四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その3)

2021年09月29日 08時06分02秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その3) 【短歌入門・質問コーナー】を設けました!!

「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うコーナーです。

短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」目指したいと思っています。
皆様の投稿を歓迎します。


【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。



「ブログ友の投稿短歌」

☆秋晴れの 浅間の噴火 次々と 形を変えて 飽きなき眺め
☆銀杏を 落としてつつき 割るカラス 賢き本能 我は驚く
☆景色見て 楽しいと言う 人生に 悟るあなたと 歩む幸せ
                       浅間山明鏡止水(kencyan)さん

【解説】
 カフェで休憩中に浅間山の噴煙を眺めながら、その噴煙の変化を詠んだ短歌との
 事です。奥様とのカフェでの語らいの模様が思い浮かぶ、和やかな短歌です。
 「悟るあなたと歩む幸せ」は、作者の奥様への感謝の想いが滲み、ほのぼのとした
 幸せ感が表出されています。
【ご参考】
 ★何気ない日々の歩みも幸せと 悟るあなたに 我もつつまれ

(詞書)中秋の満月の翌朝没する前に詠める三首
☆満月の沈めるさまを見るごとし眞子内親王降嫁のニュース
☆皇室も異国イギリス王室も次世代つなぎてゆくは難しか
☆ただ一人生まれましにし親王の天に昇られます日を待たむ
                        びこさん

【解説】
 詠まれた当日は、満月と中秋の名月が8年ぶりに重なった、特別な日となりましたが、
 この日に詠まれた短歌として、歴史的な詠歌となりましたね。満月が沈む様子に、
 内親王降嫁を結び付けた、味わい深い短歌となっています。
 なお、「詞書」は初心者の方にも「学び」となりますので、必要により記述願います。

☆ウクレレの 音(ね)に誘われて ゆらゆらと 対のトンボに 秋の気配が
                            Yokiさん

【解説】
 ペアのトンボもYokiさんの奏でるウクレレの音の良さが、分かるのかも知れませんね。
 「ペアのトンボ」はあまり早く飛ぶことは出来ませんので、揺ら揺らと舞うように
 部屋に入ってきたことと思います。そんな、ほほえましい短歌です。「ゆらゆら」を
 省略して整理してみました。いかがでしょうか。 
【ご参考】
 ★ウクレレの 音(ね)に誘われて 訪ね来る 対のトンボに 秋の気配も          
       
☆母抱え 重なる手と手 いつまでも 続けば良いと 願ったあの日
                            アンリさん

【解説】
 お母様の介護をとおして、改めて通い合ったお互いの想い。その瞬間が永久に
 続けばと願う娘の、母に寄せた深い想いが表現された素敵な短歌です。
 「重なる手と手」の表現が効いていますが「重ねる手と手」で、作者の能動性が
 より表現できると感じます。
 Yokiさんも書かれていましたが、その思いは深い共感を呼びます。短歌の心を
 しっかりと把握されている、アンリさんの益々の精進を期待しています。                        

☆ドア開けて迎える母の (#^.^#)((+_+))顔みたら 瞬時に分かる 勝ちか負け
                          すずさん

【解説】
 作者は「一人だけ素人が紛れ込んで」なんて謙遜されますが、とんでもありませんよ。
 骨格のしっかりした短歌になっていると思います。少し硬くなりますが、31文字に
 整えてみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★ドア開けて迎える母の (#^.^#)((+_+))顔みたら すぐに分かるわ 試合の結果

☆草刈りを終えた途端に雨が降る何かいいことありそうな日だ
☆ミッションをそつなくこなすトムクルーズこんな政治家いたらいいのに
☆楽しみは週に一度の手巻き寿司鮪烏賊鯛手酌の焼酎
                          Oraiさん

【解説】
 じっくり味わうほどに、良さが分かる短歌と思います。
 三首目は、すべての仕事を終えた後、手巻き寿司を肴に晩酌を楽しむoraiさんが
 目に浮かびます。「手酌の焼酎」が締めていますね。また、ハリウッド映画
 「ラスト・サムライ」でのトム・クルーズ。人としての情と誇り、部下への想いに、
 自らの地位、そして命をもかけてミッションをやり遂げる姿が目に浮かびます。

☆朝霧に かすむ鉄塔 雲海の 眼下の景色 一人眺むる
                オライ&kencyanさん

【解説】
 「オライ & kencyan」のお二人で連歌を投稿して頂きました。オライさんが上の句、
 下の句がkencyanの作です。このサロンは短歌も、連歌も、皆様からの投稿歌は
 幅広く受け入れていきたいと思っています。積極的に挑戦して頂ければと思います。
 なお、細かいことですが…、「眺むる」は文語連体形で、「眺むる時」など、
 次に体言が続く場合に用います。従って今回のように終止形で用いる時は「眺む」と
 なります。この場合は「一人眺める」の口語でよろしいかとおもいます。

☆花と葉の互いを想う相思花の 時たがえるは人の世に似て
                      ポエット・M

【解説】
 前回のブログでも触れましたが「相思花」は、曼殊沙華の別名です。花が咲き
 終わってから葉が出て、花と葉が相まみえることがないことから、花は葉を思い、
 葉は花を思うことがこの花の名前の由来との事です。
 互いに思いながら、時や場所の壁によって、相まみえることが中々出来ない事は、
 私たちも多く経験することですが・・。花の摂理の不思議さを、人の世に重ねると
 感慨深いものがあります。そんな想いをこの歌に籠めてみました。


五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (4)
2.出会い (1)
  ほほえみて
   女の幸を
    春の日に
   光をこぼす
    乙女振り袖

     振り袖に
      女の幸の
       きらめきて
      げに春の日の
       光はまぶし

    振り袖に
     生きよこの日を
      一生と
     明日は夢なき
      大人の荒野

    泣くがよい
     あわれ振り袖
      乙女子よ
     夕べ鏡に
      紅を落として

   春風の
    光の中に
     振り袖の
    君はほほえむ
     女神のごとく



【短歌入門・質問コーナー】

「水曜サロン」の企画・営業責任者を担って頂いている、浅間山明鏡止水(kencyan)
さんからの提案もあり、諸々検討した結果、本コーナーを立ち上げることと致しました。
短歌の投稿者、あるいはお立ちより頂いています皆様から賛同が得られましたら、
本コーナーを継続して行きたいと思っています。

なお、私は短歌について学術的に極めたわけでもなく、短歌会・結社等に同人として
所属し、業務の傍らで30年余にわたって、細々学んできたに過ぎません。従って、
皆様の質問にどこまで答えられるかは、心もとない限りです。ただ、皆様と共に学び
ながら、短歌の在り方等を共に見出して行けたら幸いと思っています。宜しく
お願い致します。

今回は、最初の試みとして、皆様の直近のコメント等に記された中から3点について、
簡単にお答えしたいと思います。皆様から素朴な疑問も含めて、コメント欄に
お寄せいただければ幸いです。なお、私の回答は、あくまでも一つの「解」で
ありますので、他の回答、反論、意見等もありましたら、このコーナーで大いに
議論して参りましょう。それが学びになれば嬉しいです。


『短歌に決まりはありますか』
 短歌は記紀万葉以来、千数百年余の歴史と、伝統をもつ詩形ですが、
 5・7・5・7・7の、5句31音の韻律で詠(よ)むということ以外、とくに
 決まりはありません。
 なお、韻律とは短歌の生命でもあります「調べ・響き」を言います。思いや訴えを
 包み込んだ調べ(律)や、響き(韻)によって表現される感動や、味わいが短歌の
 魅力の一つと言えます。

『短歌に季語はありますか』

 短歌には「季語」はありません。俳句は「歳時記」により、かなり厳格に「季語」が
 規定され、季語が中心的な役割を果たしています。短歌にはこのような規定は
 存在しません。

『詞書とは』
 単に「詞(ことば)」とも言い、主に、歌の前に置かれ、歌の題や歌を詠んだ
 事情などを述べたものを言います。短詩形のために表現不足となりやすく、詞書を
 借りることが効果的な場合がありますので、上手く使っていくことも「あり」かと
 思います。


                      了

コメント (26)
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