雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

留学生ビジネス 留学生を食い物にするな! (1)

2019-06-29 18:19:29 | 昨日の風 今日の風

留学生ビジネス
  留学生をくいものにするな! (1)
  
 政府は2008年「日本を世界に開かれた国にする」一環として、
来年までに外国人留学生を30万人に増やす計画を打ち出した。
その結果、昨年の時点で留学生の総数は5年前のに比べ約13万人多い29万9千人となり、
ほぼその目標を達成できる見通しになった。

 だがその一方で、
留学生の不法残留者も増加している。
図は日経新聞6月11日からの引用である。

 
 留学生が増えるにつれて、不法残留者も増加していることが分かります。
日経によれば、19年1月の留学生の不法残留者は4708人になるようです。
このような留学生の残留問題で、次のような不祥事が発覚した。

 東京福祉大で過去三年間に1600人の留学生が所在不明

 調査に当たった文科省によると、近年になって留学生の受け入れが急拡大しているという。
2016~2018年度に約1万2千人の留学生を受け入れたがそのうち
          所在不明……1610人(このうち約7割が学部研究生)
          退  学……  700人
          除  籍……  178人

  所在不明者の数を詳しく見ると次のようになる。
    28年度……在籍3000人中305人(10・1%)
    29年度……  3733人中482人(12・9%)
    30年度……  5133人中823人(16・0%)

  所在不明者の数が年々増加している。
  しかも、教育環境も劣悪。
  雑居ビルやマンションの一室を教室として使用。
  室内にトイレがあるため授業中でも別のクラスの留学生が出入りするような教室もあった。

  こうした実態を踏まえて文科省は同大学に対し、
「学部研究生」の受け入れを停止し、
入学・在留を当面認めないことにした。
 当然の処置だ。
                        (つづく)

 (昨日の風 今日の風№97) (2019.6.29記)

 

 

 

 

 

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「逝きて還らぬ人」を詠う ③ 

2019-06-04 07:00:00 | 人生を謳う

「逝きて還らぬ人」を詠う  
    ③ 
逝く者に見送るものに舞う小雪……

『大切な人が逝ってしまう。
  
人の世の宿命とは言え、余りに辛い体験はいつまでたっても心が癒されない。
 
悲しいことではあるけれど、
人間(ひと)はいつかはこの試練を乗り越えて生きていかなければならない。      
死は予測された時間の中をゆっくり訪れる場合もあり、突然訪れる場合もある。
  
どちらの場合も、無常観と切り離すことはできない。』

逝く者に見送るものに舞う小雪すべてを過去にしてゆく小雪
                    
………(福島市) 美原凍子 朝日歌壇18.02.04
 
あの日、津波が襲い、追い打ちをかけるように原発が容易ならざることを引き起こし、
 原発の安全神話が崩れた日。恐怖と不安におびえ安全な場所を求めて逃げ惑う人々。
 あの日も雪が降っていた。
 小雪はあの日のことを思い出させるが
、逝ってしまった者も生き残った者全てを
 過去と言う波にのせて押し流して行ってしまう。

 
妻どこに!娘は何処に!7歳の孫と迎える七年目の春
                 
………福島市 加藤哲章 朝日歌壇2017.03.13
 7年目のあの日がやって来た。孫と2人出迎えた7年目の春。
 穏やかに見える春だが、胸の奥では、「妻はどこに! 娘はどこに!」と、未だ発見できぬ2人
 に向かって叫んでいる。慟哭の春である。


百歳は大往生と分かるけど泣く人いない通夜は悲しい 
                   …………川崎市 小島 敦 朝日歌壇2016.09.05
 一緒に歩んできた大切な人達はすでに、彼岸へと旅立ってしまった。
 父、母、兄弟、子どもたち。失うには辛い大切な人達が逝ってしまった。
 あまり長く生きすぎたのだろうか。悲しいはずのお別れの夜なのに、
 どこかに安堵の時が流れる。

 

この星に吾を置き去りにせし君のソファの窪みに埋もれてすごす 
                 
………福島市 渕野里子 朝日歌壇2017.05.15
 喪うにはあまりに大きな悲しい渦の中に漂っている私。
 一人だけの夜に、決して温もりの還らないソファに、君の残した窪みの感触が新たな悲しみを
 湧き上らせる。

 

 亡き妻のベッドをそっと振り返る静かな静かな春の夕暮れ 
                     
………さいたま市 阿曽義之 朝日歌壇2017.06.05
 春の日が朧(おぼろ)に暮れていく。
 あぁー妻が逝ってからどれだけの時が流れたのだろう。
 在りし日の妻の温もりが残っているようなベッド。
 一日の終わりを告げる夜の帳(とばり)が、静かに降りてくる。
 妻と私が共有できる唯一の時間だ。

父逝きてりんご畑は税金の相続のみの荒地となりぬ
                    
………東京都 村上ちえ子 朝日歌壇2017.07.24
 後継者のいないりんご畑。疲れたりんごの木。
 丹精込めて手をかけて来たりんご畑。荒地になっていく果樹園。
 負の遺産になってしまったりんご畑。今さらながら父の働く姿が目に浮かんでくる。

   (人生を謳う)        (2019.06.03記)

 

    参考ブログ
      「逝きて還らぬ人」を詠う ① 永遠に座る人なき椅子ひとつ……
                       (つれづれに…心もよう)2018.11.04
      「逝きて還らぬ人」を詠う ② 悲しみは深爪に似て……
                       (つれづれに…心もよう)2019.02.28

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