さて、萌え企画の余り物の第423回は、
タイトル:ヴァルキュリアの機甲
著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
であります。
2050年代、火星にまで進出した人類の故郷である地球には、ジャイアント・オーガニック、通称G・Oと呼ばれる巨大生物の存在に悩まされていた。
それはクラゲのようなものだったり、ムカデのような節足動物のようだったりするが、人口の多い場所へ上陸しては爆発し、周囲に甚大な被害を与えていた。
核攻撃まで持ち出してそれを止めようとしたが、このG・Oを倒すには至らず、この巨大生物を倒すには、ノルウェー中南部のヨートゥンハイメンで発掘された「黄昏の槍」、そしてこれを扱うことが出来る、5機の対G・O殲滅兵器ヴァルキュリアのみ。
……と来れば、何かのロボットもの? と言う気がしないでもないが、このヴァルキュリア、ロボットでも何でもなく、5人の平均身長16メートルという10代の少女が、装甲服に身を包んで戦っている、と言う代物。
そのヴァルキュリアたち、機甲兵の指揮を執ることになった航宙自衛隊の自衛官であった雨宮竜一郎中尉と、巨人少女たちとの戦いを描いた近未来SF、だろう。
まぁ、敵と戦うのが巨人とは言え、10代の少女たち。
指揮するのが弱冠22歳の若い青年。
設定や展開はベタだが、少女たちの生い立ちや、竜一郎が隊長に就任するまでの出来事など、重い部分は重く、戦闘シーンなど、派手なところは派手に、ラブコメ気配のところはそれなりに、うまく描いている。
名前は昔から知っていたのだが、一度も読んだことがなかったので、手に取ってみたのだが、ストーリーの作り方は手慣れた感じがうかがえる。
文章も、さすがに戦闘シーンとなると読みにくい、わかりにくい部分が見え隠れするし、単語の頭文字を取って短縮した単語がややくどいが、そういうところ以外ではテンポもよく、読みやすい。
展開も、盛り上げるところとそうでないところをしっかり心得ているのだろう。
初っぱなの戦闘シーンから、竜一郎がヴァルキュリアたちとの信頼を得ようとするところ、予定外のG・Oの出現で指揮を執れない状況、そしてラストのヴァルキュリアたちと竜一郎を交えての対G・O戦、一転気の抜けるようなのほほんとしたエピローグの竜一郎とヴァルキュリアたち。
ラノベとしては、しっかりとうまくまとめてくれていると思う。
もちろん、シリーズとして書いていくための引きというものもあるが、これもいいところで使っている。
キャラも雨宮中尉の典型的な熱血系や、ヴァルキュリアたちの特徴など、それぞれをはっきりとさせていて、掴みやすい。
他にも、12歳の少女で雨宮の上司である司令長官のヘルガやエンジニアの夏美なども同様に特徴がはっきりしている。
とりたてて、これは! と言うところはないが、そつなくうまく作っている作品でラノベ好きならば読んでみてもいいと勧められる作品ではないかだろうか。
――【つれづれナビ!】――
◆ 『ヴァルキュリアの機甲』のまとめページへ
◇ 『ライトノベル一覧表(その1)』へ
◆ 『つれづれ総合案内所』へ
タイトル:ヴァルキュリアの機甲
著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
であります。
2050年代、火星にまで進出した人類の故郷である地球には、ジャイアント・オーガニック、通称G・Oと呼ばれる巨大生物の存在に悩まされていた。
それはクラゲのようなものだったり、ムカデのような節足動物のようだったりするが、人口の多い場所へ上陸しては爆発し、周囲に甚大な被害を与えていた。
核攻撃まで持ち出してそれを止めようとしたが、このG・Oを倒すには至らず、この巨大生物を倒すには、ノルウェー中南部のヨートゥンハイメンで発掘された「黄昏の槍」、そしてこれを扱うことが出来る、5機の対G・O殲滅兵器ヴァルキュリアのみ。
……と来れば、何かのロボットもの? と言う気がしないでもないが、このヴァルキュリア、ロボットでも何でもなく、5人の平均身長16メートルという10代の少女が、装甲服に身を包んで戦っている、と言う代物。
そのヴァルキュリアたち、機甲兵の指揮を執ることになった航宙自衛隊の自衛官であった雨宮竜一郎中尉と、巨人少女たちとの戦いを描いた近未来SF、だろう。
まぁ、敵と戦うのが巨人とは言え、10代の少女たち。
指揮するのが弱冠22歳の若い青年。
設定や展開はベタだが、少女たちの生い立ちや、竜一郎が隊長に就任するまでの出来事など、重い部分は重く、戦闘シーンなど、派手なところは派手に、ラブコメ気配のところはそれなりに、うまく描いている。
名前は昔から知っていたのだが、一度も読んだことがなかったので、手に取ってみたのだが、ストーリーの作り方は手慣れた感じがうかがえる。
文章も、さすがに戦闘シーンとなると読みにくい、わかりにくい部分が見え隠れするし、単語の頭文字を取って短縮した単語がややくどいが、そういうところ以外ではテンポもよく、読みやすい。
展開も、盛り上げるところとそうでないところをしっかり心得ているのだろう。
初っぱなの戦闘シーンから、竜一郎がヴァルキュリアたちとの信頼を得ようとするところ、予定外のG・Oの出現で指揮を執れない状況、そしてラストのヴァルキュリアたちと竜一郎を交えての対G・O戦、一転気の抜けるようなのほほんとしたエピローグの竜一郎とヴァルキュリアたち。
ラノベとしては、しっかりとうまくまとめてくれていると思う。
もちろん、シリーズとして書いていくための引きというものもあるが、これもいいところで使っている。
キャラも雨宮中尉の典型的な熱血系や、ヴァルキュリアたちの特徴など、それぞれをはっきりとさせていて、掴みやすい。
他にも、12歳の少女で雨宮の上司である司令長官のヘルガやエンジニアの夏美なども同様に特徴がはっきりしている。
とりたてて、これは! と言うところはないが、そつなくうまく作っている作品でラノベ好きならば読んでみてもいいと勧められる作品ではないかだろうか。
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