先日利き酒間違えました。
2種類あったお酒が、全く同じ純米原酒火入れだったにも関わらず、
ひとつを、純米火入れ原酒、もうひとつを純米生原酒と間違えました。
火入れ原酒と判断した方は、常温。
生原酒と判断した方は、かなり冷えていました。
先入観は、利き酒の敵でした。
唐突ですが、国税庁資料から読み解く静岡県の酒造業シリーズ2回目です。
3回目は多分ありません。
19.販売先別課税移出数量
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/seishu/2010/pdf/19.pdf
これは、蔵元がどの業態、どの地区にお酒を出荷したかという表です。
業態の区分は、酒問屋さん、酒屋さん、消費者の三区分です。
静岡県の特徴は、酒屋さんに販売する比率が高いという事です。
全国平均の酒屋さんへの出荷比率は10.4%に対して、静岡県は56.2%、島根県の65.3%、和歌山県の62.1%に次ぐ、全国3位の高率です。
結論的にいうと、静岡県の蔵元は、小売店さんとつながりが深いということです。
経営的にいうと、(問屋さんに販売するのに比較して、一般的には)販売するための経費や手間はかかるが利益率はよいということです。
このブログを見られる方は、地酒に興味をもたれる方が多いと思うので、全国平均の酒屋さんへの出荷比率が10.4%というのは、予想より低いと感じられるのではないかと思いますが、、伝統的な蔵元→酒問屋→酒屋さんという流通ルートは、いまも主流です。また日本酒の販売でも、大きな比率を占めている、スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニ、百貨店での流通ルートは、通常酒問屋さんが確保しているということもあります。
私たち日本酒の蔵元は、製造業だから経済産業省でもなく、米を使うから農林省でもなく、アルコール飲料だから厚生労働省でもなく酒税を支払うため国税庁の管轄下のおかれています。
そのため、国税庁から清酒製造業の概況という統計資料が毎年発表されています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/seishu/2010/index.htm
この中で、18 製成・移出入数量及び集中度(都道府県別)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/seishu/2010/pdf/18.pdf
という資料があります。
これは、ラフに言うと、都道府県別に、各県で、お酒を造った数量(製造数量)、出荷した数量(課税移出)、他の蔵元からお酒を仕入れた数量(未納税移入)、他の蔵元のお酒を出荷した数量(未納税移出)を表にしたものです。
また、これも厳密性に欠けますが、出荷した数量(課税移出)をAとして他の蔵元からお酒を仕入れた数量(未納税移入)をBとすると、B/Aは、(各県で)出荷した数量の中で、どれくらい他の蔵の酒が含まれているかを示します。
全国をすべて合計すると、B=80859 A=621900(単位KL)
B/A=約0.13 約13%です。 日本酒の平均においては一升瓶だと234MLは他の蔵のお酒が含まれていることになります。
まあ、率直に言って比率が多すぎでしょう。
静岡はB=35 A=4266 B/A=約0.008 (単位KL) 約0.8% 一升瓶だと15ML。
これは、福井のB=13 A=2904 B/A=約0.004 (単位KL) 約0.4% 一升8ML。
に次いで全国2番目の低さです。(宮崎、鹿児島、沖縄を除く)
結論的にいうと、静岡の蔵元は、「他の蔵元の酒なんか、使えねえよ。」と思ってると言う事です。
この表を見ると、昔は、他の蔵から酒を買い集めていた(≒全国から酒を買い集めていた)というイメージの兵庫県は、実は、いまや他の蔵に出荷する量の方が多くなっていたりします。
醸界タイムズより 22BY清酒出荷状況 59万4千klで4%減
詳細はこちら
厳しい状況の中、平成22酒造年度で前年度より増加した都道府県は、埼玉県(6・9%増)、宮城県(1・7%増)、山口県(5・5%増)、熊本県(27・1%増)--の4県だけだった。
おそらく、埼玉県は、茨城県からの出荷数量に入っていた大手蔵元の出荷地が、埼玉県に変わったためで、実質は微減ではないかと推測される。また、茨城県、この影響で対前年比の数量が非常に少なくなっている。
熊本県は、事故米問題の関連の反動増ではないかと思われる。
実質的に非常に蔵元に元気があって需要を増やしているのは、山口県だと思われる。
確かに山口県には勢いのある蔵元が多い。
今日のブログは、ほとんど推測です。
震災によって志太泉の販売店の中でも最も大きな被害を受けた
福島県いわき市の大喜多やさんからひさしぶりのお酒の注文が入りました。
大喜多やさんのサイトはこちらです。
(うまく直接リンクができなかったので、このサイトのはじめのリンクから入れます)
少しずつでも、被災地に日常がもどっていくことを改めて願っております。
6月5日蔵元でMY梅酒を作ろう&OMOIYARI FUKUSHIMAの受付終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
OMOIYARI FUKUSHIMAの方は当然予約も何も必要ありません。
6月5日にお時間があったらぜひ蓮華寺池をのぞいてみてください。
http://msn.eshizuoka.jp/e724143.html
詳細は上記リンク<全日本山間地活性化計画>です。
本日、16時45分からの静岡朝日テレビ「とびっきり しずおか」にて、村松友視(視は正式には示に見)氏の志太泉訪問が放映されます。
http://www.satv.co.jp/0300program/0010tobikkiri/index.html
村松氏は、10数年前に、志太泉にご訪問されており、それ以来の再訪となりました。
清水出身で静岡への愛着は、氏の著書の中にいくつもあらわれています。
たいへんきさくな方なので、収録もゆったりとした雰囲気で行われ
私も、あまりにも自然体すぎて志太泉を宣伝するのを忘れていました。
静岡県中部で発刊されていますフリーペーパー「すろーらいふ」4月号は
「静岡の地酒」特集です。
蔵元では(敬称略 掲載順)で
正雪、臥龍梅、忠正、志太泉、杉錦、開運の6蔵が掲載されています。
蔵元の情報だけでなく、酒器、地酒屋さん、酒の肴、日本酒とぬか漬、酒の合わせるこの一皿、蕎麦などの情報ももりだくさんです。
http://www.webinn.co.jp/
すろーらいふが置いてある場所はリンクサイト内の設置店舗一覧にございます。
最近のフリーペーパーは、0円でも充実しています。
有料の雑誌が苦戦する中、デフレ時代の時流に乗っています。
田舎の静岡でも新規参入で、いろいろ創刊されています。
しかし、おそらく、過当競争です。
多分生存していくのは、質という意味ではデザインの品質。
量という意味では、ウェットでローカルな人的つながりになるのかなあと思いました。
ぜんぜん的外れかもしれませんがね。
日本酒度+7.0 酸度1.2 五百万石100%使用 精米歩合50%
立ち香で五百万石の米由来の香り、バニラを想起させるような香草に似た香り、赤梨のような香りがあり、含み香で赤梨やライチに似た吟醸香がある。
味わいは、日本酒度+7.0酸度1.2という数字のイメージを裏切りやわらかな甘味と軽やかな酸にヴィヴィットな彩りを感じる。
・平成22年夏の猛暑により、五百万石は米が硬質化し、胴割れや砕けが例年に比べ顕著だった。
・酵母選択では、HD-1では極端に硬い酒質なる可能性が高いと想像して、本年度はNEW-5を使用した。
・粕歩合はやはりかなり高かった。
杜氏研究会に行ってきました。
行った理由は、本当に今年は米が硬い影響で、酒もシャープなのかというのを確かめたかったためです。
結論的には、酒はシャープでした。あまだれた酒はほとんどなかったです。
吟醸部門、純米吟醸部門とも首位の磯自慢酒造の静岡県出品酒(候補)は素晴らしい出来でした。酢酸イソアミルに香り高く旨みときれいさのバランスも高いレベルにありました。
志太泉も酒質的にも順位的にもまずまずだったと思います。
今年も吟醸部門は精米歩合50%で出品します。
※杜氏研究会 静岡県内に在籍する杜氏さんによる杜氏組合が開催する新酒を持ち寄り、杜氏代表、蔵元代表、静岡県、名古屋国税局等の審査員に委託して審査する会。静岡県清酒鑑評会の前に開催され、その結果を出品酒選びの参考にしたりする。
※硬い米 猛暑の年にできた米は硬いといわれる。
昨日蔵見学がありました。
10名というちょっと実験してみるにはちょうどよい人数だったため
(ほぼ)即興利き酒実験をしました。
実験内容は志太泉の数種類の酒をブラインドで利き酒して
一人一人が好きな順に1位から3位まで選びます。
1位4点 2位2点 3位1点で集計します。
この結果トータルで1位だったのは
純米生原酒でした。(山田錦精米歩合60%)
10人中1位が3人、2位が3人の計18点でかなり2位に差をつけました。
好みは人それぞれなので理由はわかりませんが
純米生原酒だけは開栓して1週間くらい経過していたので
微妙に丸くなっていたかもしれません。
あるいは他のお酒は茶色瓶でこれだけ緑色瓶だったからかもしれません。
3月6日日曜日のラジオNIKKEI夜19時15分から35分までの
浅羽由紀さんパーソナリティの「藤色の風」にて志太泉酒造が紹介されます。
藤色の風は様々な藤枝市の情報を毎週日曜日に発信しています。
http://www.radionikkei.jp/fujiiro/
ご期待。
このラジオ番組は短波放送ですので、短波用のラジオがないと聴けませんが
ネットが繋がる環境であれば同時にライブストリーミングでまた19時35分すぎからはオンデマンドで聴く事ができます。
ご期待。
浅羽由紀さんは藤枝市出身のシンガーソングライターです。
http://blog.livedoor.jp/asabayuki/
お酒が好きな蔵元の味方です。
蔵で飲むお酒で一番多いのは志太泉普通酒です。
これは当たり前です。
それ以外にも志太泉各種を飲みます。
そしてそれ以外にも他の蔵の酒も飲みます。
これは飲みながら製造の事を考える意味合いもあります。
最近は山形県の酒を5種類飲んでいます。
本醸造から精米50%の純米吟醸までがあります。
ですから本来この中で比較すべきものではありません。
しかしながら
今風にいうと鉄板でしょうか?比較という視点抜きで
上喜元純米吟醸山田錦精米55%は素晴らしいと思いました。