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今日は10.4ーノムヒョン以後に私たちは何を?

2009年10月04日 | 管理人のつぶやき
今日は10.4、もう2年になった。当時の主役の一人ノムヒョンは、この世にいない。彼の死を悼み血を吐く思いで詩「慟哭は、やがて獅子の咆哮に!」(当ブログ7月17日分参照)を寄せた詩人・金ジョンナンが、最近ノムヒョンサイトに文を載せた。詩人の感性に驚きと敬意を表し、以下に一部掲載する。

推薦します。
元詩人の金芝河はすでに、龍の吐き出す唾液にまみれている。7.17をもう一度ご鑑賞下さい。namsang



            ノ・ムヒョン以後に,私たちは何を?

                 キム・ジョンナン(詩人,尚志大・教授)

ノ・ムヒョンがみみずく岩の空に消えた時,彼はそのまま消えたのではない。
彼は明確に方向を提示した。 … ノ・ムヒョン-みみずくは、全身を捧げ闇の側で戦った。 彼は自身の情熱を傾け、生きている象徴になり、光の方向を示して逝った。

ノ・ムヒョンは自身の生涯と肉体全体で象徴になった。…ノ・ムヒョンはみみずく岩の上で、私たちの後頭部を痛打した。 そのように生きるのか? ずっとそのように無力に座り込んでいるのか?、と。

私は以前寄せた詩に、ノ・ムヒョン-みみずくが闇を破ってはいあがる時, それは未来に出現する獅子の咆哮を準備するのだと表現した。 そしてそれは、みみずくと獅子の間で, 邪悪な舌をぺろりと出している蛇との戦いを前提としたものと、表現した。
まさしく今の時代は蛇の舌がだす毒気を吹き散らしてしまうこと、 それが未来の獅子らが、一番最初にしなければならないことだ。 方向は提示された。

私たちはノ・ムヒョンの死を通じて私たちが、どんな社会に生きているのかを悟った。 その社会はパク・チョンヒの暴圧とチョン・ドゥファンの醜悪な殺人行為から、一歩も前に進むことのない社会であった。 民主化はまた、しん気楼のように遠い地平線でちらちらしている。
 政府に批判的な教授らは、教壇から追い出されて,すべての反対意見は抹殺され,抗議する者らは捕えられて…。前のように殴られることはないけれど, その代わりにお金でぐるぐる縛られる。 ディレクターと記者らの口にクツワが噛ませ, 市民運動家は監視されて,大統領という新しい君主の家族らはあらゆる部署に落下傘降下している。

能力,道徳性などは眼中にもない。 重要なのはひたすら私の家族らに安らかな場所を用意することだけだ。 なぜなら,真理はまさに私の利益であるためだ。 恥? そうしたものは初めからない。 嘘つきらは、恥を知らない。
…全国土の大部分を、一部の上層階層が占有している。 そしてそれを基盤にして、自身の富を簡単に増やす。 この程度の不動産占有比率ならば,朝鮮時代の両班(ヤンバン)階層の土地占有と何がどれくらい違うものであろうか? その貴族らは今や4代河川を掘り、甘い汁を抜け目なく召し上がろうと舌舐めずりしている。

国民は蛇の舌を持った情報流通業者らの嘘にだまされて、いつまでも領主様の追従者として残っていなければならない。 国民はいつも、自身の存在を裏切る政治的決定を、ただ受け入れる。 特定の政党にだけ、ずっと投票する。すでに国民は、市民でなく臣民だ。 国民は領主様が自分に何をしてくれようが、ひたすら領主様にだけに従う。 土地を借りて、そこに自身の存在を縛りつけたままの、中世農夫と大きく異ならない。

韓国社会は、まさに絶望的な状況にある。 しかしそのまま座していることはできない。
数十年間、私たちが血を流して成し遂げた成果を、邪悪な蛇の口に飲み込ませることはできない。

…私がノ・ムヒョンを悼む詩を『オーマイニュース』に発表した時, 多くの方々が共感を送って下さった。 そして相当な金額の原稿料を送って下さった。 文一つでそのように多くの原稿料を受けたことは、生れて初めての出来事だった。 私はその原稿料をノ・ムヒョンの精神を賛える事業に使うと、読者らと約束した。 私は当然その約束を守る。 個人的な寄付と原稿料を合わせてノ・ムヒョン財団に寄贈する計画だ。

…すでにノ・ムヒョンが、市民らよ目覚めよと、何度も地をたたいて逝かれた。 もう私たちが、ノ・ムヒョンになる番だ。 私たちがノ・ムヒョンになろう。そして私たちは必ずや、夜を引き裂く獅子の咆哮, 勝利の叫び声を上げるだろう。