JRきのくに線の新宮駅の駅前広場を隔てて目の前にあるお寿司屋さんです。ここの「さんま寿司」が名物!とのことなので、新宮に来たおりに訪れてみました。
店内はカウンター席が5~6席とこ上がりが2卓だけのごく小さな造りながら、入口近くには持ち帰り用のカウンターがあって、店でいただくよりもテイクアウトがメインになっていることが伺えます。注文はもちろん名物の「さんま姿寿司」(600円)。それとこちらもお勧めの「昆布巻寿司」か「特製玉子巻」か迷っていたらハーフ&ハーフ(600円)もできるということなので、それをお願いしました。
このさんま姿寿司、もともと保存食だったのが洗練されて今に至る、熊野地方で1500年以上もの歴史があるお寿司とのこと。秋刀魚といえば三陸沖が有名だが、熊野灘で獲れる秋刀魚は、三陸沖から寒流に乗って南下するうちに脂が適度に落ちることによって、寿司の魚に向いているそうです。さっそくこのお寿司をいただいてみると、塩気が薄く、あっさりといい具合。秋刀魚の深い味わいが前に出ていて実にお旨いですね。ただ、秋刀魚の身がしっかりとしていて噛み切るのに苦労します。これは身が分厚いからこそのこと。仕方ないですね。
昆布巻寿司と特製玉子巻の方は、これもマイルドな仕上がりのなか、旨みが十二分に含まれていて美味しいですね。特に玉子巻は甘すぎず、優しい味わい。けっこう気に入りました。このお店、創業は昭和25年ということだからそこそこの老舗で、食事の後、この近くの徐福公園に赴いたところ、裏手に本店を見つけました。この本店でこれらのお寿司の仕込みをやっているそうで、ここは持ち帰り専門とのことです。
- 営業時間 10:00~17:00
- 定休日 木曜日