バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

湯浅の重要伝統的建造物群保存地区@和歌山県湯浅町

2019-06-10 09:37:30 | まち歩き
和歌山県の中部、紀伊水道に面する位置にある湯浅は、醤油醸造発祥の地といわれ、中世以来の醤油と金山寺味噌の醸造のほか、漁業も盛んであり、熊野参詣道の伝馬所でもあるなど、さまざまな産業が発達するとともに、近世以降は有田地方の中心として、紀中の政治経済を支えてきた街です。
 
紀伊水道に流れ込む山田川の河口近く、川の南岸辺りには、数多くの伝統的建造物が残り、「湯浅町湯浅伝統的建造物群保存地区」として国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されています。
 
「バスde温泉」(kurodaが実践する温泉ひとり旅のこと)により白浜を訪れた帰りのこと。きのくに線の鈍行で和歌山方面へ向かっていたが、ふと思い立ち、この湯浅駅で途中下車して湯浅の街を散策してみることにしました。
 
保存地区は駅から北西方向に15分ぐらい歩いたところにあります。この東西約400m、南北約280mの保存地区には、醤油・味噌醸造業関係の町家や蔵などの古建築物が、その多くが未だ現役で多数軒を連ねています。
 
湯浅醤油「角長」もそのひとつで、江戸時代末期、慶応2年(1866年)築造の醤油仕込蔵をはじめ、昔の姿そのままの建物内で、昔ながらの手作りの製法で醤油醸造を行っています。
 
この建物に沿って、醤油を船積みした掘割「大仙堀」も残っているが、手入れが行き届いていないのか、ほぼ干上がっています。浚渫が必要でしょう。
 
さらに興味深いのが甚風呂です。ここは江戸時代の嘉永年間(1848~53)以前に須井甚蔵氏が開業した公衆浴場で、経営者の名前から「甚風呂(じんぶろ)」と呼ばれ、昭和60年に営業を終えるまでの間、長年にわたり地域住民の憩いの場として親しまれてきました。
 
廃業から10年以上過ぎた後、平成13年に町の財産となり、銭湯跡歴史資料館「甚風呂」として内部を公開するだけでなく、明治・大正・昭和期に使われていた古民具を中心に展示。昭和の時代にタイムスリップしたようなノスタルジックな空間となっています。
 
この湯浅の街では、まだまだ商業的に観光地化されていないので、街全体が前時代の雰囲気を色濃く残していることが知られるようになり、いまや国内外の観光客を集めるようになっています。
 
ただ、昔からそのままの古い街路に地元の車が無遠慮に走り抜けて行くのが気になります。多少の不便もあるだろうが、より多くの観光客を集めようと目論むなら、通行規制も考えた方がいいと思います。


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