のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

「より○○大きい」という問題。

2012-01-07 14:22:14 | 1年算数
コメント欄で

「おはなしの本が7冊あります。まんがの本はおはなしの本より8冊多いです。まんがの本はなんさつありますか。」
という問題がなかなかイメージできないというご相談をいただきました。


私のやり方が正解というわけではないといつも思っていますが、
皆さんのたたき台の一つになればと思いますので、「こんな方法もあるよ」ということで書いてみますね。


躓きを見つけるのには、問題文を絵で描かせたり、具体物を動かさせたりするのが良いと思うのですが、
最初の一文の
「おはなしの本が7冊あります。」
は、殆どのお子さんが、すんなり本を描けるのではないでしょうか。
次の一文、
「まんがの本は おはなしの本より8冊多いです。」
この文がわかりにくいんですよね。

「より」っていう言葉、私は学校の子供たちには「スタートなんだよ。」っていう風に伝えてます。
或いは、「〝同じ”が隠れているんだよ。」って。


実際に絵を描く時はこんな感じです。

「お話の本より8冊多いです。」では、
「お話しの本」で、
さっき書いたお話しの本の最後まで手を持って行って、
「より」だからここからスタートだね。と確認。
どっちに行くのかな?
「おおい」だから増えていくんだ。
「8冊多い」んだからこっち(右向き)に8だね。

っていう感じで声掛けしながら手を動かします。

この問題は、これから、
「より少ない」に展開していくはずです。
その時に、刷り込んだものが使えるように、
「より」をスタート地点にして、「大きい」時には右に増えていく感じ。
「小さい」ときには左に減っていく感じ。
それを繰り返し刷り込んであげたいですね。

そうして、8冊の本を描きこんでいって、最後の文章
「漫画の本は何冊ありますか?」で、
どこからどこまで数えたらいいか指ささせます。
あとから描いた8冊しかさせないようなら、「同じ」が見えてないのですから、
絵でも「同じ」がわかるようにします。

お話しの本を7冊描く。→「より」をキーワードに7冊目の右側に縦線を引く。
→(よりっていうことは「同じが隠れている」んだよ)と、お話しの本の下に
同じだけ漫画の本を描く。→「お話しの本より」で、「より」だからここからスタートだね。」
と、さっきの縦線を意識させる。→「8冊多い」では「多い」から増えていくんだねと確認。→
8冊漫画の本を描きこむ(お話しの本と漫画のホントがわかりやすいように色替えなどしてもいいと思います)

と、こうしておいて、「漫画の本は何冊?」と聞けば、どこを見たらいいかわかると思うんです。

すっごく細かいようですけど、こうして教えていって、どこで躓いているかが分かったら
これから後教えていく時にも重点を置くところがわかると思うんですね。


そして、これとよく似た「比べっこ」の問題。
「どちらがどれだけ多いですか?」
については、
私は2本の鉛筆で繰り返し見せてたずねるようにしています。

2本の長さの違う鉛筆を握って、
「どちらが長い?」と、まず長い方を指ささせ、
「どれだけ長い?」で、「違い」の部分を指ささせます。
言葉の概念が弱いと、この2問目で、長い方の鉛筆の下から上までを
指すことがあります。
或いは、さっと指でさせないことも。

それが、すっとできるまで、
「どれだけってどこかなぁ??」をやってあげると、
「違い」とか「どれだけ大きい」が何を意味しているか分かりやすくなるようです。

で、最初に「同じが隠れているんだね」というように教えることもあると書きましたが、
結局、「違い」というのは「同じでない部分」なんですね。
「違いを求める」計算というのは、多い方、長い方から短い方を引くのではなくて、
(だって、短い方の鉛筆とったら、長い方が丸々残っちゃうでしょ)
長い方から「短いものと同じ部分」を取り去る計算なのだというように刷り込んでおくと、
「より大きい」「より小さい」にも対応しやすいようです。

「より大きい」というのも、「同じ」があって、そこからスタートなんです。
比較をさせるときには、まずこの「同じ」に気付かせること。
これが、後になって効いてくるように思います。

こうしたことは、「算数」というよりもむしろ「言葉」とか【概念】の問題なので、
日常の生活の中でも少しずつ刷り込んでいくことはできると思います。

昔、兄弟がたくさんいて物が少なかった頃は、おやつの大きさや数など、日常的に「比べっこ」をしていたのでしょうが、最近は物も豊富で家の中で「比べっこ」の言葉を聞く機会が非常に少なくなっていると思います。親が意識して使ってあげたいですね。