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つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

もうそろそろ

2005-02-26 23:21:51 | ファンタジー(異世界)
さて、喋ると言えばヘリコプターもあったような気がする第88回は、

タイトル:王たちの聖戦
著者:水野良
出版社:角川スニーカー文庫

であります。

次の「ロードスの聖騎士」への伏線とも言える本。

以上っ!

……んなわけないだろ(爆)

と言っても、ほんとうにそうなのだから仕方がない。

主人公のパーンたち一行はフレイムからモスへ。
そこでモスのハイランド公国の王子レドリックと出会い、そして公国の王となるべく戦う。

次に聖なる国ヴァリス。
第1巻でともに戦ったヴァリスの神官エト。
このエトがヴァリスの神官王として玉座につき、そして敵と戦う。

そのためにパーンたちは従い、戦っていく……。

そして次はマーモに支配されたカノン。
そこでカノン自由軍と名乗る一団にいた王子レオナーとともにカノンの解放に手を貸す。

3つの話がオムニバスにも似た形式で進んでいくこれも結局は次の巻への伏線。

いや、悪いとは言わないよ。
シリーズものだから中にはこういうのがあるのはかまわない。

でも、次のロードスの聖騎士を読んでるからかもしれないけど、伏線と言う印象が拭いきれない。

次は上下巻だし、その他の作品の中には外伝を読んでないとわからない描写や地の文が出てくる。
なら、わざわざここで伏線まがいの作品を書かなくても、そのままラストに突っ走って、その中で語ってもいいんじゃなか、と言う気がしてくる。

やっぱり、懐かしさだけでシリーズものを評するのは、どうかなぁ……と思う今日このごろ、って感じかなぁ。

そろそろ懐かしさも消えてきて

2005-02-23 21:27:54 | ファンタジー(異世界)
さて、ミゲールと言えばマイケル、マイケルと言えば英語の教科書の第85回は、

タイトル:ロードス島戦記 火竜山の魔竜(上)(下)
著者:水野良
出版社:角川スニーカー文庫

であります。

最初は懐かしさが先に立ってたけど、そろそろ懐かしさも消えてきたな。

つか、知能を持ち、魔法さえ操るドラゴンをほいほい倒すなよ。

ともあれ、今回のもうひとつの主役は狂戦士(バーサーカー)とその相棒の女傭兵。
主役は当然、いつものふたり(人間の戦士のパーンとエルフのディードリット)だけど、だいたい2巻からカシューとナルディアとか、物語に関わるその話のときのもうひとつの主役がいる。

そこで今回はこのふたりなんだけど……。
まぁ、今回の話のひとつに、狂戦士をふつうの人間に戻す、と言うのがあるんだけど、これがなぁ。

もとに戻る理由も別にきちんと納得できるとは思うけど、かなり盛り上がりと言うか、そういうのが乏しい。

このひとの淡泊な書き方ってのも影響してるんだろうとは思うけど、もとに戻る、相棒のためにまた狂戦士になって敵を倒す、と言うひとつの見せ場がぜんぜん見せ場になっていない。

別に話が破綻するわけでもなく、伏線もきちんとしてるし、文章もわかりやすい。
でも、この淡泊さが特徴というものを無くしている。

まぁ、逆に言えばこの淡泊さが特徴と言えなくもない……かも。

ホントに懐かしかった

2005-02-21 22:13:55 | ファンタジー(異世界)
さて、いやいやお不動さまはミゲールだったらしいぞの第83回は、

タイトル:ロードス島戦記 炎の魔神
著者:水野良
出版社:角川スニーカー文庫

であります。

なんか1巻よりこっちのほうが懐かしかった(笑)

と言うのは、だいたいどんな小説でもひとつやふたつくらいは、とても印象に残るシーンってのがあるものだと思う。

この2巻はやはりラストか。
炎の部族の長ナルディアが去ろうとするイフリートの炎に飛び込んで逝ってしまうところ。

でも1巻はそういうところがないんだよなぁ。
さらっと読めるのはいいんだけど、さらりすぎてなーんも残らんかった、と言う感じ。

ただまぁ、そうは言っても、たとえば、このナルディア。
女性キャラで部族の長と言う立場ながら、まぁ、ものの見事に長、だね。
そのイメージをそのまま表現してるだけだから、人間味に乏しい。

まぁ、他のキャラにも言えないことではないので、要所要所に弱さを見せたりするともっと味が出てくるんだろうけどねぇ。

ともあれ、このひとの初期のほうの作品なんだろうから、そういうところで眼を瞑っておくか。
いまの作品を読んだことがないから何とも言えないけど、ロードス絡みが出てるんなら、いっぺん読んでみてもいいかな。

せっかく久々に読み返してみたんだし。

なつかしシリーズとでも銘打つか

2005-02-19 21:54:23 | ファンタジー(異世界)
さて、裏と言うとなんで大日如来より明王のほうが強いんだと疑問に思う第81回は、

タイトル:ロードス島戦記 灰色の魔女
著者:水野良
出版社:角川スニーカー文庫

であります。

懐かしいなぁ。
奥付を見ると昭和63年初版発行、だもんなぁ。

前にも書いたひかわ玲子先生は日本ファンタジーの草分け、だけど、このロードス島戦記は日本ファンタジーを定着させたひとつ、と言っても過言ではないと思う。

とは言っても、もともとグループSNEと言うマニア集団が、Dungeons & Dragonsと言うテーブルトークPRGをパクって作ったTRPGをもとにした話だけど。

でも、かなり久しぶりに読んだけど、このひと、すごい素直な話を作る。

お約束と言えばそのままだけど、いわゆる剣と魔法の世界で、何の衒いもなく、ストーリーを作っている。

まぁ、主人公のパーン、ヒロインのディードリット……このうち、ディードのほうがパーンに惹かれていく、つまり一緒に行動する、戦う、と言うところの説明が乏しいので、唐突な感じがするけど、そういった若干の引っかかりを除けば、確かに当時から人気が出たのは頷けると思う。
(アニメでかなりの巻数出たはずだし)

でも、いま読むと物足りない感じがないわけではないけど、懐かしさもあって、それなりに読んでしまったわい(笑)

そういう意味では、日本ファンタジーのひとつの試金石(?)だから、ひとつ、読んでみるのもいいのかもしれない。

満月にちなんで

2005-01-25 22:01:31 | ファンタジー(異世界)
さて、野獣の幽霊なんざいらない第56回は、

タイトル:混ざりものの月 スカーレット・クロス
著者:瑞山いつき
出版社:角川ビーンズ文庫

であります。

第1回ビーンズ小説優秀賞受賞作で、混ざりものの吸血鬼ツキシロとサドな神父ギブの吸血鬼もの。

まぁ、だいたい文庫の名前とイラスト、それから裏表紙の短い説明を見た瞬間、

「あぁ、コバルト文庫みたいな少女小説系ファンタジーだろうなぁ」

……ビンゴ。

まぁ、でも読むものがないので、試しに読んでみたけど、金返せ、とは思わなかっただけマシかな。

好きなひとにはいいんだろうけど、まぁ、こんなもんか、と言う感じ。

いや、別にけなすつもりはない。
ふつうに、さらっと読めたぶんだけ、まずくはないと思う。
ただ、こういう話が「おもしろいっ!」と思えないだけ。

あ、けなしてんのか!?(爆)

まぁでも、Amazon.co.jpで検索すると4作続いてるし、文庫のカラーには合ってるんだろう。

名作RPGが題材なのに……

2005-01-15 20:10:37 | ファンタジー(異世界)
さて、50回までもういくつ? の第46回は、

タイトル:隣り合わせの灰と青春 ~小説ウィザードリィ
著者:ベニー松山
出版社;JICC出版局

であります。

RPGの不朽の名作、ウィザードリィを小説にしたもの。
けっこう古い作品だけど、いま読むと……

結局ラストはラブコメかいっ!

いやぁ、主人公の侍がレベル低いクセに「居合い」なんてどー考えても極めて高度な技を使ったり、いまどきのガンダムみたいに、都合のいい無敵街道まっしぐらな話。

とは言うものの、いま読んでも懐かしく、この辺りのへたれぶりもいい味になってたり(笑)

なんつーか、ウィザードリィ(ただし初代)は大好きだし、まぁ、こういうもんでもいいか、ってな感じになってしまったり。

ちなみに、イラストは、末弥純先生以外は認めませんっ!

おもろい関西のお姉さん

2005-01-11 20:32:29 | ファンタジー(異世界)
さて、よく続いて第42回は、

タイトル:プラパ・ゼータ シリーズ
著者:流星香
出版社:講談社ホワイトハート文庫

であります。

世界救済のファンタジー。
以上。

なわけないやろ。

ストーリーはふつうに読めるファンタジー。
主人公は、孤高の戦士、お人好しの見習い魔術士、未熟者の龍使い、そして世界を救済するために召喚された聖女、のパーティで、なんかどっかのRPGにも使えそうな設定。

というより、後書きが笑える。

関西人とあとがきに書いているとおりのノリ。

あの、日本人形っぽいから外国人のひと、指差さないでくれる? とか、そうなん!?

まぁでも、話は読めるし、あとがきはいい。

一粒で二度おいしいものではあります。

こういう定番なファンタジーが嫌いでないひとはどうぞ。

唯一知ってるまともな作品

2005-01-07 22:21:36 | ファンタジー(異世界)
さて、思えば遠くへ来たもんだの第38回は、

タイトル:天空戦記シュラト 1巻~6巻
著者:あかほりさとる
出版社:エニックス文庫

であります。

この作家、はっきり言って嫌い。
1文章1段落を宣言してせこくページ数を稼ごうとして文体と言う物書きのプライドを捨てたヤツ。

と言うわけで、嫌いなヤツとは言うものの、何故かこれだけはすごくまともで、シリアスな話になっている。

同名のアニメの小説版だけど、第1部のインドラ編が6冊で完結。

あとがきには3巻で終わらせる予定……つって書いてあったけど、2巻をメインキャラと脇キャラの純愛もので終わらせて、どうやって3巻で終わらせられんねん!

とは言うものの、アニメ版では出なかったいろんなキャラは出るし、ストーリー自体もアニメ版を踏襲しつつ、いろんな要素を入れて内容は濃くなっている。

唯一、この作家でこの作品だけは読めるものだと思える。

まぁ、でも最近はちと考えを変えて、いかに嫌いであろうとも、いままでに何作もヒットを出し、いまもヒットを続けられるだけに、ある意味、時代の寵児、と言えるのかもしれない。

漫才コンビ

2004-12-26 18:24:19 | ファンタジー(異世界)
さて、もうここまで来たかの26回は、

タイトル:デルフィニア戦記シリーズ
著者:茅田砂胡
出版社:中央公論社

であります。

漫才。

これの何者でもありませぬ(笑)

つか、主人公ふたりの掛け合いがどう読んでも漫才。

著者は後書きで、なぜ笑えるのか、教えてほしいとのたまわっておりますが、笑えるものは笑える。

ただ、新書で出てるくせにかなり長いのが玉に瑕。

4巻までは放浪の王様が国を奪還するまでの話で、そこからいろいろと長い。

でも、これはふつうに読んで、笑うのには申し分なし。ラストがいまいち、「をい!」と言う感じではあるけど、それまではどんどん読み進んでしまう作品。

比較的、おすすめな作品であることには間違いなし。
ただし、全部揃えるとかなりの出費を覚悟する必要あり。

純国産ファンタジー

2004-12-20 22:18:54 | ファンタジー(異世界)
さて、今回は純国産ファンタジーであります。

タイトル:三剣物語
著者:ひかわ玲子
出版社:角川スニーカー文庫

であります。

極めてノーマルなファンタジーで、炎、水、地の三本の剣で悪を撃つ……なんか時代劇っぽいな。

でも、基本的な線はこんな感じ。

純国産ファンタジーというのは、ロードス島戦記とかがダンジョンズ&ドラゴンズのパクリだったりとか、そういうのではない、と言うこと。

まぁ、もっとも、完全なオリジナルはないとは思うけど。

もともとひかわさんはファンタジー黎明期に、純ファンタジーでデビューしたひとだし、パクリとは書いたけど、ロードス島戦記とかと同様、いまのファンタジーブームの先駆けとなったひと。

だから、と言うわけではないけど、比較的初期の作品には、いわゆる中世ヨーロッパを基盤にした剣と魔法の世界の話が多く、いまどきの「なんでもありがファンタジー」ではない、らしいファンタジーが読めます。

好き嫌いはあるとは思うけど、らしいファンタジーを読みたい、というなら薦めるかな。

実力のあるひとなので、ストーリーや設定に破綻はないので安心して読めるよ。