志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

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大人の資格 第5回

2014-12-17 11:03:37 | 地酒

はじめにこの資格は、「清酒の鑑定士」のようなものと言いましたが

実際、例えば「この720MLの清酒は、10000円の価値があります。」と鑑定できるわけでもなく、一口お酒を飲んで、「この酒は、○○県の□□酒造の、平成14年度産の山田錦の精米歩合50%の純米吟醸です。」と当てられるわけでもありません。

また、「このお酒は、どんなお料理と合いますよ。」というようなソムリエ(利き酒師)的な、飲食サービスができるわけでもありません。

但し、製造者(あるいは、販売者としての)客観的な品質評価に対して尺度を持てるという事と、技術者として限れば、酒質から逆算しての工程改善にも役立つのではないでしょうか。

以上にて終了です。

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大人の資格 第4回

2014-12-16 18:44:56 | 地酒

そのように書いたレポートは、みごとにダメ出しとなりました。

つまり、そんな読書感想文みたいなものでは、だめということですね。

ダメ出しを繰り返し、最終的には、酒類総合研究所の指導教官のアドバイスを受けながらこんな感じの事を書きました。

1.当社の清酒の官能評価とその結果への対応
(1)上槽時及び滓引き後上槽酒
評価項目:A.外見 B.香り C.味
決定事項:濾過方法、移動タンク、(製造上の)瓶詰優先順位
※ここでの官能評価は、次工程への意思決定の意味合いよりも、製造へのフィードバックの検討の側面が強い。


A外見 ①酒の色調
指摘事項の例 色調が想定より濃い

要因 ア.鉄由来 イ.米由来、ウ.麹由来(老しすぎ)エ.もろみ経過(もろみ経過温度が高すぎる・米の溶解しすぎている)オ.洗浄不十分

対応 ア.タンクの琺瑯欠けの点検 仕込水の分析 イ.対応法なし ウ.麹造りの調整 エ.もろみ経過温度、吸水歩合、蒸しの硬軟の調整 オ.タンク、ホース、絞り機の洗浄度確認

指摘事項の例 色調が想定より薄い
要因 ア.若麹 イ.米の溶解不足

対応 ア.麹造りの調整 イ.醪温度、吸水歩合、蒸しの硬軟の調整

こんな感じで延々と書いてようやくOKとなりました。
いや、理系の作法を知らないので、『これから頑張ります』と書いたけどそこはまったく無意味でした。

ただ、一つ言いたいのは、はじめに1200~2400字と書いてあるのに、書いたレポートは全然2400字より多いよ。
(次回に続く)

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大人の資格 第3回

2014-12-10 22:40:59 | 地酒

前回までのまとめ、と補足。
いわば、この試験(講習)は、「味見の虎の穴」「利き酒のビリー・ザ・ブートキャンプ」のようなものである。

しかし、ひとつだけ補足すると、「ビリー・ザ・ブートキャンプ」は、頑張れば、頑張るほど結果はよくなるものだが、この試験は頑張れば、頑張るほど結果が悪くなる。
というのは、舌(味見)も鼻(香り)も麻痺したらなんもわからなくなるため、わからなくなったら、即座に止めてリセットしないといけない。
リセットするには、香りに関しては、自分のにおいを嗅ぐ事。→人間の構造からして簡単に自分のにおいが嗅げる部位は腕のひじより先。そのうち指はにおいがついてかもしれないので、長袖の袖のあたりのにおいを嗅げばよい。

このような実技試験に合格するとレポート提出をすればようやく資格が頂けます。

レポートに書くことは

1.官能評価に従事した経歴
2.清酒官能評価セミナー以外の清酒製造等に関するセミナーの受講状況
3.従事している官能評価業務の説明、その問題点及び改善方法
(例)・出荷判定業務について
   ・市販吟醸酒の官能評価及び化学成分による比較
   ・食と清酒の相性を目的とした利き酒会の開催

(1200~2400字)

はっきり言ってこれは、形式的なものだと思っていました。

そのため、一文で要約すると、『今の当社の出荷時の利き酒はいいかげんなのでがんばって改善したいです。♡』ということを2000字くらいで膨らませて書きました。
(次回に続く)

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大人の資格 第2回

2014-12-05 20:15:03 | 地酒

それでは、具体的にどんな試験なのでしょうか?

1 基本味及びにおいの識別 基本味及び金属味の識別試験
Open Essenceによるにおいの同定能力試験

味の識別
水に、クエン酸(酸味)、カフェイン(苦味)、塩(塩味)、糖(甘味)、味の素(旨み)、硫酸鉄(金属味)をわずかに添加したもののサンプルで味を確認した後
その6つの味と水3個の計9つの液体サンプル(例えば1~9)の液体を味見して
酸味は3番、甘味は7番とかいうように当てていく。
合格ライン6問中5問正解

においの識別
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/info/ana/article/openessence.htm

これを使って例えばこのカードの香りは(いおう、墨汁、ニス、畳)のうちどれと当てていきます。

合格ライン12問中10問正解

すごく心配になりますが、おそらくここはほとんどの人が1つくらいしか間違えません。
気楽にやればこんな楽しい事はありません。
 
2 酸味及び甘味の差異の検出 3点識別法による試験
①清酒に酸を添加した識別試験
簡単にいうと、同じお酒に、酸を加えたお酒がと何も加えないお酒があります。
3点の中で1点だけ酸を加えていれば、加えた1点だけ酸っぱいはずです。
3点の中で2点酸を加えていれば、加えない1点だけ酸っぱくないはずです。
酸の強さが違うのは、3点のうちどれだという試験です。
(すべて酸の強さが同じといういじわるはありません)

これを6セットやって5セット以上の正解が合格です。

②清酒に甘味を添加した識別試験
同じことを甘味でやります。
同じく6セットやって5セット以上の正解が合格です。

これは、甘味も酸味もかなり差があるのです。
そのため、出来て当然なのですが、意外とわからないです。

3 香味強度の順位付け 順位法による試験
①アルコール、②甘味、③酸味、④酢酸イソアミル、⑤カプロン酸エチル、⑥イソバレルアルデヒド
これは、A~Dの4つの液体があります。
アルコールで説明するとアルコール度13度のA 19度のB 15度のD 17度のCを
アルコールが弱い方から強い方に並べよという問題です。
答えは(弱い方から) A D C Bという順番になります。
(この例は、厳密な値ではなく、説明のための例えです)
合格するには、完全な正解と隣のひとつの間違いまでなOKです。
(A13度 C17度 D15度 B19度で並べてしまっても、CとDの一つ間違いなら許すということです)
これを①~⑥までやります。

2と同じく、かなり差があるので、出来て当然なのに、できないという試験です。
舌の疲れというのもあります。

4 においと味の記述及びその由来 標準見本を用いたにおいと味の確認及びその由来に関する講義及び訓練
試験:標準試料のうち任意の5種類×2のにおい試料について特性を回答するとともにその由来について回答する。

これは説明しにくい試験です。
かつ個人的には、いちばん難しい試験です。
普通のお酒に約21種類の物質のどれかが添加されたお酒5種類がまず与えられます。
そこで、それぞれの香りを記憶してメモします。
ここでその5種類のお酒は、片づけられてしまいます。
そこに新たに5種類のお酒が登場して、このお酒はさっきのお酒のうちどれだというのを当てます。(いわゆるマッチング)
それでなおかつ、その21種類の物質名の内どれだというの当てて、その物質は醸造においてどんな場合発生するかの由来を書きます。
例えば、『酪酸』という物質が正解なら『火落菌による汚染、または柿渋からの移行』

しかも2セットという鬼畜な試験です。
ここは、75%の正解率が合格に必要です。

7 記述的試験法 記述的試験法(プロファイル法)及び尺度評価の訓練
統計処理(分散分析)に関する講義
①純米酒(特徴に差があるもの6点)
②吟醸酒(特徴に差があるもの6点)
試験:記述的試験法による試験
①純米酒(特徴に差があるもの3点)
②吟醸酒(特徴に差があるもの3点)
ここは、うまく説明できませんな。

というのが試験の概略です。
(次回に続く)

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