少し変えてみましたが
 いかがでしょうか。なお、「風と 共に去りしか」は良い表現と思います。
【ご参考】
 ★先がけの紅梅一輪すでになく 昨夜の風と共に去りしか


☆母の忌の庭に名残の竜の玉育てし母の幾とせをいま
☆母編みしセーターのその瑠璃色は母の遺愛の竜の玉かな
☆竜の玉見れば亡き母偲ばるる父逝きし日の母の落涙

                         みっちっちさん
【短歌説明】みっちっちさんご自身の説明です。
 いずれも母を偲ぶ短歌です。竜の玉は亡き母が庭で大切に育てていました。
 下草に隠れるように佇む可憐な瑠璃色の竜の玉を見つけては母は喜んでいました。
 瑠璃色は母が好きな色で、母が編んでくれた瑠璃色のセーターは今も心まで
 あたたかくしてくれます。

【解説】
 ユリ科の多年草である「竜の玉」は、今は亡きお母様が庭で大切に育てて
 おられたとの事。瑠璃色の美しい果実が印象的でもありますが、お母様の
 思い出に繋がる、果実とセーター。それらを詠み込んだ短歌はいずれも、
 作者の「母恋」とも言える挽歌になっています。
 三首目は、家族の情愛の深さが偲ばれる、目標としたい詠歌でもあります。



【詞書】映画「紅の豚」より『時には昔の話を』を。
☆グラスのワインを一口飲んで
    遠い昔を思ひ出す
        「そうだね」

                         自閑(jikan314)さん
【詞書】『さくらんぼの実る頃』を。
☆そういへばさくらんぼの実る頃恋をした記憶もあったかも
                         自閑(jikan314)さん
【詞書】『帰らざる日々』を。
☆過ぎ去って戻らない日々。
  もう一杯だけ飲んで行かないか?友よ

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 スタジオジブリの作品、1992年の紅の豚の3曲からイメージして、それぞれ別の時期に
 自由律短歌を作りました。2曲目のさくらんぼの実る頃は、シャンソン歌手で俳句も
 お作りになってblogに投稿している小國裕美さんのコンサートの模様を彼女の許可を
 得て作っております。学生時代からもう半世紀近く経ち、当時の友も恋も記憶の向こうに
 飛んでしまっていても、何故か懐かしく思ってしまう。
 ※3曲目の久石襄氏のコンサートは、著作権申立で削除されております。残念。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/80ea30d6a00040d70186f286ec73d2fb/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/08e222ef9226b4d975ee8da4be4cc67d/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/c4947539e38931e0a20030f81b6b3604/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
 皆さん詞書を入れておられるので、私も倣ってみました。古今集の在原業平の詞書は、
 ほぼそのまま伊勢物語に、新古今集の西行の遊女との相聞も謡曲の「江口」に発展しております。

【解説】
 西行法師と遊女との相聞歌は、謡曲の「江口」に昇華され能舞台で長く演じられてきました。
 謡曲では江口の君の幽霊が、江口の君の返歌を取り上げて、西行の「一夜の宿を」との
 頼みを断ったのではなく、娼館であるゆえ、出家の身を思って遠慮したのだと、当時の
 江口の君の心情を語る場面があります。
 相手の立場を、とことん思いやる江口の君の心情が、哀しいまでに響いてきます。
 詞書も、そのまま物語になる査証かも知れません。心して紡いでいきたいと思います。


☆人生は百年と言うコマーシャル
    我の余命は三十年(みそとせ)ほどよ
☆若人のスマホ画面の指使い
    見惚れる程に速いよ速い

                         リコさん

【解説】
 一首目の歌、
  ☆人生は百年と言うコマーシャル
     我の余命は三十年(みそとせ)ほどよ
 は・・・、作者のおっしゃる通りと思います。でも、それも心身ともに
 健康であればこそと思って仕舞います。これからの日々に心を込めて
 愛おしみつつ歩みたいものと思わせる詠歌です。

☆寒の入り樹氷のような檜葉の先羽膨らまし春待つ雀
                        『楕円と円』さん
【短歌説明】『楕円と円』さんご自身の説明です。
 「立春」となりましたが、北海道はこれからが寒さのピークを迎えます。
 寒の入りの頃の朝、庭のヒバの木の枝に積もった雪が凍って樹氷のようでした。
 止まっていた防寒着を纏ったような雀も仲間のように見えました。

【解説】
 南北に伸びた日本列島。その季節の移ろいは南の沖縄と、北の北海道では
 かなりの差異があると感じます。沖縄での桜開花が報じられる一方北海道では
 「ヒバの木の枝に積もった雪が凍って樹氷」と言う状況とのこと。
 私も信州佐久市にて育ちましたので「春待つ」思いは、ことさらに強いと
 感じています。「春待つ雀」は雀ばかりでなく、『楕円と円』さんの想いとも
 感じます。そんな思いを詠み込んだ味わい深い詠歌と考えます。

☆雪だより 屋根も畑も 埋もれしの
          白一色に 化す関ヶ原
☆雲間から 輝く光 うけて咲く
          淡雪残る 福寿草かな

                         クロママさん

【解説】
 いずれも情景の良く分かる素敵な詠歌ですが、二首目の「 輝く光」を「洩れる光を」
 として見たら 、福寿草の雰囲気が引き立つと思います。
 なお、一首目を語句を少し整理してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★降る雪に 屋根も畑も 埋もれゆく
         関ヶ原さえ 白ひと色に 


【詞書】テレビの「徹子の部屋」を視聴して詠める。
☆いもうとのやうな大竹しのぶさんテレビの向かうであれば尚よし
☆だうすればこんなおもろいおばさんになれるか上沼恵美子さん
☆神様のやうになりゆく黒柳徹子嬢には手を合はすべし

                         びこさん

【解説】
 テレビ「徹子の部屋」は人気の長寿番組の一つですが、黒柳徹子さんの
 絶妙の司会とトークで、ゲストの方の本音も含めて人間性が浮き彫りとなる
 見ごたえのある番組ですね。
 この番組の一齣を捉えたびこさんの短歌は、流石にポイントを突いた
 確かな詠歌と思います。「テレビの向かうであれば尚よし」に籠められた
 想いを、視聴者の一人として共感をもって受け止めたいと思います。


☆わが母校の校歌たおやか手弱女の女学校が前身なれば
☆甲子園常連校の松商の校歌石鎚山を歌へる
☆野球好きなれば松山南高校歌より先に松商校歌

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 現在、ベトナム在住のKenさんは、18歳まで生まれ育った愛媛県松山市におられたとのことです。
 なお、「媛(姫)を愛する県・愛媛県って名前は恐らく世界で一つだけで、フェミニストとして
 大いに誇りとしている」と、コメントされています。
 母校の松山南高校の校歌よりも早く覚えたのは、甲子園常連校の松山商業高校の校歌とのこと。
 小学生のころから、松山商業高校の野球の応援に出かけておられ、そんな思いを短歌に詠まれて
 います。遠いベトナムからの望郷の思いも籠る短歌を味わいたいと思います。

☆燃ゆる火を抱えて眠る富士の山 トンガの山と無縁であれよ
                        ポエット・M

【解説】
 南太平洋、トンガ王国の海底火山の爆発により8,000Kmも離れた日本に津波が
 押し寄せ、少なからぬ被害を与えました。この事実に驚かされるとともに、
 トンガと酷似する地勢を持つ日本の火山、特に富士山の大噴火が懸念されています。
 碧空の下白銀をまとい、すっくと立つ富士山を眺めていると、裡にマグマを抱えた
 活火山であることを忘れてしまいますが、そんな富士山に寄せて詠んでみました。



     「三浦半島 諸磯湾から望む 富士山」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (22)

5.再会 (2)

  さよならは
    また会うための
       合言葉
     永遠のさよならよ
       永遠のさよなら

    世に背き
      神に背ける
         君と我れ
       恋の闇路に
          緋の舞扇

      バラ ワイン
          笙子 わたくし
           エトセトラ
         秋の夜長の
            夢のカタログ

     黒髪も
       白き乳房も
          燃え上がれ
        我れこそ愛の
           愛の放火魔

   愛染や
     世界は二人の
        為なりと
      天地の群青
        我れら包む



 
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【ブログ友からのコメント】fumiel-shimaさんから前週の「水曜サロン」へのコメントです。
 何もわからない私がこんなことを書くのは失礼だと思いながらも、やはり心に響くものを
 たくさん感じるこのコーナーにお邪魔するごとに大きく揺り動かされる思いが募り、
 感じたことを書いてみました。
 kenさんの歌からはスポーツ選手の「不撓不屈」の心への感嘆やさらなる期待と、読み手
 にも共にエールを・・という呼びかけのようなものも感じました。

 みっちっちさんからは母と子の言葉にしなくても、できなくても汲み取れる強い愛情と、
 みちっちさんが母から受けた測り知れない愛情を思い出すたびに、それに報いることが
 できたかどうかを自問しながら母に寄り添い、母は娘のその想いや愛情を静かに受けとめて
 静かに穏やかにその命を全うしたという美しい親子の愛情を強く感じました。

 さわやかさんの歌からは明るい性格とおおらかさ、そして夢や希望、期待、意欲などを
 嬉しさで頬を緩めながら静かに表現する姿を・・・ 
 楕円と円さんからは言わずもがなの「動と静」、そして在りし日の自分の姿に重ねた選手た
 ちへの強い思いや眼差しを感じました。
 ポエットMさんの『北条の滅亡の地』という言葉だけで、鎌倉幕府の栄枯盛衰の様子が次々と
 目の前に展開されるようでした。 

 五行詩のメドゥサにも関心がありました。
 綺麗な美少女の姿なのか、醜い姿に変えられてしまい、戦慄の走るような恐い姿なのか・・・
 恍惚地獄とは・・「再会」の意味するものは・・などと考えてみたのですが・・・

【fumiel-shimaさんへの返信コメント】ポエット・M
 「失礼だと思いながらも」のご心配は無しとしましょう。それぞれの短歌への適切にかつ、
 作者の想いに寄り添っての歌評を頂き、嬉しい限りです。改めて感謝申し上げます。
 特に「みっちっちさん」の短歌に対し「美しい親子の愛情」の在り方に触れての
 歌評は、私たちにも及ばない視点を示唆して頂き、学ばせて頂きました。
 これからも、ご遠慮せずに歌評等、コメントをお寄せ頂ければ嬉しい限りです。

 なお、「五行詩のメドゥサ」は、次回の楽しみにして頂ければと思います。
 私は「再会した女性に魅入られて・・・恍惚地獄に落ちた」と解釈しましたが…。
 これからも宜しくお願い致します。


     「熱海桜をついばむ 目白」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。


     「如月の空の下 咲き競う熱海桜」
コメント (19)
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