遺体ホテル・遺体難民
核家族 少子 高齢 孤独死
現代を取りまく環境の中で、
もはやこうした言葉に代表される「生と死」に関わる問題は、
避けることのできない大きな問題となっている。
大家族時代に果たしていた家族機能が、経済成長とともに衰え、
人口は都市部に集中し、過疎化に歯止めがかからない地方には
取り残されたように高齢者夫婦のみの世帯が増えていく。
やがて伴侶を失い、かつて子どもたちを育てた家はひっそりと静まり返り、
空き家も増えて、治安ゃ生活景観の上から社会問題となる。
世界に誇る日本の平均寿命は、
思わぬところで影を見せ始めた。
少子高齢の進行する中で、「多死社会」が問題になっている。
多死社会が生み出した「遺体ホテル」
人口問題研究所による死亡者の予測
2015年の死亡者数 131万人
2039年には166万人になりピークを迎える。
葬儀の日程は通常、死亡してから2日目が通夜、3日目が葬儀告別式となるが、
最近の多死社会の中で、火葬場の予約が取れず、
東京では1週間近く待たされる場合もあるという。
遺体の置き場所は、通常一端自宅に置き、
葬儀等の日程が決まり次第斎場に移動する。
死亡から通夜の日が決まるまでのわずかな日数が、
家族と亡くなった人との語らいの場となる。
だが最近の住宅事情は、マンション棟集合住宅などで、遺体を安置する場所もない。
遺体保管の場所は葬儀場か火葬場の霊安室だが、
こうした場所が一杯の時
「遺体ホテル」
なるものが、一時的に遺体を預かり、葬儀日程が決まるまで保管する。
死してなお、おのれの行き場所がないこれらの人々を、
「遺体難民」というらしい。
都市部を中心に、亡くなった人を葬儀や火葬まで預かるビジネスが増加しているようです。
現在では、開業に当たり行政の許認可が不要なので、今後ますます増加していくのでしょうか。
死者に対する扱いが、徐々に変化し、直葬ゃ家族葬や自然葬などが増加する中で、
「死者への尊厳」も変わっていくのでしょう。
ちょっと寂しい話ですが、
だからこそ、「今を生きる」その時々を大切にしなければならないですね。
費用 : 神奈川県にある「ビジテーションホームそうそう」の場合、一日24時間で9,000円
延長の場合、12時間ごとに料金の1/2が加算される。
面会は24時間いつでもできる。
(2017.2.9記) (昨日の風 今日の風 №64)
多死社会