「10万円商品券配布」問題
私費で用意したもので問題はない
石破茂首相が自民党の1期生議員に、
1人10万円相当の商品券を配布したことが話題になっている。
この問題は、自民党の新人議員に配布された「10万円の商品券」が
政治資金規正法で禁止されている政治活動に関する寄附に当たるか否かが論点になっていましたが、石破首相は、「商品券は私費で用意したもので法的に問題はない」と説明していた。
この時点で石破首相はなんのわびれるところもなく、
胸を張って「問題はない」と説明していた。
専門家の見解によれば、
今回のような政治家同士での金品のやり取りについては「判例の蓄積もなく、
黒とも白とも言い切れないグレー」だとする解説があります。
新人議員に商品券を配布することが「違反ではない」という見解に、
大方の意見は、違反ではないとしても「道義的にどうなのか」と、
世論や報道は、「道義的責任論」を展開し、
野党も論点の矛先を変えて攻撃を継続しています。
2025年4月1日 石破首相の記者会見
問題発覚からほぼ1カ月経過した時の記者会見。
2025年度当初予算が前日に成立したことを受けて首相官邸で記者会見した。
自民党新人議員への商品券配布問題について、
会見の冒頭改めて「商品券配布問題」を謝罪した。
石破茂首相は会見の冒頭、自らの商品券の配布問題について、
「改めて深くおわびを申し上げる」と謝罪した。
そのうえで、
「自分を見失っていたところがあるかもしれない。その点は率直に受け止め、真摯に反省する」と述べた。
首相は「国民の皆様方の感覚からかけ離れたことは率直に認めなければならない」とし、
「国民の皆様方の思いに真摯に向き合う決意を新たにした」とも述べた。
「法的に問題はない」と胸を張っての発言は、百八十度視点を変え、
平身低頭の発言は言葉の重さに欠け、
低下した内閣支持率を何とか取り戻したいという首相の腹づもりが
透けて見えるようで情けない。
ポケットマネー
商品券は、「ポケットマネー」で購入したから問題ないと、
石破首相は胸を張ったがどうやらこの話も怪しいという疑惑がある。
しかも、「配布」は自民党の慣例として行われていたのではないかとも。
石破首相だけの事例ではなく、安倍政権下でもあったようである。
3月19日夜のネット番組で、自民党の大岡敏孝(比例近畿)が、
第二次安倍政権の時「まったく同じようなシチュエーション」で商品券を受け取ったと証言。
こうしたことについて、
「今回と同じやり方だ。こういうやり方を含めて慣例が引き継がれてきたのではないか」と、
3月19日の参院予算委員会で井上哲士議員の質問に対して、
「全く把握していない」と答弁。
「全く把握していない」としらを切る答弁でうまく逃げたなと思われても仕方がない。
この手の言い回しは、「全く記憶にございません」と自信ありげに発言したにもかかわらず、
形勢不利になると、「確認したところ。○○でした」と発言する進め方と同じに思える。
内閣官房機密費
商品券の配布について、自民党の慣例でなかったかという疑惑も根強く残っている。
例えば2012年の衆議院選で初当選した衆議院1期性、いわゆる「安倍チルドレン」の人数は119人。多数のた当時の安倍主相は、13年の5月~6月に、4回に分けて会食をしました。仮定の話で恐縮だがこの時10万円の商品券を配布したとすれば、1190万円になります。ポケットマネーでの支出するような額ではないでしょう。
このようなことから商品券の配布の資源は、「内閣官房機密費」ではないかという疑惑と、習慣性に基づいた配布ではないかと疑われてもやむを得ない。
TBS系「news23」3月19日、「約20年前の機密費資料には『商品券』の記載があり、このことについて検証しています」
問題の資料は、日本共産党が入手し当時の志位和夫委員長が会見で2002年4月12日、会見で公表したものです。
共産党が入手した官房機密費の会計記録の一部には、商品券 312万2575円(1992年2月27日)を支出したという記載があります。
さて、話を最初に戻します。(以下、赤旗日曜版の記事による)
石破首相は、商品券の原資は機密費ではないと否定しています。しかし、ポケットマネーで購入したと証明できる「記録はない」と発言しています。
石破首相が自民党議員15人に配った10万円の商品券は、
大手百貨店の三越の者であることはわかっています。
三越伊勢丹ホールディングスの公報は、「商品券の購入は現金のみ。店頭でしか購入できない」と説明。そして、領収書を紛失した場合でも、
「購入した店舗と購入日、金額の詳細が確認できれば再発行は可能」としています。
ここまで追い詰められても、あくまでも「ポケットマネーからの支出」を主張し、しらを切る
至誠は厚顔無恥の何ものでもないと思われても仕方がない。
数え上げればきりがないほど、商品券と内閣官房機密費の問題は後を絶ちません。
その一部を紹介します。
参議院予算員会が3月28日に行われました。
立憲民主党 杉尾秀哉参院議員 「会食前に商品券配りました。以前やはり同じようなシチュエーションで当日に渡したら、みんな同じ紙包みを持って出てきたのでメディアにばれちゃって、それから事前に渡すようになったと官邸の関係者から聞きました。総理、知ってますか」
石破総理 「存じません。よく関係者がとかそういうことを言うが、それはどこのどなたなのでしょうか。そういうことを明らかにしないで、官邸の関係者がこう言ってる、お前知ってるかと言われても、お答えいたしかねる」
「過去にも、官邸側から議員への贈答品で官房機密費の使用が取り沙汰されたケースはあります。02年には共産党が、宮沢内閣時代の加藤紘一官房長官が管理していた“金銭出納帳”と題する文書などを公表。当時野党だった公明党の幹部や、首相経験者、自民党議員らに配られた商品券や背広代の原資が官房機密費だったことが明るみに出たのです」(政治部デスク)
商品券が配られるのは官邸が関係する会合に限ったことではないようだ。 旧清和会関係者が言う。 「23年6月15日、清和会の1〜3回生の議員懇談会が赤坂の高級焼肉店で開催されています。その日の日中、主催者の松野博一官房長官(当時)の秘書から“今夜のお礼です”と商品券を受け取ったことがあります」
一方、石破氏を総裁選で支えたさるベテラン議員も以下包み隠さずに語る。 「派閥の会合なんかでお土産を渡す必要がある時、商品券にするわけです。まんじゅうをもらったって仕方ない。みんな事務所の経営に四苦八苦しているから、商品券をもらえればしめたもの。それを換金して事務所の運営費に充てることもできますからね」 そもそも、石破氏も14日の答弁の中で、 「(商品券を配った回数は)おそらくは両手で数えて足りるか足りないかぐらいではないか」 と言っており、“永田町の常識”と無縁だったわけではない。
「総理になれば、1回生から4回生まで“公邸会食”でもてなし、商品券を渡す、というしきたりが自民党では連綿と続いてきた。石破さんは周辺に、“こんな因習は自分は踏襲したくないと言ったが、方々から『伝統だからやってくれ』と頼まれ、やむなく従った”と不満を口にしています」(政界事情通)
参考文献 WEBニュース
ウッキペディア
しんぶん赤旗日曜版3月30日
週刊新潮2025.03.27記事
(昨日の風 今日の風№144) (2025.04.03記)