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やどかり和尚の考えたこと

サンデーサンライズ437 十和田湖は

2023年10月08日 05時00分00秒 | サンデーサンライズ
三ちゃんのサンデーサンライズ。第437回。令和5年10月8日、日曜日。

10月に入り急に冷え込んできました。
春秋がなくなり冬と夏の二季になるなどという予測をする人もいますが、このように暑さから一気に寒さに転じたりすると本当にそうなるのではないかと恐ろしさを感じます。
四季のある日本がこの国らしい情緒や文化、習慣を培ってきたのは間違いなく、あいまいともとれる態度や表現も四季の移ろいから生まれた性質なのでしょう。
暑さと寒さだけの激烈な表現はこの国らしくないと思います。
私のような春と秋だけあればいいと思う人間には真に残酷な予想と言わねばなりません。本当に。

3日火曜日から5日木曜日まで、八幡平と十和田湖に遊んできました。
7月に布教巡回で秋田を回った時、小坂町のお寺で八幡平のふけの湯の女将に出会い、話の中で、「牧野富太郎が泊まったことがある、その時に山の食材を供したところ、様々な食材にそれぞれの名前があるが総称はないと言うと、『山菜』と名付けたらどうかと言ってくれた、『山菜』の名付け親は牧野博士なのだ」というような話を聞いて行ってみたくなったのでした。
「蒸(ふけ)の湯」は、八幡平の山懐にある一軒宿で、野天風呂が有名な温泉場でした。
ちょうど着いた時、湯めぐりツアーなのか観光バスからぞろぞろと客が降りたところでした。添乗員が「ここから3日間は貴金属を奥にしまっておいてください、4時出発でーす」などと呼びかけていました。
確かに、野天の湯に行ってみると、恐山のようにあちこちでブクブクと温泉が噴き出て硫黄の匂いが立ちこめています。金や銀は黒くなってしまうことでしょう。
硫黄泉は、湯から上がって服を着てからもしばらく硫黄の匂いが立ちのぼって来て、この感じが好きです。
この周辺には、大深温泉、後生掛温泉、玉川温泉、志張温泉など、一軒宿の温泉が多く点在していて、あちこちで同じような光景が見られるようです。次はどこの温泉に行こうかと思いを巡らしました。

次の日、そこから北上して十和田湖へ。
カミさんの十和子という名前の由来でもある十和田湖には一緒に行ってみたいと思っていたところでした。
小坂町の方から十和田湖を目指す途中にある発荷峠は展望の名所で、多くの観光客が訪れるようでした。
ちょうどこの日は風もなく天気も良く穏やかだったので、湖がきれいに見えました。
ねらいは紅葉の八幡平と十和田湖でしたが、今年は暑かったせいか色づきが遅いようで、まだまだ紅葉とは程遠い状態でした。
八幡平アスピーテライン、樹海ラインの道中は樹々の中を進む山道で「これが紅葉だったら」と残念に思いましたが、それでも緑の木漏れ日をいっぱい浴びながらの癒されるドライブでした。
十和田湖ではシンボルの乙女の像を見て遊覧船に乗りました。きれいで静かな湖面はまさに遊覧というにふさわしい時間でした。
その船内アナウンスで「トワダはアイヌ語由来で・・・」と言っていたのを聞きそびれて、帰ってから調べてみると「トー」は湖「ワタラ」が岩というところから来た名とのこと。
十和田湖をこよなく愛した詩人佐藤春夫が「山は富士、湖水は十和田、広い世界に一つづつ」と謳い、湖畔に建つ高村光太郎作の乙女の像の建立にも佐藤春夫が深くかかわっていたと知りました。多くの人が愛した湖であることが頷けます。
この湖は噴火の後にできたカルデラ湖で、どこからも川の流入がなく、湖底から湧き出る湧き水だけなので透明度が高いのだそうです。ここから流れ出る川が奥入瀬渓流となります。
十和子が生まれる頃、その祖母が十和田湖を旅しその美しさを語ったことからその名がつけられたとのこと。よほど美しかったのでしょう。
湖は、その頃のまま今も変わらずきれいでした。

もう一つ楽しみにしていたのは「十和田バラ焼き」。
鉄板の上に敷かれた玉ねぎの上に牛バラ肉が並べられています。特製のタレがかかっていて蒸気が出てきたらよく混ぜて食べてとのこと。
奥入瀬渓流を下ったところにある「上高地」という小さな食堂なのですが、朝鮮半島と思しき会話が店中に充満しています。そのためのメニューも準備されています。焼肉はそちらの国の方が本場でしょうにと思いながら、こんな田舎の小さな店に海を越えてやって来るんだなと、最近のSNSの力に改めて驚きました。

特に周年記念ではありませんでしたが、夫婦の小旅行は穏やかに楽しく過ごせました。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

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