さて、思い出したように手に取ってみる第624回は、
タイトル:死者の学園祭
著者:赤川次郎
文庫名:角川文庫
であります。
赤川次郎の長編第一作です。
初出は昭和五十二年で、五年ぐらい前に映画化されました。出来がいいとは言い難かったようですが……。
ミステリ好きの主人公・結城真知子が、学園で起こる連続殺人事件の謎に挑みます。
その日、山崎由子は四階のベランダに立っていた。
真知子の制止を無視して、散歩するように手すりの上を歩く。
ようやく降りることを了承した直後、由子は地面目掛けて落下した。
由子が亡くなった大阪の地を離れ、真知子は東京の高校に転校した。
だが、そこでも不可解な轢き逃げ事件が起きる。
そして、事件に首を突っ込む真知子をあざ笑うかのように、次々と新たな事件が――。
第一印象は、「赤川次郎って、読んでてこんなに引っかかる作家だっけ?」でした。
いや、三十年近く前の作品ってことを知らなかった私が悪いんですが。(爆)
にしても、台詞の「」を一段下げて書くのはどうかと……そういう作家、他にも結構いる?
物語は三部構成で、転校した真知子の周囲で立て続けに死亡事件が起こる第一部、夏休みを利用して事件に一応の区切りをつける第二部、すべての謎を解く第三部、となっています。
タイトルとは裏腹に、学園祭のシーンは第三部の中だけで、本作全体の分量からすると八分の一程度というのが結構泣ける……。
少女物語としては……まぁ、赤川次郎らしいかな、といったとこ。
某青年との甘酸っぱい恋愛(寒っ)や、様々なことを都合良く解釈して割と前向きに生きる部分等、以後の作品に通じる所が多々あります。
ちょっと時代を感じる『さぶいぼな会話』に耐えられるならば、悪くはないのではないかと。(歯切れ悪いなぁ)
一方、ミステリとしては……無茶苦茶です。
序盤でガイシャを殺しまくり、中盤で無理矢理犯人を作り、終盤でキーパーソンに真相を語らせてまとめる超強引仕様。
すべての謎が明かされる学園祭の御芝居はツッコミ所満載で、いくらなんでもヤバ過ぎて教師が止めるだろ、とか、そもそも何でお前にそこまで解るんだよ、とか、かなりズレた意味で楽しめます。(爆)
初長編ということもあって、色々な意味で荒い部分が多く、正直オススメできません。
ファンの方限定で、ネタの一つとして読むのは悪くない……かも。
タイトル:死者の学園祭
著者:赤川次郎
文庫名:角川文庫
であります。
赤川次郎の長編第一作です。
初出は昭和五十二年で、五年ぐらい前に映画化されました。出来がいいとは言い難かったようですが……。
ミステリ好きの主人公・結城真知子が、学園で起こる連続殺人事件の謎に挑みます。
その日、山崎由子は四階のベランダに立っていた。
真知子の制止を無視して、散歩するように手すりの上を歩く。
ようやく降りることを了承した直後、由子は地面目掛けて落下した。
由子が亡くなった大阪の地を離れ、真知子は東京の高校に転校した。
だが、そこでも不可解な轢き逃げ事件が起きる。
そして、事件に首を突っ込む真知子をあざ笑うかのように、次々と新たな事件が――。
第一印象は、「赤川次郎って、読んでてこんなに引っかかる作家だっけ?」でした。
いや、三十年近く前の作品ってことを知らなかった私が悪いんですが。(爆)
にしても、台詞の「」を一段下げて書くのはどうかと……そういう作家、他にも結構いる?
物語は三部構成で、転校した真知子の周囲で立て続けに死亡事件が起こる第一部、夏休みを利用して事件に一応の区切りをつける第二部、すべての謎を解く第三部、となっています。
タイトルとは裏腹に、学園祭のシーンは第三部の中だけで、本作全体の分量からすると八分の一程度というのが結構泣ける……。
少女物語としては……まぁ、赤川次郎らしいかな、といったとこ。
某青年との甘酸っぱい恋愛(寒っ)や、様々なことを都合良く解釈して割と前向きに生きる部分等、以後の作品に通じる所が多々あります。
ちょっと時代を感じる『さぶいぼな会話』に耐えられるならば、悪くはないのではないかと。(歯切れ悪いなぁ)
一方、ミステリとしては……無茶苦茶です。
序盤でガイシャを殺しまくり、中盤で無理矢理犯人を作り、終盤でキーパーソンに真相を語らせてまとめる超強引仕様。
すべての謎が明かされる学園祭の御芝居はツッコミ所満載で、いくらなんでもヤバ過ぎて教師が止めるだろ、とか、そもそも何でお前にそこまで解るんだよ、とか、かなりズレた意味で楽しめます。(爆)
初長編ということもあって、色々な意味で荒い部分が多く、正直オススメできません。
ファンの方限定で、ネタの一つとして読むのは悪くない……かも。
本作の筋はちょっと辛かったです。
同じ御都合主義でも、三毛猫ホームズとかは許せてしまうんですけどね……。(←優柔不断)
後の、『吸血鬼はお年頃』等の雰囲気と同種のものが既に出てきてますね。
赤川次郎の作品かと聞かれたら、間違いなく、はいと答えられるものだとは思います。
飽くまで長編デビュー作だから、と割り切るべきなのかな……。
死者の学園祭で検索してきました。
赤川次郎にはありがちですが、少しご都合主義的なところが強かったですね……。
ただ、作中の明るい真知子と、深刻な場面でもどこか軽さのある雰囲気というのは赤川次郎らしさが出ていてよかったです。