志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

にゃんかっぷ誕生以前 カップ酒の悲しく切ない過去とは

2006-03-28 23:56:19 | にゃんかっぷ
 今のカップ酒ブームが「純米を中心とした品質の高い日本酒を手軽にカジュアルに飲もう。」極めてポジティブなコンセプトがあり、もちろん志太泉酒造もそれに沿ったカタチで「にゃんかっぷプロジェクト」を遂行しています。

 ただ、ほんの一昔前まで、カップ酒は、概ね2種類に大別されていました。大手メーカーが作るカップ酒と地酒メーカーが作るカップ酒です。どちらも中身は普通酒の場合が多く、大手メーカーのカップ酒というとなんとなくブログ読者の方もイメージがわくと思いますが、やはりレアな存在だったのは、地酒メーカーの作るカップ酒です。極めて昭和的ローカル地酒流通が多く商圏は蔵元の周囲10キロ程度以内のみ、場末の酒場と酒類自動販売機が主な舞台という時代錯誤的マーケティングにより、現実問題としてアルコール中毒患者専用アイテムとしての役割すらかすかにあったようです。

でもね、こういう地方カップ酒はこういう酒でちゃんとした与えられた役割を果たしてきたし、中には普通酒の晩酌酒として十分な酒質の酒もありました。カップ酒ブームの中で見直される酒もブームに無縁で表舞台には登場せずに十数年先には役割を終える酒もあるでしょう。こういう事はちゃんと事実として踏まえた上で「にゃんかっぷ」は作っていきたいです。
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静岡県清酒鑑評会報告

2006-03-23 22:31:06 | 鑑評会 コンテスト
静岡県清酒鑑評会報告。(敬称略)

吟醸酒部門で特に印象に残ったのは3点。
まずは、首位賞『忠正』、華やかな香りと爽やかな香りが絶妙にバランスが良く、味のまるさなめらかさがあり、良く出来た静岡吟醸にさらに深みを加えてような素晴らしい酒でした。
次は『磯自慢』HD-1らしい、すがすがしい香りにプラスして味に力強さがあり、静岡吟醸のエッセンスに磯自慢らしい個性がプラスされた印象があります。
もうひとつ『杉錦』酢酸イソアミルの爽やかな香りがひときわ強いインプレッションがあり、上品さとボディが両立した酒でした。
純米酒部門でも『忠正』『磯自慢』のバランスの良さは非常に高レベルでした。

全体の印象は、今年は昨年に比較してカプロン酸エチルが全般的に抑えられ、静岡方の吟醸酒に比率が昨年より多くなったように思われます。

『志太泉』の酒は、吟醸、純米とも力強さはありますがやや荒さがありました。これについては、少しずつまるくなって行きますのでこの点は楽観しています。
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酒蔵と猫

2006-03-20 23:30:12 | にゃんかっぷ
 ブログをご覧の皆様の中には、にゃんかっぷ情報を求めてこちらに迷いこんできた方もおられるかもしれません。にゃんかっぷについては、オフィシャルサイトでも書きましたがまた少しずつブログでも補完していきます。
 まず、なぜ猫のカップ酒かという疑問をお持ちの方も多いでしょう。オフシャルでも書いたとおり、名前だけでも『ワンカップ大○』に対抗して『にゃんかっぷしだいづみ』という大風呂敷な理由もありますが、私自身が酒蔵にいる猫というのがすごく好きだったという事も理由です。
 酒造りにとって、かつて猫は欠かせない存在でした。酒米には、当然のように鼠が集まってきます。猫は気が向くとにゃおと鳴いて鼠を追い払ったり、たまには、鼠を捕ったりしましたが、ほとんどの冬の日は、米を蒸す釜の近くの煙道の上の暖炉のように暖かい場所にころがったり、蔵の屋根瓦の日の当たる場所で寝ていたりしていました。終戦後に猫がどこかに行ってしまった時は、鼠が増えて困り果てました。猫が欲しいとおおげさにいえば笛や太鼓を使っていろいろな人に頼んだところ、初亀醸造の故橋本富蔵氏が当時とても珍しかった自動車で猫を届けてくれ、本当に助かったという事もあったが伝えられています。スコットランドで蒸留所には麦を守るための倉庫番の猫の写真というのを見たことありますが、とても堂々した猫でした。対照的に静岡の酒蔵にいる猫というのは、私の小さな時の記憶の中では、しっぽを高く上げて飄々と自由に歩いていくイメージがあります。カップのデザインにも少しそんなモチーフがあるかなと感じています。
 今は殺鼠剤が普及した事により、蔵では猫はやめています。その代わりに、なぜか、冬によく野良猫が挨拶にやってきます。やっぱり酒の出来が気になるのでしょうか?
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なんでブログ?

2006-03-16 20:45:43 | ブログ
 なんで、ブログ始めたのと言われても困るんだけど、理由は、ずばり志太泉のオフィシャルサイトのてこ入れです。
 ちょいと固めの話をすると、中小企業の会社のオフィシャルサイトでは、会社情報をかっちりとしたカタチで造って、新着情報や会社のメンバーのやわらかめの部分をブログで補完するっていうのがありがちになってきたそうです。但し、志太泉のサイトの場合は、むしろ個人サイトの色が非常に濃いためブログ自体とネタがかぶってしまうという弱点があるのですが、時間をかけてサイトとブログを役割分担させて再構成しようと思っています。
 せっかくだから、現在のブログブームを予想すると、私は、そんなに長くは続かないような気がしています。理由は日記を続けれらる人なんか、世の中にそんなにたくさんはいないから。今勢いのあるブロガーさんも多くの場合いっぱいいっぱいじゃないでしょうか。ちなみに私も日記の書くのが続いたことはありません。
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静岡県清酒鑑評会の結果

2006-03-14 19:02:37 | 鑑評会 コンテスト
 今日は、沼津工業技術センターで静岡県鑑評会のお手伝いです。出品したお酒をグラスに注ぐ係をしていましたが、全般的にグラスより立ち上がってくる香りは、全般に去年より控えめに感じました。業界的な表現をすると、「各蔵、静岡県審査傾向を鑑みてカプロン酸エチルの抑えた酢酸イソアミルの香りを主体にした酒を出品した。」という事でしょうか?まあこの辺りでやめときましょう。

 さて、結果ですが、純米酒部門で入賞、吟醸酒部門では入賞を逃しました。毎年最低ラインとして入賞はしたいと思っておりますので、不本意な結果となりましたが、これはこれで結果を分析する事が重要です。といっても今日は他蔵の利き酒も全く出来ませんので分析も23日の一般公開まで持ち越しです。

静岡県清酒鑑評会結果(敬称略)
吟醸酒部門 知事賞(1位) 忠正
会長賞(入賞)磯自慢
花の舞
萩の蔵
英君
喜久酔
正雪
伊豆海
國香
杉錦
白糸
富士錦
萩錦
開運
小夜衣
葵天下
若竹
初亀
千代の峯

純米酒部門 知事賞(1位) 花の舞
会長賞(入賞)小夜衣
忠正
磯自慢
喜久酔
千寿
初亀
英君
杉錦
國香
伊豆海
富士錦
正雪
高砂
若竹
志太泉
白糸
葵天下
満寿一

(大石審査委員長の公式コメント)
 本年は酒造米の品質も良好で気象条件にも恵まれた事により、静岡県産酒の特徴である落ち着いた香りで味がきれいでまるくなめらかな味の酒が多く出品されました。
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静岡県鑑評会の準備

2006-03-08 19:48:26 | 鑑評会 コンテスト
今日は、静岡県の鑑評会への出品酒決定のために杜氏&蔵人と利き酒しました。静岡県の鑑評会は、吟醸酒部門(大吟醸酒が出品されます。)純米酒部門(純米大吟醸酒が出品されます。)この出品酒を各二点ずつ決定するのですが、これがかなり迷います。利き酒というのは、微妙で個人の感性によります。同じお酒の味に対して、例えばポジティブにいえば「コクのある」酒は、ネガティブにいえば「雑味・きたない」と二通りの解釈が可能です。香りに関していえば、全国新酒鑑評会では、評価の高い華やかな香りは、静岡県鑑評会では、マイナス評価されます。また同じもろみから搾った酒でも、微妙に斗瓶によりお酒の性質に差があります。酒の並び順、温度、審査員のメンバーによっても評価が変ります。審査当日までには熟成で味が変化するかもしれません。ファーストインプレッションと二度目の利き酒ではまたイメージが変ります。こんな感じで迷いながら出品酒は決定されていきます。吟醸酒部門では、素直に直球を一つ、微妙な変化球を一つ投げてみることになりました。さてどうなりますか、結果は14日です。
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