視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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ノーカントリー

2008-04-03 05:47:56 | 映画・テレビ他
視てまいりました「ノーカントリー」。

良かった!!・・・!

「ノーカントリー」と書くよりは原題の"No country for old man"のほうがピッタリします。
ストーリーは他のホームページ等を読んでいただくとして、

あえてネタばれしてしまうけど(これから視る方はこの先は読まないでください)

金を掠め取った男は逃げ切れず家族ともども殺され、
犯罪に関係した者もしない者もみんな殺され、
老保安官は自分の年齢と能力の限界を感じ保安官を辞任して引退生活に入ってしまう。
そして仕事を果たした"死神"は、まったく偶然の交通事故で重傷を負いながらも足を引きずりながら消えていく。

「勧善懲悪の物語」なんていうものを期待していたらまったく裏切られる作品です。

なによりもいいのはこの老保安官の独白と、訪ねていたった知人や妻との会話。それが事件の舞台である西部(ニューメキシコ州、テキサス州?)の荒涼な風景の中で描かれていきます。
この会話を聴くためにこの映画を視にいってください。

1975年にアメリカがベトナム戦争に負けて数年たったころの"アメリカの心象風景"が痛いほど伝わってくるような気がします。

保安官のバッジに責任を持てなくなってしまった老保安官の心情は、平日の「映画の日」に視に来ていた小生を含めた老人にはシンミリと伝わったようです。

まさに"No country for old man"です。

映画の舞台になったようなニュー・メキシコの荒涼たる風景。(ルート66はこんなところも通ります)


P.S.
コーエン兄弟、"死神"も保安官も次の作品にむけて用意しているのかも?



コメント
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