雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

12月の絵本「クリスマスのころわん」

2017-12-06 22:23:58 | あむじいのいっしょに読もう

12月の絵本「クリスマスのころわん」
12月に入って最初の「いっしょに読もう」の時間です。
 今まで、運動場の木のベンチで読んでいましたが、さすがに寒くなって来たので、図書室に移動しました。ここは、エアコンもあり快適です。たった一つ欠点は、たくさんの本と一緒にオモチャが置いてあるので、こちらで遊んでしまう子が何人かいることです。


今日の「いっしょに読もう」は、クリスマスがテーマ。
読む前のお話し合いは、季節がらとても盛り上がります。
サンタの話、プレゼントの話。クリスマスツリーの話。
全員が発言できるように目配り、気配りが大切です。
ひとしきり発言があった処で、今日の絵本の話をします。
要点をとらえ、「これからいよいよ本読みが始まるぞ」と雰囲気を盛り上げます。

お星さまがキラキラ輝いている空から何かがおちてきて、ころわんの頭の上にふんわり落ちました。
だれがおとした帽子だろう
「ぼうしを なくした だれかさん、きっと さがしにくるよ。ぼくここで まっててあげる。」
待っているころわんのところに、あかい服を着た大きな人が下りてきました。
「わんころちゃん ひろってくれて ありがとう。」
あかい服を着た大きな人は、お礼に 大きなキラキラ輝く星をプレゼントに置いて行きました。

あかい服を着た大きな人は、いったい誰だったのでしょう。

ここでまた みんなとお話し合いです。
「あかいふくをきたひとはだれ」「ころわんってやさしいんだね」「きらきらぼしみんなもほしいですか」「サンタさんにプレゼントおねがいしたひと」「サンタさんは何に載ってくるのかな」

 読むだけだったら7~8分で終わるお話です。
「アムじいのいっしょに読もう」は、子どもたちとお話をしながら進めるので30分の時間が必要です。
楽しい時間の流れの中で、元気がいっぱいもらえるかけがえのないひと時です。
      (2017.12.5記)

(アムじいのいっしょに読もう№6)

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あむじいのいっしょに読もう(5) 紙芝居・かさじぞう

2017-04-09 10:30:00 | あむじいのいっしょに読もう

 あむじいのいっしょに読もう(5)
      紙芝居・かさじぞう
            松谷みよ子民話珠玉選 まつやま ふみお画 童心社
今日のテーマは、「やさしさ」です。
 民話がもとになったお話は、どこかにほっこり感があり、子どもたちに人気のカテゴリーです。

  じいさまとばあさまが登場するのも定番です。
  びんぼうなじいさまとばあさまは、明日はお正月だというのにお餅を買うお金もありません。
  そこで、じいさまは、ばあさまが織った布を売りに町に行きました。
  しかし、大みそかの忙しい時に、ばあさんが織った布など誰も買ってくれません。
  
  同じように売れずに困っていた、笠売りの笠と布を交換することにしまし、じいさまは家路につきました。
  いつのまにか雪が降ってきました。
  そこでじいさまは、降りしきる雪の寒空に立ちつくす六地蔵に気付きました。
  それを見てじいさまは、持っていた笠を全部お地蔵様の頭に雪を払ってかぶせてあげました。
  
  その晩のことです。
  寝静まった雪の中を、「ジョイヤサ、ジョイヤサ」という歌声と共に、
  何かがちかづいてくるあし音がきこえました。

  やさしさを施された人や動物などが恩返しをする民話は、たくさんあります。
  浦島太郎、鶴の恩返し、舌切り雀、おむすびころりん、などおなじみの民話の世界に
  子どもたちは興味を示します。
  イソップの話のように、教訓的でないところが私は好きです。
  
  「優しさと意地悪」、「無欲と欲張り」など対極にあるものを登場させながら、子どもたちに
  理解と共感を感じさせるのが民話の世界です。

  やさしい心や、慈愛に満ちた施しは、
  きっと自分自身への「いたわり」や「やさしさ」と通じるものがあるのでしょう。

  雪の降りしきる野原に立ちつくす六地蔵のお姿は、
  正月の餅も買えずに家路に急ぐ自分自身の寂寥感と通じるものがあったのでしょう。

  「布」が「笠」に変わり「笠」が六地蔵がもたらす、「お礼の品々」に変わっていく。
  変容していく「もの」を繋いで最後に、ささやかな「やすらぎ」が訪れるために、
  じいさまの「やさしい心」が橋渡しをしていく。
  この変容を子どもたちにやさしくするのが、朗読者としての私の役目と思っている。

  「みんなだったらどうするのか」を話し合うことによって、
  物語は一層深く子どもたちにの胸に沁みこんでいきます。
  「六地蔵の気持ち」「じいさま」の気持ちをみんなで考えながら
  今日の「あむじいのいっしょに読もう」は終りになります。
                    (2017.4.9記)

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あむじいのいっしょに読もう(4) 「おおはくちょうのそら」

2017-04-08 14:55:23 | あむじいのいっしょに読もう

あむじいのいっしょに読もう(4)

           「おおはくちょうのそら」今日のテーマは「家族と優しさ」です。
悲しいけれど優しさに満ちたお話です。
 北海道の湖に少しずつつ春の兆しが見えてきました。
 白鳥たちは、北の国に帰る準備を始めます。
 昨日も今日も白鳥の家族が北の国に飛び立って行き、湖は日ましに寂しくなっていきます。
 
 もう春がすぐそこまで来ているというのに、まだ出発できない家族がいます。
 どうしたのでしょう。
 
 子供が病気で飛ぶことができないのです。
 仲間のいなくなった湖は静かにに暮れていきます。

 「このこが げんきになるまで、きたの くにへ かえるのを おくらせよう」
 お父さんが言うと、お母さんもうなずきました。
 雪が解け、氷が解け、福寿草が咲き始めました。
 でも子供の病気は一向に良くなりません。それどころかますます悪くなっていくようです。

 お父さんは月を見て決心しました。
 「北の国に帰ろう」
 帰らなければ、残りの子どもたちを幸せにしてやることはできない。
 断腸の思いで苦渋の選択をしたのです。

 びょうきの こどもを かこんで、おやこは なきかわしました。
 かなしい こえが、みずうみに ひろがって ゆきました。

 病気の白鳥は飛ぶことができません。
  お父さんが先頭で飛び立ち、子どもたちがその後を、最後にお母さんが飛び立ちました。
  病気の白鳥も飛び立ったみんなも泣きました。

  鳴き交わす声がだんだん遠くなり、皆の姿が山の陰に見えなくなってしまいました。
  
  その時、お父さんを先頭に、飛び立った家族が山を越えて戻って来たのです。

  もどって きた かぞくを みて あんしんした こどもは、
  そのよる いきを ひきとりました。
  みずうみに うつる つきの かげが、かなしい いろで ゆれました。

  皆は、夜も昼も休まずに飛び続けて、北の国に帰り着き、お互いの無事を喜び合いました。
  
  いつしょに くることのできなかった、
  かわいそうな こどもの ことを おもいました。

  そのとき、きたのくにの つめたいそらに、
  しんだこどもの すがたが、ひかりかがやきながら うかびあがりました。 

  皆は、大空を仰ぎ、クオーッ、クオーッ クオーッと泣いて喜びあいました。

    「あむじいのいっしょに読もう」は、ここからがとても大切な時間になります。  
    「病気の白鳥」の気持ちをみんなで一緒に考えよう。
     「おいていかなければならなかったお父さんの気持ちや、みんなの気持ちを考えよう」
     「家族って何だろう」「お父さんやお母さんの役割は何だろう」
              みんなが感じたことを、自由に言ってください。
     答えは一つではないよ。いろいろの答えがあっていいんだ。
     自分の思ったことを、素直に言える雰囲気が出てきたら、この時間を子どもたちと共有できたことに、
     「感謝」です。
     今回のメンバーは小学新1年生、2年生、3年生を対象にしました。
                                              (2017.4.8記)

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あむじいのいっしょに読もう (3) 大型紙芝居・したきりすずめ

2016-05-14 16:29:54 | あむじいのいっしょに読もう

あむじいのいっしょに読もう(3)
              むかしばなし・大型紙芝居 したきりすずめ
  
誰でも知っている「昔ばなし」。
  あむじいの子どもの頃は「おとぎ話」と言っていた。
  何度も何度も読んでもらって、字が読めなくても
  そらんじて読めるようになった。

  今の子どもは、同じ話を繰り返し要求はしない。
  子どもたちの興味を引く素材が、たくさんあるからだ。
  絵本(あむじいの子どもの時と比べて、圧倒的に種類が多い)、テレビアニメ
  おもちゃ等々。キャラクターも豊富だ。
  (木陰のベンチに子どもたちが集まります)
  当たりはずれのない素材は、キャラクターものだ。
  アンパンマンなど、無難な素材を選べば、子どもたちはすぐ
  興味を示し集まって来る。 盛り上がる。
  
  だが、こういう素材選びは、子どもたちの豊かな感性を引き出し
  想像力を育てることはできない。

  たくさんの素材を提供し、子どもたちが自分に合った物語の世界を
  発見することも必要だ。

  「したきりすずめ」は「かちかちやま」、「うらしまたろう」
  と並んで代表的な日本昔話のひとつだ。
  (松谷みよ子脚本 堀内誠一絵)

   テーマは「いたずら」「やさしさ」「よくばり」だ。
   このキーワードをさりげなく、物語の中に織り込んで読む。
   だから、脚本どうりには読まない。
   子どもたちと、会話を展開しながら、
   子どもたちの口から、三つのキーワードか引き出せれば
   意図したことが成就される。

   「いたずらすずめ」と「やさしいおじさん」、「よくばりおばあさん」の関係を
   子どもたちは理解する。
                     
                     (豊かな自然の中で子どもたちは元気に遊びます)

(子だぬきがげたに化けたけれど……)
 テーマは「変身願望」「おかあさんのやさしさ」「頑張った子だぬき」だ。
 「みんなは何に変身したいかなぁ」と、「化ける」ではなく「変身」です。
 いきなり盛り上がって、子どもたちの変身願望が展開されます。
 ひとしきり皆の「なりたいもの」を聞いた後で、絵本の内容に入ります。
 「小さなたぬきさん」は、「げたに化けたんだって… あれれっげたにしっぽがはえてるよぅ」。
 「げた」って何だろ。「知ってる人ぉー」

 木陰の陽だまりの中で、楽しい時間が過ぎていきます。
 運動場で元気に遊ぶ子どもたちの声が聞こえてきます。

 

 

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あむじいのいっしょに読もう(2) みんなでぽん!

2016-04-28 11:00:00 | あむじいのいっしょに読もう

あむじいのいっしょに読もう(2)
     みんなでぽん!
   
4月になって新しいお友達が沢山入園してきました。
   まだ、園の生活に慣れなくて、毎朝泣いている子供さんもいます。
   今日の「アムじいのいっしょに読もう」は、3歳未満児の教室です。
   拍子木を鳴らし、朝の挨拶を元気よくして、さあ始まりです。
   子どもたちの目が輝いて、あむじいを見つめています。

   

「みんなでぽん!」は大きな紙芝居です。
大きな白いまるがひとつ、みんなで元気よく手をたたくと、中から こびとが飛び出しました。
次は、白い四角の中から、ポンと手をたたくとロボットが飛び出てきました。
あっ、次は三角が出てきたぞ。三角の中にから今度は何が出てくるかな?(みんなの気持ちを集中させて)、
「さぁー、元気にぽん、とてをたたいてみましょう」。
みんなの目が輝き、緊張していた顔が、ニコニコ顔になってきました。

 発言自由。わいわいがやがやもいいよ。(みんなの気持ちが高まった処で、次の本の紹介です)
 本の紹介は、今からみんなで読む本が、どんなにワクワクする本なのか、思い入れいっぱいに紹介します。
 この場面で、園児たちの気持ちは、あむじいの本に集中してきます。
  かえるがぴょーん。犬がびょよーん。ばったがびょびょびょびよびょーん。(園児たちは擬音が大好きです)
  「さぁーみんなで言ってみよう。大きな声で、びょびょびょびよびょーん」
   (あむじいの脱線に、園児たちは大喜びです)
 「あれー、かたつむりさんがでてきたぞ。かたつむりさんジャンプできるかな」
 (園児たちは、興味津々です
) さあーかたつむりさんは……(園児たちの気持ちを十分惹きつけて……)


 最後の出し物は、終りに向けて興奮した園児たちの気持ちを静めるための、
 静かな内容の本です。
 「大好きなお母さんが、呼んでいるよ。みんなはなんて返事するのかな?」
 (園児たちの反応がなくてもだいじょうぶです)
 「○○ちゃーん」て呼ばれたら「ハーイ」って元気よく、お返事だよね。
 「さーみんな、お返事の練習だよ」
 (あむじいが手を挙げて、少しおどけながら「はーい」と言えば、園児たちがこれに続きます
)

 今日のテーマは、「みんなで楽しくコミニュケーション」でした。
 所要時間45分。

 

                         (2016.4.26記)

 

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あむじいのいっしょに読もう

2016-04-02 10:19:04 | あむじいのいっしょに読もう

アムじいのいっしょに読もう
 保育園の庭の桜もちらほらと咲いてきました。
園児たちは登園してからの約一時間、
運動場で好きなことをやって遊びます。
 ドッジボール、フラフープ、柔らかいボールのサッカー、かけっこ、
 鬼ごっこ、砂遊び、かくれんぼ、縄跳び、三輪車、スケーター等々
私の拍子木の音で教室に集まったきょうのおともだちは12~15名です。
 げんきに朝のごあいさつです。
 今日の出し物は 「みんなでんしゃ」の大型絵本と紙芝居の「じいさまときつね」でした。


 電車やバスのお話が大好きです。船や車、飛行機などの素材はなかなか見つけることができません。
きっと、「おはなし」にしずらく、園児たちも電車やバスでのお出かけが楽しいからなのでしょう。

「みんなでんしゃ」くまさん、きつねさん、へびさんなどが登場します。
園児たちの感覚では、人も動物も一体化され、
自分たちと同じ生き物、仲間としての感覚があるのでしょう。

みんなのめがかがやいて、キラキラ輝いています。

「じいさまときつね」。
園児たちのもう一つの好みは、
おなら、うんち、おへそ、そしておばけが登場するお話が大好きです。
でも、「うんち」のお話は選びません。
お家に帰って、園児たちがママにどんな報告をするか不安があるからです。

 「じいさまときつね」には、ゆうれいが出てきます。
怖いだけのゆうれいにしてしまったら、園児たちは怖気づいてしまいます。
ちょつと怖いけれど、
どこかに親しみを持てるようなゆうれいを、演出します。
身振り手振り声を変えて……
子どもたちは喜びます。

 終わりのあいさつがすんで、握手を求める園児に見送られながら
私は園児から、喜びをもらっているんだと思いながら、帰路につきます。

 

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