2002年6月29日、その日の朝、私は、テグで行われるワールドカップ三位決定戦を見るために韓国に飛んだ。仁川国際空港に到着してすぐにバスで金浦空港に向い出発ロビーに着いた時のことだった。
ものすごい人だかりがあり、みな興奮している。何のことかとその中に入った私は、テレビニュースの映像を見て一瞬凍った。
西海で南北の銃撃戦があったのである。しかも、ただならぬ規模のようである。
第2延坪海戦である。
実は、1999年、なんと今調べて分かったことだが、6月15日にもこの海域で南北は交戦している。第1延坪海戦である。
その原因が何であるかといえば、実のところ、
ワタリガニ漁業をめぐる北側の不満によるのだというのがもっぱらのところだ。
私もそうなんだと思う。
ワタリガニ漁は、毎年、4月から6月、9月から11月にのみ許される。これは味もさることながら漁業資源保護の観点からそうなっている。
そして、米軍が勝手に定めたNLLのために、北側はこのワタリガニの漁場から締め出されているのだ。
この地図を見て思うのだが、南北双方が歩み寄ることは十分可能だと思う。
地図にある4島はすべて北緯38度線以南にあることから、これは南側の領土とすることに北側も何の反対もない。
海もすべてが38度線以南である。しかし、開城や海州も38度線以南である。これらの4島は、もともと北側の黄海南道に属していた。
平和の観点から、経済協力の観点から、この海域の漁業権を一部北側に認めることがそんなに困難な話であろうか。
富める南側が、貧しい北側に、少し気前良くすれば良いだけの話だ。
フンブとノルブの話はみんな知っているだろうに…
by maneappa
ちなみに、この海域では南北の漁民の間で密取引があったように聞いている。
北側の軍がとったワタリガニを南の漁民が買い受けているという話だ。
それはちょうど、東海の海で、韓国と日本の漁船が、ズワイガニの取引をしているという話と似ていて、私なんぞ、微笑ましいと思うのだが。