つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

こんなのも書けるのか

2006-11-19 17:47:38 | 時代劇・歴史物
さて、記事書いてるときの左下にある画像がいつも気色悪くて気分が悪くなるの第719回は、

タイトル:独孤剣
著者:藤水名子
出版社:角川春樹事務所 時代小説文庫(初版:H14)

であります。

中国を舞台にしたいわゆる剣侠小説を得意とする著者の、剣侠ものの長編。
前回「王昭君」の評価もよく、だいぶん月日も経った……と言うか、6月だから5ヶ月経て(爆)の再登場。

……ただし、かなりのを吐きまくる予定なので、見たくない方はご注意を。

流刑という重罪を得、そして刑期を終えて出てきた、元罪人であることを示す金印を額に晒したひとりの男、李竣。
剣を鞘に収め、鞘のうちから敵を屠る独孤剣と言う剣技を身につけた李竣は、3人の悪辣な男たちに支配されている穏華荘と言う宿場町を訪れていた。

過去に、軍事費の公金横領と言う冤罪を、親友であった林之睦とともに被せられ、獄中で自殺した林、そして自らを拷問し続けた獄吏、それが穏華荘を支配する男たちだった。
また、林と病死したその妻、暎華の娘である美芳が穏華荘の小さな宿に引き取られ、苦しい生活をしていることもここを訪れる要因だった。

だが、3人の支配者たちが差し向けた役人たちとの戦いに傷ついた李竣は、一時立ち寄った酒場の女主人小苓に助けられ……。

総評、駄作

おそらく、「王昭君」を読んでいなければ、二度とこのひとの作品は読まない、と決断したであろうほどに、駄作。
ぶつぶつと繋がりに乏しい場面&ストーリー展開、読みやすい敵の首魁、その理由のどうでもよさ加減&ありきたりなネタ、ラストの尻切れトンボ、まったく意味を見出せない小苓や美芳のキャラ、無駄としか言いようがなくうざったいだけの擬音、中途半端なキャラや固有名詞の中国読みと日本語音読みの混在などなど、よくもまぁ、これで出そうと編集部も著者も思ったものだと、つくづく思ったね。

だいたい、序盤から中盤がほとんど状況だけの流れで、終盤に至って「実はこうでした」というような、回答だけ最後に用意して満足する下手な推理小説みたいな展開がおもしろいわけがない。
久しぶりに、読んでいてあまりのつまらなさに眠くなると言う拒否反応を体験してしまったね。

120%、オススメしない。
250ページあまり、660円+税、ぼったくられないようにしましょう。