雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

雨に濡れた山桜

2008-04-10 21:47:51 | 季節の香り
 満開の桜に春の雨と風。我が家の近くの桜は
そのほとんどが「ソメイヨシノ」です。

 ある時期一斉に咲いて、当然のことながら
一斉に散ってしまう。

 空を覆うばかりの淡いピンクの花が、風のそよぎもないのに
最初のひとひらが、はらりと散るとそれが花吹雪の開始の合図のように
はらり、はらり、はらはらはらはら…………花吹雪の乱舞が始まり
それは本当に短時間に散ってしまう。

 ソメイヨシノの春は一斉に始まり、一斉に終焉を迎える。

 春に追われて、北へ目指して車を飛ばし、山に分け入り、山桜や
ボタンザクラを追いかけて行く。

 今日。春雨も3日も続くと、ちょっとうんざりです。
 
  煙るように降る雨の中、山桜の里へ。
 しとどに濡れた山桜は、赤い葉を花の間から覗かせ、
 雨滴の重みに枝先を垂れていた。

  訪れる人もなく、雨に濡れ、山里の風景の中に溶け込むように
 ひっそりと咲く山桜。
  風情があって、心までしっとりとして、春に追われるせわしい気持ちが
 和んでくるようでした。


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読書紹介 「心にナイフをしのばせて」奥野修司著

2008-04-09 18:55:02 | 読書案内
 2006年、文芸春秋より刊行されたノンフィクションである。

 私たちにとって「酒鬼薔薇少年事件」は、
14歳の少年が起こした衝撃的、猟奇的少年犯罪として記憶に新しい。
 この本で取り扱われる「事件」は、
「酒鬼…」より遡ること28年前に起こされた衝撃的、猟奇的少年犯罪である。

 事件の概要は、19691年横浜の私立高校で起こった。
入学間もないこの高校の近くにあるツツジ畑のなかで、
ひとりの少年がナイフでめった切りにされ、
頭部を首から切り離されてしまった事件である。
 血のように赤いツツジの花の群落の中に、
血まみれの頭と胴体が切り離された死体が転がっていた。
 犯人は同級生の「A」であった。
事件の概要はこんなところですが、このノンフィクションは、
「猟奇的殺人の動機」や「事件の背景」を探るルポではない。

 加害者「少年A」と「被害者の家族(遺族)」という視点から
事件後30年近く経過してもなお癒されぬ被害者の母と妹への
インタビューを中心に描くことによって、
「少年法の矛盾」と「被害者側への法的支援の希薄さ」を
浮き彫りにしようとしている。

 事件の衝撃ゆえに壊れて行く被害者の家族。
少年法の保護のもとに「少年A」は無償で教育を受け、
短い刑期を終えて社会に復帰してくる。
大学を出て、弁護士事務所を開き地方都市で土地の名士にまで上り詰めている。

 被害家族への一切の謝罪もなく、
実父の愛人と養子縁組をすることによって、
過去の忌まわしい名前を捨て、弁護士として再生している。

 被害家族が今もこの事件の「トラウマ」から逃れられず、
過去を引きずってしか生きられない苦しさを思えば、
私ならずとも少年法の理不尽さを感じづにはいられないだろう。

 最終ページ、被害者の妹のメッセージが全てを語っていると思われるので紹介します。

 『私の心につけられたシミのような傷を消すことができるとすれば、
あの事件に「決着」をつけられたときのような気がする。
その「決着」のために、私はこの30余年、
心の底にナイフをしのばせてきた。
いつでも対決できるように----。』

 余りにもつらく苦しい被害者家族の長い三十有余年のノンフィクションである。
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花散らしの雨

2008-04-08 22:45:50 | つれづれに……
 雨に花散る。これから満開の桜を期待していたのですが、今日の強風と雨はまさに「花散らしの雨」です。「月に叢雲(むらくも)、花に風とかくこの世はままならぬ」と言いますが、明日があるさというわけにもいかず、桜は雨にたたかれ、風にゆすられてそのほとんどを散らすことになってしまったのです。今年こそ、桜めぐりをしたかったのですが、残念です。
 
 ブログ開設デビューです。緊張感が先に立ち思うように文章を作ることができません。「雨あがりのペイブメント」のページを開いてくれた方ありがとうこざいます。徐々に慣れていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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