さて、久々に木曜劇場以外でマンガを思っての第186回は、
タイトル:天は赤い河のほとり(全28巻)
著者:篠原千絵
出版社:小学館フラワーコミックス
であります。
ちょうどいま書いている作品のひとつ前の話で、古代の中東を舞台にした話。
主人公のユーリ(夕梨)はごくごくふつうの中学生。恋人もできて、俄な幸せを享受しているところへ、ある呪術によって古代中東のヒッタイトにタイムスリップしてしまう。
そこで次期皇帝と目される皇子カイルと出会い、側室として、そして美と戦いの女神イシュタルとして活躍する、と言う話。
なんかこう書くとそれだけのような感じがするかもしれないけど、この篠原さん、フラワーコミックスの中では古参で、いわゆる大御所と言っていいくらいのマンガ家さん。
だからと言うわけではないのかもしれないけど、話の作り方がうまい。
うまいと思う、そして大御所のマンガ家さんの中には鳥山明がいるけど、このひとと同列と言ってもいいかもしれない。
何がうまいって、読者を飽きさせないこと。
全28巻で、マンガとしてはかなり長いほう。
でも、その中できちんと話の流れの浮き沈みと言うのをよくわかっている。
ユーリが連れてこられた理由は敵であるナキア皇太后が数ある皇子たちを呪い殺す生け贄にするため。
だから、ナキア皇太后はいかにしてユーリを手に入れ、殺すかを算段する。もちろん、他にもいろいろとあるんだけど、ひとつの企みが失敗して、中だるみ……ってところで、またタイミングよく、事件や戦争とか、そういうことが起きる。
それがまた不自然でないところがやっぱりうまく話を作っている。
ドラゴンボールも中だるみしそうなところで、おもしろいネタを持ってきて、飽きさせないから、そういうところが似ているのかもしれない。
もっとも、中にはユーリのその行動はどう考えても無理があるだろう、ってのはある。
(無血開城するために、妖艶な踊り子になって指揮官をたぶらかすシーンとか)
まぁ、こういうところを気にしなければ、おもしろい作品。
マンガだけではないけれど、長すぎるとどうしてもだれてしまうところがあるんだけど、これはそういうふうにさせないところがある。
キャラクターもしっかりしているしね。
ただし、ユーリとカイルのらぶらぶっぷりがちと何なので、そういうのが苦手なひとには向かないかもしれない。
そういうのがOKなひとにはどうぞ、と言える作品だと思う。
敵もただ勧善懲悪なだけの敵役じゃないところも垣間見えて、人間もきちんと描かれているので損はしないと思うよ。
ただし、そうは言ってもやっぱり長いのは集めるのにきついかなぁ、ってとこはあるけど。
――【つれづれナビ!】――
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◇ 『つれづれ総合案内所』へ
タイトル:天は赤い河のほとり(全28巻)
著者:篠原千絵
出版社:小学館フラワーコミックス
であります。
ちょうどいま書いている作品のひとつ前の話で、古代の中東を舞台にした話。
主人公のユーリ(夕梨)はごくごくふつうの中学生。恋人もできて、俄な幸せを享受しているところへ、ある呪術によって古代中東のヒッタイトにタイムスリップしてしまう。
そこで次期皇帝と目される皇子カイルと出会い、側室として、そして美と戦いの女神イシュタルとして活躍する、と言う話。
なんかこう書くとそれだけのような感じがするかもしれないけど、この篠原さん、フラワーコミックスの中では古参で、いわゆる大御所と言っていいくらいのマンガ家さん。
だからと言うわけではないのかもしれないけど、話の作り方がうまい。
うまいと思う、そして大御所のマンガ家さんの中には鳥山明がいるけど、このひとと同列と言ってもいいかもしれない。
何がうまいって、読者を飽きさせないこと。
全28巻で、マンガとしてはかなり長いほう。
でも、その中できちんと話の流れの浮き沈みと言うのをよくわかっている。
ユーリが連れてこられた理由は敵であるナキア皇太后が数ある皇子たちを呪い殺す生け贄にするため。
だから、ナキア皇太后はいかにしてユーリを手に入れ、殺すかを算段する。もちろん、他にもいろいろとあるんだけど、ひとつの企みが失敗して、中だるみ……ってところで、またタイミングよく、事件や戦争とか、そういうことが起きる。
それがまた不自然でないところがやっぱりうまく話を作っている。
ドラゴンボールも中だるみしそうなところで、おもしろいネタを持ってきて、飽きさせないから、そういうところが似ているのかもしれない。
もっとも、中にはユーリのその行動はどう考えても無理があるだろう、ってのはある。
(無血開城するために、妖艶な踊り子になって指揮官をたぶらかすシーンとか)
まぁ、こういうところを気にしなければ、おもしろい作品。
マンガだけではないけれど、長すぎるとどうしてもだれてしまうところがあるんだけど、これはそういうふうにさせないところがある。
キャラクターもしっかりしているしね。
ただし、ユーリとカイルのらぶらぶっぷりがちと何なので、そういうのが苦手なひとには向かないかもしれない。
そういうのがOKなひとにはどうぞ、と言える作品だと思う。
敵もただ勧善懲悪なだけの敵役じゃないところも垣間見えて、人間もきちんと描かれているので損はしないと思うよ。
ただし、そうは言ってもやっぱり長いのは集めるのにきついかなぁ、ってとこはあるけど。
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妙にもてる主人公が誘拐され、あわや貞操の危機ってときに何か事件が起きるというパターンが多くて、『お前はメロドラマか?!』といい加減うんざりしてきた頃、そういうシーンがさっぱりなくなったので感心しました。
あと、思わず子どもの世界史の資料集で事件をチェックしちゃいましたよ。
しかし、メロドラマとは言い得て妙ですね。
確かにそういう感じでしたけど、うまい具合に持ち直してくれるところが老獪と言うか何というか……(笑)
まぁ、そういうところがここまで長く人気作家のひとりであり続けられるんでしょうけど。