シノワレコード

女性Vo60sサイケガレージ的Indiepopバンド"シノワ/shinowa"のGtヒラタによる色々レビュー&世間の話題

マルコシアス・バンプ から学んだ世代

2010年03月22日 | 日本80's
先週金曜、山口防府印度洋のライブに行く。
出演は、最近山口界隈で非常に勢力的な男女デュオの LILY、ハイブリッドな電脳インプロソロギターの井上経康さん、ここではもはや語るべきこともない世界のドラびでお こと一楽さん、そして元マルコシアス・バンプのベースの佐藤研二さんのソロ。

LILYさんは見る頻度も多いのだが、回を重ねるごとに明らかに出音が良くなっている。
楽器って人間が演奏するものだから、機材のクオリティとかじゃなく、技術とか経験とかそういうものが出音を良くさせることを実感させられます。

井上さんは、どうやって音が出ているのかよくわからない部分もあって、同じエフェクト多用型ギタリストとしては心ときめくのだが、インプロっぽくありつつも非常に楽曲やフレーズが練られていて、むしろ今回はその楽曲やリフの方に耳が行ってしまった。盗むべき点が本当に多いです。

自分にとっては厨房時代からの師であるドラびでおさんは、もはや山口で見ることができる方が少なくなってしまった。
繰り返すが、もはや自分が言えるべきことは何も無いと思うのですが、やはり地元での演奏を聴けることは本当に嬉しいことだと思う。相変わらず常に新しいことを取り入れられる攻めの姿勢には、見倣うことしかない。


まだギターもまだ弾いてなかった中学生のころ、毎週楽しみに見てたイカ天でとりわけ強烈だったのがマルコシアス・バンプで、自分らの世代の音楽好きなら誰もが知ってるバンド。
イカ天での最初で最後の天王山だった「たま」のグランドイカ天キングのかかった週に出てきたバンドで、自分も生放送で見てた。
当時はグラムロックとかも知らなかったので、見た目だけだとグロリアのジギーとあまり変わらないと思ったけど、その演奏がとにかく楽器もしてない中学生にも凄いことがすぐに解った。
そしてやっぱり特に目を奪われたのがそのベースで、ブンブンと唸るピンクのベースが鮮烈すぎた。

そのベースの佐藤研二さんのライブを今の歳になって、それも地元で見ることになるとは、夢にも思わなかったな。
さすがに当時の格好はしておられなかったが、ベースを弾く姿はあの時テレビで見たやつそのものでちょっと感激した。

実はものすごくキャッチーなタイプの人でニコニコしながら、またキャッチーなMCも織り交ぜながらバキバキにベースを引き倒していた。
で、途中10分くらいジャック・ブルースと対談をした時の話のMCがあった。
あまりにも面白かったので、覚えている範囲で書いておきたい。


当時、冗談でジャック・ブルースに会いたいとか言ったら、本当に対談がセッティングされたそうだ。
そのイギリスに行く当日になったら、「オレは会って一体どうすればいいんだ」と、行きたくなくなったらしい。
そもそも偉大すぎるロックスターだし、写真のときしか笑わねえとかそんな怖そうな人だと思っていたと。
成田でお土産の樽酒を買っていって、憧れのジャック・ブルースに会うためにいろいろと段取りを想定したんだとか。

現地で待ち合わせの場所に行くと、ジャック・ブルースのジャガーが到着。
ジャガーからは2人の子どもが飛び出して来て、2人の女性が出てきて、それからジャック・ブルースが降りてきたんだと。
あろうことか、伝説のスーパーバンド・クリームのジャック・ブルースが、子ども・妻・ジャックのお母さんという家族全員で参上。めちゃアットホームな感じでやって来たんだそうだ(笑)。
さらにこっちがお土産を渡す前にクリームのレコードをくれたりして、段取りが崩壊。。
それからジャックが4時間くらい目を見て話してくれて、佐藤さんには次のスケジュールがありジャックではなくこっちから「帰ります」と言ったくらいで、そして別れ際には自分たちが見えなくなるまでジャックが手を振ってくれていた・・・


いやいや猛烈にせつない話じゃないですか。自分も涙が出そうになった(笑)。


さて、ライブが終わって佐藤さんに話しかけてみた。
こっちも一応失礼のないように
「昔のこととか聞いていいんでしょうか?」
と聞くと、逆にすごく喜んでくださって、当時のイカ天のことなんかを詳しく話してくれた。
「キミ、よく覚えてるねえ」とかほめられたくらいだ(笑)。

それで、ちょっと衝撃だったのはあのピンクのSGベースのことで、実はイカ天出演前にご自身のベースを折ってしまわれたかなんかで、急遽友人の水色のSGを借りたんだそう。だけど、それがバケツの色みたいだったので、上からピンクの紙を貼ったんだそうだ。


自分もイカ天のマルコシアス・バンプからロックを学んだことも多かったので
「思いの丈を話せてよかったです」とか言って「昔のことばっかり言ってすみません」とか言うと
「そりゃ、10才の時に会ったお兄さんにもう一度会ってみたいと思って、そう言われていやな気はしないでしょ?」
とか言われて、本当に久々に感激的ないい時間を過ごした気分になった。

昔はミュージシャンといえば何か崇高なイメージで、自分もそういう風になりたいなとか思ったが、今回のジャック・ブルースの話しかり、佐藤研二さんの件しかり、自分も歳をとったのか、最近ではこういうミュージシャンの在り方に共感を覚えるようになった。
そういえば、ポール・ウェラーも息子さんがビジュアル系で悩んでいるんだとか(笑)


さっき当時の映像を探して見てみたら、三宅裕司、相原勇とのカラみや審査員のコメントまで、ああやっぱりほとんど覚えてた。




今改めて見るほうが衝撃を受けますね。


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
見てました (サイケ)
2010-03-23 18:08:42
イカ天、懐かしいです。
ただし当方既に社会人でしたが・・・。

マルコシアス・バンプは鮮烈に覚えています。何せ「お前の薔薇が好き~♪」でしたからね。たまも好きでしたけど、マルコシも好きでしたので、暫定王者の扱いには感激しましたね。

マルコシアス・バンプは、ジックシングルCDを一枚持っています。
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Unknown (マルコシヒ)
2010-03-24 23:19:35
サイケさま
どうもご無沙汰しておりました!
もうやること大杉で頭が回ってません(笑)

さて、イカ天時に社会人とは・・
そう考えると大先輩ですよね!
僕ら世代はイカ天で結構学んだことも多かったんですよ。

当時の自分はまだ洋楽は聴いて無くて、もっぱら日本のインディーズロック好きだったので、イカ天は食い入るように、生放送で見つつ、さらに録画したビデオも翌日見るという気合いの入れようでした。

たまが出た時は、すでにナゴムのオムニバスで知ってて好きなバンドだったので、ああこういう人たちだったんだとびっくりしたもんです。

マルコシは当時辛口だった審査員がベタ褒めだったですもんね。
でも、ご本人にその先日伺った時は、まったく自信がなくて「モノマネ」とワイプされんじゃないかと思ってらしたそうです。
実は、次回は別ユニットで来られるのでその時に僕の持ってるインディーズ時代のCDにサインしてもらう予定なんですよ(笑)
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