大地を揺るがすような音と同時に
漆黒の夜空に向かって
赤い炎が立ち昇る
見上げる人々の頭上に
大輪の火の花が鮮やかに開花していく
赤く
限りなく赤く
まるで血のように赤い火の花に
見上げた観衆から
感動のため息が漏れる
花火師は
愛する娘を
永遠に
自分だけのものにするために
娘の心臓を
スターマインの玉の中に込め
打ち上げたのでした……
その夜
娘が一人
村から姿を消しました
花火師の悲しい恋の物語を想像しながら
果たして、花火師の思いは天に届いたのだろうか
と、河川敷の草をかきわけながら雑踏から離れ
仰ぐ夜空にまたひとつ、恋の想いが花開きました
漆黒の夜空に向かって
赤い炎が立ち昇る
見上げる人々の頭上に
大輪の火の花が鮮やかに開花していく
赤く
限りなく赤く
まるで血のように赤い火の花に
見上げた観衆から
感動のため息が漏れる
花火師は
愛する娘を
永遠に
自分だけのものにするために
娘の心臓を
スターマインの玉の中に込め
打ち上げたのでした……
その夜
娘が一人
村から姿を消しました
花火師の悲しい恋の物語を想像しながら
果たして、花火師の思いは天に届いたのだろうか
と、河川敷の草をかきわけながら雑踏から離れ
仰ぐ夜空にまたひとつ、恋の想いが花開きました