さて、久々に普通のミステリな第377回は、
タイトル:天使の屍
著者:貫井徳郎
出版社:角川文庫
であります。
お初の作家さんです。
プロットからして、社会派ミステリーといった感じの作品。
中学二年生の息子・優馬の様子がどこかおかしい。
思春期だから、と一言で済ませてしまうほど無関心ではいられない青木は、妻と共に息子の真意を探ろうとするが徒労に終わる。
そしてその機会は永遠に失われた……コンビニに行ってくると出かけた後、優馬は八階建てのビルの屋上から転落死した。
自殺の線が濃厚だとされても、青木は納得がいかなかった。
彼は次々と優馬の友人に会い、自身の知り得ぬ別社会――子供の世界へと足を踏み入れていく。
だが、誰一人として息子が自殺した明確な理由を明かしてくれる者はいなかった、そしてまた一人……。
何と言うか……火サスっぽいミステリーです。
最初の犠牲者となった少年の父親が自分の子供が自殺するはずがないと信じて行動する展開といい、捜査が実を結ばす連鎖自殺が起こる点といい……。
渡瀬恒彦がやったら凄く似合いそうだなぁ、とか思いながら読んでました、ってレビューになってないな。(爆)
事件そのものよりも、父親らしくありたいと願う青木の心理描写がメインかな。
青木と学生の対話が多いのですが、大人が子供の世界を覗くために学生を出してるのであって、彼らを描くのが目的ではないといった感じでした。
ただ、そこまで必死に原因探しをする理由が息子の出生にある点は上手いと思います、ラストもそこにつなげてあって綺麗にまとまってました。
ちょっと気になったのは、女性の書き方の下手さ加減。
とにかく面白味がない、というかほとんど付属品ですね。
もともと女性を描くのが下手なのか、物語の性格上そうなっているのか……でも、この話のキーの一つである少女の聖女っぷりを見ると前者のような気が。
謎解き、すなわち少年達の自殺の原因に納得できるかがネック。
ミステリとしての筋は通ってるとは思いますが、私的には疑問形です。
P・S
岡嶋二人の『チョコレートゲーム』を読んで、さらに評価が下がりました。
正直、貫井徳郎の作品は二度と読む気がしません――つーかとっとと消えてしまえ。
タイトル:天使の屍
著者:貫井徳郎
出版社:角川文庫
であります。
お初の作家さんです。
プロットからして、社会派ミステリーといった感じの作品。
中学二年生の息子・優馬の様子がどこかおかしい。
思春期だから、と一言で済ませてしまうほど無関心ではいられない青木は、妻と共に息子の真意を探ろうとするが徒労に終わる。
そしてその機会は永遠に失われた……コンビニに行ってくると出かけた後、優馬は八階建てのビルの屋上から転落死した。
自殺の線が濃厚だとされても、青木は納得がいかなかった。
彼は次々と優馬の友人に会い、自身の知り得ぬ別社会――子供の世界へと足を踏み入れていく。
だが、誰一人として息子が自殺した明確な理由を明かしてくれる者はいなかった、そしてまた一人……。
何と言うか……火サスっぽいミステリーです。
最初の犠牲者となった少年の父親が自分の子供が自殺するはずがないと信じて行動する展開といい、捜査が実を結ばす連鎖自殺が起こる点といい……。
渡瀬恒彦がやったら凄く似合いそうだなぁ、とか思いながら読んでました、ってレビューになってないな。(爆)
事件そのものよりも、父親らしくありたいと願う青木の心理描写がメインかな。
青木と学生の対話が多いのですが、大人が子供の世界を覗くために学生を出してるのであって、彼らを描くのが目的ではないといった感じでした。
ただ、そこまで必死に原因探しをする理由が息子の出生にある点は上手いと思います、ラストもそこにつなげてあって綺麗にまとまってました。
ちょっと気になったのは、女性の書き方の下手さ加減。
とにかく面白味がない、というかほとんど付属品ですね。
もともと女性を描くのが下手なのか、物語の性格上そうなっているのか……でも、この話のキーの一つである少女の聖女っぷりを見ると前者のような気が。
謎解き、すなわち少年達の自殺の原因に納得できるかがネック。
ミステリとしての筋は通ってるとは思いますが、私的には疑問形です。
P・S
岡嶋二人の『チョコレートゲーム』を読んで、さらに評価が下がりました。
正直、貫井徳郎の作品は二度と読む気がしません――つーかとっとと消えてしまえ。