雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

薫風薫る 5月の風

2008-05-15 23:12:22 | 季節の香り
 5月のあぜ道は
 光に満ちている。

 灌漑用水から取り入れた水を
 満々とたたえ、田植えの終ったばかりの
 稲の苗は頼りなく、水面に葉先を少しのぞかせて
 田園の上をふいて渡る優しい風に、葉をなびかせている。

   5月の風は
   少し汗ばんだ肌に
   初夏の香りを運んでくる。

 群青の空に
 雲雀は高く高く舞い上がり
 空の高みの青に溶けて消えて行く
 天空を舞う羽は
 点になり
 さえずりだけが光と共に降ってくる

 5月は「命のときめき」
 再生の風が
 田園の水面を通り過ぎて行く


      (こんな田園の風景がたまらなく好きです)

 
 
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読書紹介 「雪虫」 堂場瞬一著

2008-05-13 21:28:42 | 読書案内
 靴底を減らし、何度も何度も聞き込みを続ける捜査員。
 むかし、そんな地味な仕事をこつこつ積み重ねながら、
 犯人を追いつめて行く刑事像を、松本清張が描いていた。
 現場100回、という言葉も今では
 懐かしく思える言葉の一つになってしまったのだろうか。

 「雪虫」。事件の舞台は晩秋の湯沢。
 一人暮らしの老女が殺された。
 新潟県警捜査一課刑事・鳴沢了は、
 この事件を捜査するうちに、
 老女が50年前に新興宗教の教祖であったことを知る。
 しかも、当時この教祖のもとで、
 殺人事件が起きていたことを突き止める。

 50年前の事件が、
 今度の老女殺しとどんな関連性を持っているのか。
 あるいは、全く別個の事件なのか。

 捜査の進展の中で
 祖父や父がどのような関わりを見せるのか。 

 すでに現役から退いたかっての敏腕刑事の祖父
 警察署長・捜査本部長の父
 警官であることに誇りを持ち、妥協を許さず、
 一途にまっすぐ生きようとするバリバリの刑事・鳴沢了

 迷宮の淵をさまよう「鳴沢了」の捜査の過程で、
 祖父の影が、父の不穏な動きがチラチラと見え隠れしてくる。

 刑事・鳴沢了の捜索行を縦糸に
 初恋の相手喜美恵とのラブストリーの行方
 新米刑事・大西海の成長物語が横糸に織り込まれ、
 新潟湯沢で起きた殺人事件は、晩秋から「雪虫」の舞う冬へと
 季節は移っていく。

 祖父、父、私を巡る親子三代それぞれの思惑。

 刑事としてのプライドが50年前に起きた殺人事件の真相に蓋をし、
 真実を闇の彼方に葬り散ってしまうのか。

 「雪虫」は「刑事 鳴沢了」シリーズ第一作目。
 人物設定や鳴沢親子の確執など今後どのように変化し、
 厚みを増していくのか。楽しみなシリーズである。
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我が家の牡丹

2008-05-02 21:29:07 | 季節の香り
 今年も、丹精込めた甲斐があって、牡丹が咲きました。
紫、赤(写真)、ピンク、白などそんなに広くない庭に百花繚乱です。

 ひと月前、桜の花の下、春の訪れを謳歌したばかりなのに、
牡丹の開花を迎えて、今日はもう初夏の風が、さやさやと
透き通るように薄い花びらをわずかに揺らしています。

 「牡丹蕎麦会」は我が家の恒例行事。
私の得意の「手打ちの蕎麦」を食べながら、親しい友人、お世話になった人、
お世話した人、兄弟等招待客と楽しい語らいが展開する「牡丹蕎麦会」です。

 2日、三回に分けての楽しい「牡丹蕎麦会」でした。

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