本日も蔵出し映像をお見舞いします。
高校一年生までは日本のロックが好きだった。特にそのシーズンの夏~秋にかけてはストリートビーツばかり聴いていた。「星降る夜に」とか。
そして秋になり、偶然中古屋で「こたつ内紛争」のシングルCDを見つけた、ニューエストモデルを大変好きになり、そしてはまってしまった。
タイムリーにも現在は廃刊となっている『バンドやろうぜ』中に、メスカリンドライブとニューエストモデルがおすすめのアルバムをあげる記事があった。それまで洋楽には興味はなかったのだが、それなら聴いてみようかなという気になり、高校の三学期の期末テストが終わったら、洋楽にチャレンジすることを決意したのだった。
丁度そのころ、なんとなく激しく速い音楽が聴いてみたいと思っていた。
さて、期末テストも終わり、いきつけのDISKBOXに行き、店員のお兄さんSさんに「洋楽で速いのが聴いてみたいのです」と。
すると「こんな感じかな?」と、出してくれたのは、ジャーマンスラッシュメタルの「DESTRUCTION(デストラクション)」だった。
聴かせてくれて、「確かに曲も高速だし、意外といいかもしれない」気分になり、中古で安かったのでそれを購入した。
で、うちに帰って冷静に聴いてみたら全然つまらなかった。
「やられた! ヽ(;´Д`)ノ」
同じ日、実はピストルズも買っていたのだった。中学から日本のビートパンクが好きで、インタビューにもピストルズのことが頻出していた。だから、洋楽を聴き始めるならピストルズがいいなと思っていた。
そう。自分はピストルズと過激なやつの二枚買おうとしていたのだった。あいにくピストルズはDISKBOXにはなかったのだ。
「過激な言動」、「女王安全ピンジャケ」など、そういう先入観ばかりがあったので、ピストルズはめちゃくちゃノイズっぽい、変態音楽なのだろうと勝手に想像していたし、それを期待していたのだ。
デストラクションがつまらなかった後、ピストルズを聴いた。
すると、「ザッザッザッザッ・ジャジャジャーン・ジャジャジャーン」とめちゃくちゃポップに始まったので、その瞬間、またも
「しまった! ヽ(;´Д`)ノ」
だが、ピストルズのアルバム全編を聴いてみて、結構気に入ったので、それからいろいろパンクを聴いてみることにした。
ちょうど他の雑誌でもパンク特集があったので、それを見て、まずはロンドン三大パンクを聴かねば!と考えた。なのでダムドのファーストと、そしてクラッシュの『ロンドンコーリング』を買ってみた。ダムドはいいと思ったが、クラッシュは「なんだこのユルさは?」っという感じで聴けなかった。
当時はCDもたまにしか買えないし、そういうのを聴いてる人間もまわりにいなかったし、「ロンドンコーリング」はぼったくられたとさえ思った。だって、その本には「『ロンドンコーリング』は『サンディニスタ』よりもスピード感がある」なんて書いてあったわけですから。今考えればその通りなんだけど、純朴な高校生は単語を鵜呑みにしますよ。
三大パンクも買ったので、次はジャムを買ってみた。『SNAP!』(ベスト)だったので、「IN THE CITY」しかいいと思えなかったのだ。
「なーんだ、パンクってもっと過激な音楽だと思っていたが、全体的には結構ゆるい感じだ。」
なぜかその次にストラングラーズは買わなかった。買ってたらそれは決定的だったな。
そのころには宝島社『ロック名盤ガイド』を入手していたので、ガイドブックを見直すと、
GBHというのが、速くてよさそうだった。
それを買って聴いてみた。すると、結構、求めていたものに近かったのだ。
しかし、すっかりそれで達成感があって、自分の速い音楽への追求は終わってしまった。
それからは、しばらく聴いていなかった、ジャムと『ロンドンコーリング』がよい音楽に聴こえるようになった。長いような短いような道のりだったなー。ヤレヤレ。
母に車に乗せてもらったとき、GBHをかけたことがあった。自分には弟がいる。弟はどちらかというと活発なタイプで、自分はボーッとしているタイプである。
そのころ弟はサザンが好きだった(真夏の果実とか)。GBHをかけた時、母は「人間は性格と反対の音楽を好むのね」と言った。これに関しては、ただそれだけの話だ。
※ ジャケ写はデストラクション。悪夢だ。
(お詫び)デストラクションファンの方、すみませんでした。お詫び申し上げます。