こんなこともう嫌だ①
中国のホテル・レストラン
中国の高級ホテルやレストランで、
清掃や調理の不衛生な実態を隠し撮りした映像が相次いで暴露されている。(朝日新聞2018.01.26)
黒龍江省ハルビンの有名ホテルで客室清掃を隠し撮りした映像が、動画サイトで公開された。
動画を見ることはできませんでしたが、
ハルビン市当局は各ホテルへの調査の結果、
動画で告発された内容は事実だつたとして、ホテルを処罰した、と報じている。
〇 ケビンスキーホテル ハルビン (外資系5つ星)
(画面中央の建物) (豪華なロビー)
清掃員が便器を洗うブラシでコップを洗っていた。
客の使用済みタオルでコップや便器、バスタブを拭いた後、最後に床を拭き始めた。
ベッドのシーツも「汚れていなければ交換しないわ」と澄ましたものだった。
女性清掃員は「普通は部屋の清掃は1日12部屋がノルマ。
12部屋を超えて清掃すれば1部屋につき12元(約200円)の手当てがつくので、
一部屋にかける時間を短縮するため」と話している。
〇 シャングリラホテル ハルビン(外資系5つ星)
(画面左側の建物) (ロビーからプライベートゾーンへ向う通路)
清掃員はコップとゴミ箱を同じ雑巾で拭き、その雑巾を便器の水で洗っていた。
中国人記者が清掃員の就職希望を装って潜入取材し、ずさんな清掃の様子をカメラに収めた。
女性清掃員は便器を洗ったブラシでバスタブやコップを洗い、
同じ雑巾で便器、ゴミ箱、コップを拭いた。
記者を就職希望者と思い込んだ女性清掃員は、こんな忠告までした。
「客がいるときはこうやって洗ってはダメ。
規則違反になるから、普通は浴槽とトイレのブラシは違うものを使わないといけないけど、面倒くさいからね」
〇 シェラトン・ハルビン香坊ホテル(5つ星)
(画面左端の建物) (ファミリールーム)
トイレブラシで洗面台を洗ったあと、このブラシでトイレ掃除をする。
タオルは見た目で使っていないと判断したら交換しない。
ずさんな清掃が横行する背景にあるのは、5つ星ホテルの稼働率の高さあるようです。
清掃スタッフたちの業務が多忙なことを理由に、
1部屋につき30分から40分かかる清掃を15分以内で済ませていたといいます。
忙しすぎる割には賃金が低くい。
清掃スタッフの定数は1部屋に必要な時間によって決まる。
この時間に稼働率を加味すればおおよその定数は算出できるのだが、
人件費を削減すればするほど、
労働意欲は減退し、手抜きが横行しサービスの低下につながってしまう。
職業倫理の欠片(かけら)もない清掃員に対して、
地元、中国メディアは
「清掃員の賃金は低く、募集しても良い人材が集まらないので、
研修などに時間をかけていないことも、ずさんな清掃に拍車をかけている」と指摘しています。
ハルビン市は、3つの5つ星ホテルに対し、罰則を科す方針だということです。
利益優先の経営方針は労働者から誇りを奪い、強いては組織そのものをダメにしてしまう。
オラこんなこともう嫌だ。
(朝日、毎日等記事を参照し、ホテル写真は各ホテルのホームページから引用)
(2018.02.02記) (こんなこともう嫌だ№1)