君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

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『君がいる幸せ』 四章「心のままに」二十四話 「I guard you3」(後編)

2012-01-14 01:55:00 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる 
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)二十四話話

   Epilogue Bridge「I guard you3」(後編)  
※「君の存在」の完成版です。
☆ソルジャーズのブルーとの表記は前編の1行目だけで、後は省いています。
  現在・Sumeru
  数日後
「ジョミー、ブルーに何を教えてるんですか?」
 そう言って僕の部屋に飛び込んできたのはシドだった。
「何って?」
「彼にキスを教えたんじゃないですか?」
「え、あぁまあ、キスくらい…問題は無いでしょ?」
「知らないんですか?彼、カナリアの女の子に人気あるんですよ」
「え、そうなの?」
「そーですよ」
「カナリアも年頃だからなぁ…」
「彼の子でもできちゃったらどうするんです?」
「ちょ…それは飛躍しすぎじゃ…」
「彼は上手いですよ」
「ん、え?…何が?」
「えっと、あの、キスが…」
「えーっと、…もしかして、シド、君が…キスされたの?」
 と笑った。
 笑わないで下さい!とシド。
「朝の挨拶に来て、なんかそのまま…だから、キスがって言うより。ふ…雰囲気を作るのが上手いんですよ。きっと、そう、だから…それで……」
 シドはブルーの力に呑まれたんだなと僕は思った。
「で、それを…僕が教えたってブルーが…言ったのか?」
 まだ笑えて上手くしゃべれなかった。。
 憮然とするシド。
「と…ともかく、何か問題が起きる前に止めないといけないね」
 ジョミーはブルーを探し「僕の部屋に来て」と呼んだ。
「どうしたの?何か用事?」
 ブルーが入って来る。
「ブルー、キスして回ってるの?」
「え、そんなのしてない」
「でも今朝、シド以外の誰かにキスした?」
「カナリアのマリナ」
「…彼女だけ?マリナの事を好きなの?」
「マリナだけだよ。別にそう…好きってのでもないけど」
「…じゃ、なんでしたの…?」
「なんか、今日はかわいく見えて、かわいいねって言ったらマリナが急に…」
「彼女からか…」
 ジョミーはため息をついた。
「わかった。とりあえず、キスは禁止だよ」
 とブルーに指示をした。
 ブルーは文句も言わずに部屋に戻って行った。
「ブルーは見た目は十四歳って言っても、中はまだ五歳くらいの子供だからなぁ…。マリナは実年齢で十六歳。成人している。だけど、カナリアだし…。第一、ブルーが本気じゃないなら…しばらくココを離れるしかないのかな」
「マリナって優秀でおとなしい子ですよね」
「うん」
「ブルーは天性のたらしとかなんかですか?」
 …たらしって…。
「んー、多分、あのね」
 とジョミーが、シドをじっと見つめる。
「どうしたのですか?」
「シド、二人の時は言葉使いを普通にしてと言ったじゃない?」
「あ、はい。でしたね」
「違うよ。そこは…」
「……」
「だから…うん。でいいんだって…言ってみて」
「うん」
 ジョミーがパチンと指を鳴らした。
「え?」
「わかった?」
「一種の暗示か催眠術に近い感じかな?」
「これってタイプブルーの能力なんですか?」
 と言うシドをつまらなそうな目でジョミーが見る。
「…タイプブルーの能力なのか?」
 と言いなおすシド。
「ううん。皆、誰でも持ってるけれど、僕たちのはパワーが違うと思う。僕達でもそれぞれ出来る種類も違うし」
「種類?」
「トォニィは戦いたい時に使うから、彼から本気で挑まれたら受けない訳にはいかなくなる。僕のは甘言。つまり言葉でこっちのペースにするってのかな?ブルーは恋愛モードってなるのかもしれないね」
「じゃあ、ジョミー。君も彼の暗示にかかったって事?」
「キスを教えた時?んー、そうなるのかもね」
 あの時、ブルーは何も言わなかった。
 むしろ僕の方から言ったんだ。
 だけど、何故急に一人で僕の所に来たのだろう。
 僕が彼を呼んだのかもしれないな…。
「でも、なんでブルーは君の所に行ったのだろう?」
「さあ…」
「で、なんでそんな雰囲気になったんだ?」
「いや、僕もそれはよくわからなくて…」
「シド、君で試してみようと思ったのかな?」
「え?試すって何を?暗示を?」
「そう、相手を喰う方法をさ」
「喰う…」
「ブルーのは、言葉よりも目と纏ってる空気が違ってきて、呑まれると知らない内に、こちらから動かされる事になる」
「カリスマ性に近いものがありますね」
「否定してても、ブルーはブルーって事だね」
「…ですね」 
「しかし、ここを離れるいい時期かもしれないけど、離れるとなるとどこに行こうか?」
「…ソルジャーズのジョミーは、どうします?」
「彼はフィシスと居ると言うかもね」
「ソーシャラーになりたいんでしたっけ?」
「ヒーリングに興味があるみたいだね。だけど、まだ僕の側に置く。彼らに色々見せたいんだ。そうだ。四人でいろいろな所を旅して回ろう。きっと楽しいよ」
「そうですね。了解。ジョミー」
 そういうと、シドがジョミーを見つめて
「けど、ジョミー。彼のキスは本当に上手かったんですよ」
「…そう?」
「だから、僕にも教えて下さい」
 ジョミーの腕をつかみ身体を寄せてくるシド
 唇が次第に近づく…。
「残念」
 ジョミーが笑い出す。
「効いてないよ」
「全然ですか?」
 がっくりするシド。
「君は君の方法を見つけないとね」

 ブルーとマリナのキスの話題はカナリア内ですぐに広まってしまい、ジョミーはフィシスに軽はずみな事をしないでと叱られた。
 そんな淡い恋愛問題を残したまま、それから間もなく、四人はスメールを旅立った。




  四章エピローグブリッジ(Epilogue Bridge)「心のままに」 
  「I guard you3」 (後編)    終
    五章「星の在り処」へ つづく

後書き※問題の四章のUPが無事終わりました。
次は五章「星の在り処」です。五章の後に終章がありますが、話数が少ないし、
閑話扱いっぽいギャグテイストなので、実質、五章が終章になります。
終わりまでよろしくお願いします。




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