雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の行方 (24) 「仮の町構想」(8)   帰村宣言から1年

2013-02-25 15:03:02 | 風の行方・原発

 

  帰村宣言から1年

 福島第一原発事故で一時、役場を含めて全村避難余儀なくされた福島県川内村の遠藤雄幸村長が、

「戻れる人から戻りましょう」、「自分たちの村は自分たちで守る」と「帰村宣言」をして、1月31日で一年が過ぎた。

 

 昨年10月13日には天皇皇后両陛下が川内村の除染の様子を視察。

除染をする作業員たちはマスクを装着し、

防御服を着ていたが両陛下は「付近の放射能レベルは問題はない」というご意向を示され、

防御服やマスクを着用されることはなかった。

まさに並々ならぬ決意で臨まれたご視察だった(女性セブン2012年11月1日号)。

 12月29日には、就任間もない阿部首相も訪問し、

「フロントランナーとして頑張っている川内村の成功が復興の成功につながる」(時事ドットコム12月29日)と強調、

帰還事業に全力で取り組む考えを示した。

 

 帰村宣言から1年 川内村の現状

 1月30日現在、村民2816人中424人(避難先を引き払って完全に戻った人・完全帰村者)が村に戻り、

約700人弱の半帰村者(週に4日以上を村で暮らし、避難場所と自宅の二重生活をしている人)を合計しても

帰還住民は約4割弱と少ない。

復興への第一歩はスタートしたが、復興への道のりは遠く険しい。

 帰村者のうち6割超が50代以上の中高年層が占める。

原発事故以前も過疎化が進行していた村だが、

遠藤村長は「過疎化の村が抱える少子高齢化が一気に進んだ」(福島民報1/31)と現状を語る。

 

 村が行う旧警戒区域以外の除染は、

民家の99%、農地の約70%(田んぼは90%以上)が終わり、コメ作りも今年は再開される。

除染、工場誘致による雇用の確保、道路の整備等、行政としてできることを村は率先して行い、

「帰れるから帰ろう」、「戻れる人から戻ろう」と村民の帰村を促した。

役場機能も学校も再開した

なぜ村民の「帰村」が進まないのか? (つづく)

               (参考資料:女性セブン、時事新報、福島民報、朝日新聞、読売新聞)  

 

 

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「聞く力」 心をひらく35のヒント (2)

2013-02-07 21:49:46 | ことの葉散歩道

ことの葉散歩道(4)

人の話に共感する

 

 感動的な話。涙なくしては聞けない切ない話。勇気を与えてくれるような清らかな話。手の込んだ可笑しい話。

 努力と我慢に満ちた話。つくづくダメな話。情けない話。

  人の話はそれぞれです。

 無口であろうと多弁であろうと、語り方が下手でも上手でも、ほんの些細な一言のなかに、

 聞く者の心に響く言葉が必ず潜んでいるものです。

「聞く力」-心をひらく35のヒント- より

         阿川佐和子著 文春新書 2012年1月刊

 週刊文春の対談シリーズ「阿川佐和子のこの人に会いたい」は900回を突破している。

その阿川にして言える言葉である。             

 人の話を「聞く」ということは、人の話のなかに

「その人らしさや人格が表れていてそこに共感したくなるような、何か小さな魅力があれば、

それだけでじゅうぶんです」 と、著者は言います。

 

 対談の中で、一瞬光を放ちキラリと輝く部分を的確にとらえ、さらにその部分にメスを入れ、

意識の底に淀んでいる思いを引き出す。

思ってもみなかった本音がポロリと出たり、本人さえ気付いていない心の葛藤が言葉になって表現される。

 

 人は誰でも、自分の考えや意見を真剣に聞いてもらうと嬉しくなります。

これが「共感」ということなのでしょう。

この「共感の姿勢」は一方通行ではありません。

「共感」ということをもう少し具体的に言うと、聞き手と語り手の「波長」が「共鳴」するということなのでしょう。

人と人の[波長が合う]。

これを「感情の交流」と私は勝手に名付けています。

人の話をよく聞くことも、議論をすることも本来はお互いが理解しあうための手段なのですが、

実際には対決のための議論になってしまい、溝はますます深くなってしまう場合も珍しくありません。

 

    「人の話をよく聞く」姿勢に欠け、自分を通そうとする「我」が働くからなのでしょう。

  対決の感情のなかには、「共感」は生まれないのです。

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「聞く力」 心をひらく35のヒント (1)

2013-02-03 20:53:48 | ことの葉散歩道

ことの葉散歩道(3)

いくつもの顔

 人はそれぞれに、それぞれの人に向きあう顔がある。

逆に言えば、一人に対して自分の全てを見せているわけではない。

しかし、向き合っている相手からしてみれば、自分に向けられている顔がその人の全てに見えてしまう。

だから、自分の知らない「思いも寄らない顔」を発見したとき、ショックを受けるのではないか。 

 「聞く力」-心をひらく35のヒント- より

         阿川佐和子著 文春新書 2012年1月刊

 映画の話であったり、音楽であったり、読書や食べ物や旅行などと、

話をする相手によって話題が変わります。

時によって、私たちはその場の雰囲気と成り行きで話の中身を変えることもあります。

同じように、私たちはいろいろの顔を持っています。

優しい顔、厳しい顔、明るい顔、人を引き付けるような雰囲気を持つ人、

その同じ人がとても悲しい雰囲気を漂わせる時もあります。

一人の人が持っている表情や雰囲気はいつも同じという訳にはいきません。

また、話す相手によっても違ってくることは、私たちの日常の経験から理解することができます。

 「どうもあの人は、私に言うこととAに言うこが違うらしい」とか、

「私のことをほめていたが、Aにはけなしていたようだ」などと具体的な事例に触れて、

がっかりしたり、相手を信じられなくなり、気持が萎えてしまうこともあります。

 

 人と人の関係で、相手を信じることはとても大切なことと思います。

人にはいくつもの顔がある。

しかも、人それぞれに価値観が異なり、好みもことなります。

自分に見せる顔と、他の人に見せる顔が異なっていても、

それは仕方のないことと気楽に考えられるようになれば、

人生は今よりもずっと楽しく、豊かに歩むことができます。

人それぞれが持っている「多様性」を認めることができれば、

人と人の関係も少なくとも今よりは穏やかになります。

「わが道を行く」。

なかなか難しい生き方ですが、そんな生き方できればいいですね。 

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