君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

第2部 「夢の在り処」 序章

2012-06-29 03:22:22 | 『君がいる幸せ』Artemisia編 夢の在り処
☆あまりにも、開きすぎてしまって…申し訳ありません。
二部の開始です。
ですが、実は、中盤がまだ書けていないので、、
本当に冒頭部分だけです;
第二の故郷がメインで、地球を離れてしまっています。
ジョミーが主人公ですが、どうしても重くなってしまうので…
そういう部分をなるべく軽くしてゆけたらと思っています。
本編で書ききれなかった部分を補完してゆきます。





  二部 「夢の在り処」 序章




  惑星ノア


 白いシャトルが飛ぶ。

 進む先はダールトン圏の惑星アタラクシア上空の教育ステーション。

 ここは惑星アタラクシアの子供が多かった。


 普通科は二年で卒業だ。
 卒業して十六歳で大人と認定される。

 専門課程は四年制コースだった。


 専門課程の三年には、クローンの二人が進学していた。




 白いシャトルにはミュウのシドとジョミーが乗っていた。


 今のジョミーの名は、ジョミー・M・S・アニアンだった。


 この教育ステーションはミュウと人類を分け隔てなく教育する事で有名な学校だった。

 けれど、ジョミーはミュウの能力を持っていない状態なのでミュウと認められなかった。
 ジョミー自身も人間としての入学を望んだ。
 キースの養子として許可を取ったのでアニアン姓となった。



「アニアン…です…か…」

「不満そうだな」

「これじゃ、まるで、僕が嫁に来たみたいじゃないか?」

「……あのなぁ…。ならダールトンでもいいぞ」
「マーキスじゃダメなのか?って言いたかっただけ」
「だめ…です」
 この会話はもう何回目になるんだ?とうんざりした顔でキースが答えた。

「わかってるけどさ…」



 今、人類のいる宇宙は、西部の太陽系地球をミュウが、中央首都ノア、ペセトラを中心にした連邦(アニアン)東部のアタラクシアを中心にしたダールトンの三派に分かれていた。


 今も、ミュウは人類には政治的には干渉しない。
 だけれど、もう多くのミュウが人類と暮らしていた。


 ミュウが地球を目指したあの戦いから、八年が過ぎようとしていた。





   教育ステーション


 僕の体がまだ安定していないので、暫くシドも医療機器を載せたシャトルと共にこのステーションに滞在する事になった。


 入学手続きや様々な連絡が済み、個人の部屋へと案内された。

 このステーションは分離型だった。大きく分けると、中心、センターには管理棟と生活フロアがあり、右側に一年と二年はAブロック、左側に三年と四年はBブロック、センター上部に大型船が接岸出来るドッグを持ち、下方には特殊技能用設備が揃うCブロックがあった。Cブロックにはドッグがあり僕のシャトルはそこにあった。


 僕は体調管理用にといつも耳にヘッドセットをつけているようにキースに言われていた。
 これはシャトルのシドと通信が出来るようになっていた。
 それと、コードジュピターのブレスも腕につけていた。

 ミュウの能力を必要とするシャトルのステルスデバイスは使えないが、遠隔操作は出来るように色々と改造されていた。



 ここで僕の新しい生活が始まった。








君と僕の行く未来 4

2012-06-05 02:09:47 | サイドストーリー「君と僕の行く未来」


 ・メティスとペセトラ・ノアでの暴行事件時



 あまり深く考えていなかったセルジュが、トォニィの様子を見て気になり始める。


「ジョミーに何かが?」
 
「セルジュ、分かっている範囲でいい。どこに行った?」

「移動していなければ惑星ノアだと思う。最後に目撃されたのはノア南東部の都市の博物館だ」

「それっていつ?」

「一週間前になる」
「それって…監視カメラとかで残ってるの?」
「あります。軍の、データベースの…見たいですよね?送るので…少し待って…」
 
 セルジュはモニターから移動した。
 きっと、この事をキースに聞いているのだろう。
 
 ジョミー。
 何かあったら僕を呼ぶって言ったのに…。


 画面にセルジュが戻り、データが転送されてきた。

「トォニィ。ジョミーのシャトルの位置は?」
「それが…信号を出してないんだ。それで、移動しているようで、まだ特定出来ていない。多分、ステルス機能のまま、低空でいるのだと思う」
「ノアを出ていないのなら、僕達の、ミュウの戦艦エラで探させる。ステルスデバイスを使っていれば僕らの方が早い」
「トォニィ。彼の事だから、心配はないと…」
 セルジュは言葉を続けられなくなった。
 トォニィが無言で睨んでいた。

「トォニィ…」
「気休めはいらない。キースが探せと言ったのだろ?」
「ええ」
「それなりに、緊急だってことだろ?」
「……」

「…違うかな?人類に無理だったから、僕らで探せって事か…」

「あ、ミュウにジョミーが居なくなって、直接言えるのは俺だけなのか…」
 とセルジュ。

「ノアの仲間には知らせたから、何か必ず、見つけてくれる。少し待ってみよう」


「トォニィ…。俺は軍人で政治家じゃない」
「知ってるよ」
「だから、自分の立ち位置がわかってなかった…」
「…どういう意味?」
「ジョミーがこちらに来て共存は進む…。だけど、こういう事態になった時に君たちと、こちらを繋ぐ者が…いなくなったんだ。その役目をキースは俺と君に振ったって事なんだな」
「…僕と連絡を取り合う事になった時から、僕はそうだと思っていた」
「それは…俺にはかなり、重責だよ」
「…ペセトラ基地の代表の任期はいつまで?」
「あと、一年と二ヶ月」
「じゃあ、それまでに僕達はもっと親しくならないとね。遠いけどさ。協力するし」
 とトォニィが笑う。
「…わかった。ありがとう」

 もう、やるしかないな。とセルジュは思った。


「まだ追跡中だけど…南東から南西部かけて磁気嵐を起こしている広大な場所はある?」
「砂漠がある。そこはさっきのカメラの場所に近い」
「今、向かわせた。もっと近くにいけば詳しい事がわかるだろう」
「その付近は、ノアでも治安が悪い地区だ。砂漠には軍も容易に入らない」

 そこに何かがあるんだ。
 一体、何が…。

「……」
「トォニィ。カメラのあった…博物館で気になる情報がある…」
「何?」
「何かをジョミーが持ち出して、丁度、その付近で演習中だったノアの兵士に止められた」
「それで?」
「そこに行ったのには部隊にミュウがいて…何か起きたらしい」
「なんか…不明な部分が多いな…それ」
「どうも、皆の記憶が無いらしく…噂のみなんだ」
「記憶が?」
「だから、上にも報告はされていない」
「…そっか…」
「キース・アニアンは何か言ってた?」
「いえ、それに関しては…」
「それじゃあ、気にしなくてもいいかも…」

 記憶操作か記憶消去だ。
 ミュウの力だ。
 ジョミーはそれを嫌っていたはず…。
 それをしなければならない何か…。
 何かを持ち出したんだ。

 そして、それをキースは探らせていないなら、彼は知っていた?
 なのに、行方不明になった。

 今、キースはジョミーを探させている。

 彼の知らない所で何かが起きた。
 


 だから、ジョミー。

 僕を呼んで。

 
 何かあったのなら…呼ぶって…ジョミーは言ったじゃないか!



「エラがシャトルを見つけた」
「本当ですか?」
「シャトルが砂漠でトラブルを起こしたみたいだ。ジョミーも熱病にかかってたらしい」
「大丈夫なんですか?こちらで病院の手配をさせるから、今の位置を知らせてくれ」
「うん。了解…」
 ジョミーのシャトルの位置を送ると共に、ジョミーと直接の会話を繋ぐトォニィ。


 シャトルの方の通信が不調で音声のみだったが、声は元気そうだった。

「良かった。安心したよ。ジョミー」
「すまない。まさか病気になるとは思ってなかった。油断した」
「セルジュから聞いてエラに探してもらったんだ」
「ああ、それは聞いた。これからは病気にも気をつけて、なにか変調があったら先に対処してゆくからね」
「人類と一緒にいるから病気になんてかかるんだよ」
「…そうかもしれないね…」

 トォニィは、ここはそんな事無いよ。
 と言ってくると思っていた。

 この最初、セルジュの連絡からジョミーとの会話までで、違和感があったのは、ここだけだった。




 この時から、もう五年以上前になるが「ノアでの暴行事件」については、ジョミーがスメールで意識を無くしてからキースに聞いた。

 戻ったジョミーは言った。

「僕があの時、能力が使えなくなったのは、コンピューター・テラに会ってから、僕がミュウの力を否定するような事を思ったから…。いっそこの力が無ければいいのにと、そうすれば、僕は運命や使命から逃れられるのじゃないかと思ったから…。無意識で、僕は、自分で自分を閉じたんだ」

「自分で閉じた…」

「でも、僕は唯の人になって…傷つけられなければならなかったと思う…。僕は僕がもう普通じゃないと思わないといけなかったんだよ」

「…なんでそんな…」


「そうだな。きっと、僕はとても我がままだからさ…時々神様が罰を与えるんだ」


 と笑った。



 トォニィは願う。


 もし、神様がいるのなら、もう彼に罰は与えないで…。



 彼はあなたのおもちゃじゃない。


 彼をもう自由にしてあげて下さい。