9月29日付の本欄で、1割、場合によっては2割程度の問題を「迷宮入り的問題」として、割り切る(捨てる)お勧めをいたしました。はたして、そのような割り切りを持って大丈夫なのか、それで本当に合格できるのか、不安が残るかもしれません。
本稿では、入試本番での結果を例に、少し具体的に指摘してみましょう。これから取り上げる学校は、例年、エデュコの女子児童が最も多く進学する女子校です。2012年2月2日に行われた第2回の試験(第1回分の詳細は、「学校案内」とともに配布される「受験ガイド」に記載されています)で考えてみることにします。
この試験における合格最低点は、320点満点中の175点(54.7%)となっており、各教科別・設問ごとに、正答率が示されています。本番入試で「6割の得点を目指そう」が、エデュコの常とう句ですが、仮に6割とれば、192点となるわけで悠々合格となります。
はじめに国語です。正答率が10%未満の問題が4問、そのうち2問は5%に満たない数値です。次に、算数においては、正答率10%未満の問題が4問、そのうち3問は3%に達していません。さらに、社会では、正答率10%未満の問題が4問、そのうち2問は5%に届いていません。最後に、理科では、正答率10%未満の問題が2問あり、2問とも5%未満となっています。
1割を合否に影響しない「迷宮入り的問題」にしていいことがお分かり頂けるでしょう。算数においては、4問ですから、2割ということになります。
ちなみに、正答率40%以上の問題だけを正確に解き切った場合、その得点は177点となり、出来たい問題をしっかり手掛けることで、合格を果たせることも分かります。
ただ、こういえば、「正答率40%以上の問題をノーミスで手掛けることは不可能では?」という思いがよぎるでしょう。
大丈夫です。たとえば、この例でいえば、正答率30%以上~40%未満の問題が4教科中21問あり、その大半が、社会・理科の選択肢あるいは語句回答の問題です。4択・5択の問題では、子ども達の判断が混乱し、かえって、正答率が低くなるものです。おそらく、このうち、7~8問は正解するはずです。40%以上の問題の解答ミスは相殺されることになります。
要するに、研究成果のない問題に時間を取られるのではなく、自力解決が可能な問題をどんどん積み上げることが重要になります。問題集の解説を読んで、実際に、解法を真似てみて、よくわからなければ、それが「迷宮入り的問題」と判断していいでしょう。勇気を持って、捨ててください。
さらに、エデュコで質問する際は、恥ずかしがらずに質問してください。つまり、「簡単な問題を質問すると格好がつかない」「こんな問題も分からないのかと思われたくない」などと考えずに、「6割得点の力をつけたい!」という思いできてください。「この問6が分からない」と言って質問にくるものの、「じゃ、問1から確認していこうね」とやれば、分かっていない問題が多いものです。
泣いてもいいから、絶対怒ったりすることはないから、私たちと一緒に、なりふり構わず立ち向かいましょう。