君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 四章「心のままに」五話 「I guard you1」前編

2011-11-29 01:24:04 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)五話 

   Epilogue Bridge「I guard you1」前編 
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!
  今から四年前・ジュピターの頃
 軍事惑星ペセトラに着いた日に僕はキースの訪問を受けた。
 最後のメギド探し、ミュウのメサイア移住等、色々忙しい日々だったがペセトラへの外遊に同行するようにとの指示を受けていた。
 宿舎は基地内にあったが、まるでホテルのような豪華な造りだった。
 ペセトラはキースが長く暮らした地でもあった。
 そのせいかその日は珍しくキースは少し酔っていた。
「お前が飲めないのが残念だな」
「僕は勤務中になりますから」
 ジョミーは答えた。
「そうか、ではジュピター。お前の探し物を手伝ってやろう」
 キースはここの地下はこれが必要だと、ペセトラの軍服を僕に渡した。
 二人は部屋を出て地下へと向かった。
 そして「この先は力は使うな」と言い含められた。
  地下へと進むエレベーター
 威圧感が下から上がってくる気がした。
 この感じはイグドラシルと似ている。
 僕は緊張した。
「キース…まさかここは。この下には…」
「マザーのサブシステムがある。ここペセトラはまだマザーの意思が残っている唯一の場所だ。ここは壊されなかった。だが、もう何も出来ない」
「それでも…」
 威圧感と緊張感で押さえつけられている感覚があった。
「苦しいか?」
「…ええ…」
「俺の後から知りたい事だけを質問すればいい」
 地下には、上の基地よりも大きな施設があった。
 キースの後について長い廊下を行くと別に他と変わりがない部屋に着いた。
 一つ部屋をおいたその先にマザーがいた。
「マザー。お久しぶりです。キース・アニアンです」
「久しぶりですね。キース」
 機械が返事をしてくる。
 その声と共にキースと僕の下に大きなマザーの瞳が現れた。
「今日は地球の再演か?」
「いいえ、マザー。彼はあなたに質問があるのです」
「我にミュウが聞きたい事があると?」
 キースの斜め後ろに立つジョミーが下ではなく正面のパネルを見据えて言う。
「グランドマザー、教えて欲しい。ミュウの起源の本当の意味を」
「それは、テラの保管分野であり、我は知らぬ」
「いいえ。地球の貴女の中にも有った。知っているはずだ。鍵が見つからないのです。教えて下さい」
「鍵?鍵ならばお前の中にもある」
 床から電磁波がジョミーを襲う。
「あうっ」
 あちこちが焦げて燻っていた。
 ジョミーは床に手をつき、真下の瞳を睨む。
「マザー!攻撃はやめて下さい。何もしないと言ったではないですか?」
「攻撃ではない。その者が記憶している部分を刺激した。忘れているブルー記憶から答えが見つかるであろう」
「ブルーの記憶?僕が見たあの…記憶…そこに答えが…?」
 そう言うと、走馬灯のように記憶の奔流が始まった。
 それは自分の意思と関係なく動き出した。
 やがて、不可を感じてサイオンが警告を身体の周りでスパークが起きた。
(このままではいけない)
 サイオンを察知して警報が鳴り始める。
「ジョミー。ダメだ。ここでは!」
 真下のマザーはただ見つめている。
 恐ろしいほどの威圧感がそこにはあった。
「このっ…機械め…!」
 サイオンを抑えるジョミー。
「キース…早くここから出ないと僕は記憶が定まらない…君の意思を頼りに跳ぶ。場所は任せる…僕を支えていてくれないか…」
「わかった」
 答えを聞き、安心したようにジョミーは瞬時に跳んだ。
 跳んだ先は、空港にあるジョミーのシャトルだった。
「ここなら、大丈夫だ。ありがとう」
 シャトルはジョミーのサイオンシールドを機械が補佐してくれる。
 ジョミーはここでまる一日寝込む事になった。

  シャトルのジョミーの部屋
 会議初日を終えたキースがやって来る。
「今回の事はマザーから俺に言ってきたことだ。ペセトラに連れて来いと言われていた。お前を殺す気でいるのではなく、教えたい事があると言われた。こんな事になるとは…すまなかった」
「だから飲んでから来た訳だ」
「…それで、何かわかったか?」
「ううん。まだ混沌としていて…探せない。でも、キース…僕はもう探りたくないんだ…」
「答えがそこにあるのにか?」
「だって、キース…。ブルーの記憶は辛過ぎる…」
 泣き腫らしたような目でジョミーが訴えてくる。
 キースにもブルーの記憶が辛く哀しいものだろうと想像が出来た。
「ジョミー。記憶を体感するように見たら、きっとお前がもたない。本やデータを見るように出来ないか?」
「わからない。やった事がない…」
「やるしかないだろう」
 ジョミーはまた高熱にうなされるように眠ってしまった。
「…いやだ…」
 と目に涙を浮かべるジョミーの涙をやさしくすくうキースだった。
 だが、その目は虚空を睨み続けていた。

 その日は、シャトルに残ったキースが操縦席で明日の調整をしてジョミーの部屋に戻ると、ベッドにジョミーが座っていた。


  I guard you 1(後編)へつづく




『君がいる幸せ』 四章「心のままに」四話 「道なき道へ」三(全三話)

2011-11-27 03:00:18 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)四話

   Epilogue Bridge「道なき道へ」三(全三話)
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!

  Metis Bilrost
 改築中のビルレストの玄関口から地下へ降り、格納庫へ向かった。
 そこには垂直上昇も出来る小型のシャトルがあった。
 地下の格納庫から中庭を開放して発進する事や、宇宙港のドッグへの移動も出来るようになっていた。
「これを使ってくれ」
「これを?僕が?」
「さっき能力は使うなと言った。それではお前は動けない」
 あぁ、そういう事か。
「空を飛んだりしてはいけないと言う事だね」
「外宇宙へも行けるだけの推進力もある。これならある程度の惑星間も行けるだろう」
「中を見ていい?僕は小型艇しか飛ばせられないんだ」
 ジョミーはシャトルに乗り込んだ。
 やがて戻ってくると、
「ステルスデバイスを付けたい」と言った。
「お前の自由にしたらいい」
 僕は早速、ミュウの技術屋のおやえさんを呼んだ。シャトルを僕一人でも操縦出来るようにとミュウの能力の補助を入れ外部からの操作・追尾装置・ステルス機能を搭載させた。
 そして、僕は人類の武器が扱えるように訓練を受けた。
 僕は普段は右利きだったせいか、ミュウの力では左を使うのが多かった。なので銃は左右どちらでも使えるように訓練した。
 銃だけでなく剣などの武器の訓練も受けた。
 それと同じように身体を使う戦闘も習った。
 その他、人類が使うネットワーク用の端末も扱えるようになった。
 もともと人類の船を改造して作られたシャングリラで暮らしていたのだからそう違いはないだろうと思っていたが、一度枝分かれするとここまで違ってしまうのかと思える程違っていた。
 人類が機械に頼り過ぎだと子供の頃に思った事があったが、ミュウも能力に頼り過ぎている事がはっきりわかった。
 この二種は違いが有り過ぎる。
 僕らの能力はその架け橋になれるはずなのに…僕達はその方法が未だ見出せないでいた。
 そして、やがて一ヶ月が過ぎ、ビルレストの改修が終わる頃には、シャトルも訓練飛行に入った。
 キースは車椅子を使わなくなり、僕は彼の部下達と普通に話が出来るようになった。

 キースが完全復帰をする事となった時、僕に新しい名前(コードネーム)が付いた。
「ジュピター」
 人類の圏内であればどこであっても、その統治権を使える資格と軍部への指示すら出来るという高位で特別なものだった。
「それくらいは必要だろう?」
 これは今のキースの持つ権限より高かった。
 こんな物をよく了承させたなと彼の手腕の高さに僕は彼への認識を変えなくてはならなかった。
 だが、彼はこの後、二年余りでまた人類の全権を掌握するのだからあれも当然なものだったのかもしれない。
 やがて、再び、活動を始めたキースについて惑星を回る外交に行く時は髪を栗色に瞳を青にする事にしていた。
 僕はキースを中心にしてサーチしてシールドを貼っているので彼にぴったり張り付く必要はなかったから、その為、変装する事にあまり意味はなかったが、子供のような容姿の僕ではと少し気になってはいた。僕は自分の年齢を少しづつ上げてゆく事にした。
 キースは僕に能力を封印するようにと言ったが、それは出来るだけ僕が「ソルジャー・シン」だと知られないようにと言う意味だった。
 そして、人類が探し続ける最後のメギドは見つからず、不穏な空気を残したまま、一年が過ぎようとしていた時、惑星ネメシスである事件が起きた。

「ミュウがいる」
 僕は集まった群集の中にミュウがいる事に気が付いた。
 キースのカリスマ性はまだ人類の中から消えておらずどこに行っても人が集まる。
 その中にまだ未分化、覚醒前のミュウがいるのだ。
 僕は物理・サイオンシールドのレベルを上げて、僕付きの部下にその場を任せてサーチを開始した。
 スウェナの娘、レティシアを思わせるような幼い少女がミュウだった。
 未分化とは、能力が覚醒していないというだけで能力が低いというわけではない。
 知らずに使って危険な状態になってしまうよく場合もある。
 早速、彼女のIDを検索する。
 郊外で両親と暮らす十歳の少女。今ここで、彼女を確保するのならば、彼女は家族と別れる事となる。僕らは迷ってしまった。
 だが、僕が見つけたのなら彼女は確実にミュウになる。
 ミュウと人類の共生する施設や都市の計画をもっと早められないだろうか。と僕はキースとトォニィに進言した。
 「まだ早い」と二人は反対だった。
 だが、大戦からもう二年以上経つ。
 大戦後、人類の中で目覚めてしまったミュウは木星のシャングリラへと集められて来ていたが、それを全員収容しきれるものでもなくミュウ化しない者たちは帰されていたが、一度ミュウだと言われてしまった者が苦労している現実もあった。
 キースは共生都市を作ってもそこへ行く者は全てがミュウと見てしまう所がある。とその危険性を言ったが、しかし、現実としては作らなければならない危うさがあった。
 そして話が進まぬまま、僕たちは彼女の住む地域の管理センターに特に注意をするようにとだけ伝えネメシスを後にした。
 その一週間後、彼女は覚醒した。
 彼女は自分の能力への恐怖から、それを止めようとした両親に怪我を負わせた為、病院から収容施設へと送られてしまった。
 感受性の強い子だったので、その精神的ショックから動けない状態まで陥った。
 僕は何とかネメシスの大きな病院まで移送させたが、ミュウの治療はやはりシャングリラでないと完全には無理だった。
 だが、ネメシスから木星までは遠い。
 僕はネメシス、ペセトラ、アルテメシアにいるミュウを集めて彼女を助けるようにと指示を出した。
 仲間達のおかげで彼女は助かり、ミュウとして暮らす事となった。
 十才の少女が両親を怪我をさせてしまった事を忘れないでやってゆくという。
 そんな彼女の強さに後押しされる形で、僕は共生都市計画を押し進めることにした。
 たとえミュウのレッテルを貼られても生き抜ける強さ。
 それには仲間の協力がいる。

 人類にまだ受け入れる意識が生まれないなら、もうこちらから動くしかない。
 それが明日を開くと信じて僕達は進む事を決めて動き出した。
 そして僕の持つ権限を最大限に行使しし、各地に共生都市や共生施設が作られていった。
 それに合わせるようにしてミュウの惑星メサイアへの移住も決定した。
 ゆっくりと、でも確実に、ミュウと人類は道標なき道へ進む時が訪れた。




     道なき道へ 終



『君がいる幸せ』 四章「心のままに」三話 「道なき道へ」二(全三話)

2011-11-25 02:36:43 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)三話

   Epilogue Bridge 「道なき道へ」二(全三話) 
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!

 ドアを開けて部屋に入ると、大きな机の向こうにキースがいた。
 もちろんまだ車椅子だったが階級章の付いた軍服をきちんと着ていた。
 そして「完全復帰はまだなんだがな」と言った。
 それは僕が軟禁拘束されたままなのを、何とかする為にそうしたということなのだろうか…。
「お前の申し出だが、こちらの心臓部にあたる軍にお前を所属させるわけにはいかない。だが、俺の警護をするだけならという事になった」
「…え…」
 にわかには信じられなかった。
 これは僕にとっても本当に意外な回答だった。
 まさか人類が受け入れるとは思っていなかった。
「二週間もサイオンを一度も使ってないのには、正直俺もびっくりした。一度でも少しでも使ったら追い出すつもりだった」
「……」
「俺の警護だけとは言ってもここは軍隊だ。お前の事を知っている者、いや、恨んでる者も 多いだろう。そんな中でいいのか?」
「ああ。覚悟はしている」
「聞くまでもないか…。それで知っておきたいのは、お前の能力だ。こちらのデータではこれだが、どうなっている?」
 宙に浮く電子パネルのデータをこちらに向けた。
「これは…地球へ降りる前ので、今は、僕でもよくわからない。ソルジャーのタイプブルーの力は実戦経験で上がるから、マザーを倒した今の僕は自分でも測れない…」
「そうか、では。自分の推測でいい。具体的に聞くが、ここからどこまで飛べる?」
「普通の状態で直線で上に飛ぶなら五千メーターくらい、空間移動、ワープをするなら、火星くらいまでなら…行けると思う」
「前に、星を破壊出来るか?と聞いたが、この木星クラスのは壊せるのか?」
「壊す事も、自転を止める事も出来る。星の性質にもよるけど木星タイプなら連続で三個は壊せると思う」
「データは紙くずだな…」とキースが失笑した。
「サーチ能力があると聞いたが、どこまで見えている?」
「広げれられるだけ拡げると、ここメティスはカバーできる。一点集中で視ると、火星までかな?見れないと跳べない」
「防御能力は?」
「シールドの範囲はサーチと同じくらいだと思う。攻撃された時に使うから、どこまでの硬さとは言えない」
「時間も止められるな」
「ある程度の物質なら止めれる。もしくは、自分が時間より早く動ける」
「では、試しにここでシールドを使ってもらっていいか?」
「え…ここで?」
 それは簡単に見てみたいという感じではなかった。
 慎重に周りを見るジョミー。
 意図が読めない。
 キースの目の色に変化があっただけだ。
(この男は、ミュウの扱いに長けているんだったな…)
「わかった…」
 ジョミーはシールドを展開させた。
「メティス全体まで広げられるか?」
「ああ、やってみる」
 ジョミーから青いオーラが出る。
 キースの机にあるもう一つのパネルに、サイオンを感知したという表示が拡がってゆく。
 外の警報が鳴ったが、この部屋には誰も来なかった。
 彼が止めている…。
 僕になにをさせる気なんだ…と思った瞬間。
 直上に衛星兵器がありここを狙っている事にジョミーは気付いた。
「!」
 ジョミーは、基地上空に跳んだ。
 基地(ここ)を中心にしてメティス全体を覆うようにシールドを広げた。
 その直後、衛星からのレーザーが放たれる。
 メティスのドームの外で青い稲光が何本も走る。
 衛星都市メティス全体が大きく揺れた。
「……」
 攻撃用衛星が移動してゆく、二発目は撃ってこなかった。
 ゆっくりとジョミーが基地に向かって降りて来る。
 基地の屋上で衛星を見送っていたジョミーに、上に上がってきたキースが声をかけた。
「守れたな」
「キース。君は。メティスを木星に落とす気か!?どういうつもりだったんだ」
「その力を、これからは人間の為にも使いたいからここに来たのだろう?」
「…キース」
 ジョミーはキースを睨む。
「もし、僕がシャングリラだけを守ったら、どうするつもりだった…?」
「その時は、死ぬだけだな。だが、お前はそうしないと思っていた」
「……」
 とてつもなく大きな賭けに負けた気がした。
 …そう思っても、彼を守るのが今の僕の生きる道だ。

「キース、僕の後ろに」
 とジョミーはシールドを貼りなおした。
「……」
「ああいう事は…先に言っておいてくれないと」
 ジョミーが言った時、上から光の玉が落ちてきた。
 シールドをキースの回りに保持しシールドを抜けて光の玉を相殺するジョミー。
「さっきのは何?」
 降りてくる声。
「誤作動みたいだよ」
「ふーん」
「トォニィ。僕が何をしても黙っていると約束したよね」
 ジョミーは語気を強めた。
「今日は帰る…」
 下にいるキースをひと睨みし、その服、似合わないよと言い残してトォニィが戻って行った。
「衛星より危ないかもしれない」
 ジョミーがため息まじりに言った。
 トォニィが去った後、キースが僕にある提案をしてきた。
 それは、ミュウの力を封印した状態でいてくれないか?というものだった。
 そしてキースは僕を改築中の古い建物へ案内をした。
「ここは俺が住む予定になっている所だ。ここにお前の部屋も作るといい。左右シンメトリーになっている。右半分を好きに改造しろ。ここには俺の部下も常駐する。彼らは優秀な部下達だ。俺と同じようにお前の言う事にも従うだろう。そう訓練されている」
 そう、ここがそれから二年あまり暮らす事となる。
 衛星都市メティスの「ビルレスト」だった。



  続く



 

『君がいる幸せ』 四章「心のままに」二話 「道なき道へ」一(全三話)

2011-11-23 01:54:59 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む衛星都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」二話(短編集)

   Epilogue Bridge「道なき道へ」一(全三話)
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!

 大戦終結から約一年半。
 僕は、イグドラシルから戻って半年近く、自由に動ける状態ではなかった。
 その復帰から一年が過ぎようとしていた。
「僕がシャングリラを降りよう」
「人類の中へ行って、もっとちゃんと皆が生きていけるように話を進ませる。時間はかかるかもしれないが、暫く我慢をしていて欲しい」
 ミュウの元を離れて人類の中で暮らす事にした僕は、人類の代表であるキースをたずねた。
 彼と会うのは地球で救出された人類の船以来だった。
 あの時、僕は上昇中の船で意識を取り戻したが、キースはまだ昏睡状態で彼の部下のセルジュが必死に声をかけていた。
(キース。キース・アニアン)
 僕はテレパシーを送った。
 すると彼はうっすらと目を開けた。
 探すように目が動く、僕を見つけるとこう言った。
「ありがとう」
 その声は小さくてはっきりと聞こえなかったが、確かにそう言った。
 その後はキースは人類の医療船へ移動をし、僕は迎えに来たシャングリラへと移った。
 ミュウである僕の方が怪我の治りが早いのは当然だった。
 彼は、大戦からまだ一年半では、彼の怪我は完治しておらず車椅子の生活をしていた。
 そんな状態でも様々な問題の対応をしていた。あれだけの怪我をしたのにここまで回復しているのが正直驚きだった。
 その頃のキースは主席を辞めていたが、軍部には休暇となっていた。
 それでも、彼が軍事の中心である事に変わりは無かった。
 彼はまだ太陽系の木星に居た。
 何故木星なのかと言うと、我々ミュウがここに居るから、離れられなかったのだと思う。

 船を降りた僕は病院にいるキースを訪ねた。
 そして「僕の身柄を君に預けたい」と申し出た。
 キースはその真意が全く測れないでいるようだった。
「戦後、間もないと言うのに、戦って勝った方の大将を、負けた方が預かるなど聞いた事がない」
「ここに来るまで僕は三度検査をされた。それこそ身体中くまなく。だけど、外の警備が何も意味を成さない事も、たとえ僕が何も着ていなくて、ここに裸で来たとしても、僕は君を殺せる」
「それはわかっている」
「それでも、君は僕を拘束せず、ここに入れてくれた」
「負けたのはこちらだからな」
「戦争の勝敗なんて、関係ない。僕に君を守らせてもらえないだろうか?」
「…ソルジャーであるお前が、カナリアと暮らしだしたフィシスのようにミュウから離れて生きると言うのか?」
 人類側は、こんな馬鹿な提案を受ける事はないだろう。
 僕はキースを守る為にと言ったが、それは口実でしかない。
 マザーの意思を伝えたあの発言からキースが一部の人間やミュウから恨まれ命を狙われているのは誰でも知っている事だったのだが、僕が彼を守る必要はなかった。
「僕はカナリアの所に行く気はない。君の下に置いてくれればいい」
「何の為にそうする?」
「何の為…。先に進む為かな?シャングリラを降りてしまったから行く所が無いんだ」
「船を降りて来た…のか?」
 戦後でごたついているのはわかるが、自分達の大将を降ろすなんて、ミュウは一体何を考えているんだ。
 それともこれは…。
「キース、それは違う…。僕の行動は、ミュウの意思ではない。僕が船を降りる事を皆は認めてはいない。だけど、もう皆は僕無しで生きないといけない。そしてそれは僕にも言える」
「疲れたと言うのか?」
「いいや、違う。そうだな…生きていく方向が違ってしまった…と言うのが合っているのかもしれない」
「俺がお前の身柄を預かったら、ミュウからは反発が起きると思うが…」
「それはない。君を敵と思っているのはまだいるけれど、僕がここに来たのは、僕の意思であるのは皆には伝えてある。これは僕の独断なんだ」
「…考えさせてもらえないか」
「では、その答えが出るまで、ここに居させてくれないかな?本当に行く所が無いんだ。その間、僕を拘束していいから…。動けないように縛り付けても、薬で眠らせてもいい。僕がそうしても良いというのだから…一つも遠慮する事はない」
「それはいつでも逃げれるという自信からか?」
「信じてもらえるなら何でもするって事だ…」
「信じる?それはないな」
「なら…君たちの気が済むなら…いや…今、この時点から、僕の命を君に預ける。好きにすればいい」
「何がお前をそうさせる?」
「先に進む為に」
「…了解した」

 僕はメティスの病院から軍事施設へと移送された。
 動けないような拘束はされていないが、警備の兵士がぴったりと張り付いていた。
 そして二週間近く、その施設にいる事となった。
 対ミュウのシールドがしてあるので、外の事は何一つわからないままだった。
 残念だが、普通のミュウなら無理だろうが、僕には簡単に破れるような物だった。
 多分、これはきっと、破って逃げていいって事なんだ…。
 僕の意思は彼らには、伝わらないのか?
 僕は事を急ぎすぎているのだろうか?
 だけど、時間はもうあまりない。
 僕は見たいんだ。
 ミュウと人類が幸せに暮らしている未来が。
 無謀な挑戦だったのだろうか?
 本当に拘束され眠らされてしまったら、何も出来ずに殺されてしまうかもしれない。
 たとえキースにその意思がなくても、殺してしまえばいいと思う事や、そう思う者もいるだろう。
 今は、彼を信じ、そして、自分を信じるしかなかった。
 そして二週間が過ぎた。
 キースの直属の部下が来て部屋から出る事になった。
 まずはシャワーを浴びてと言われて浴びて出て来ると、ずっとソルジャー服だった僕に、こちらで用意したスーツに着替えてもらえませんか?と言ってきた。
「この服は、ミュウの能力を抑える意味と攻撃も防ぐので、全部替えれません。インナーだけこのままでもいいですか?」と言うと、
「それでは洗ってきますから、少々待っててください」と言った。
 思ったより気さくな感じの男は服を持って出て行った。
 そういえばずっと着たきりだったなと、ガウンを着て、用意されたスーツを合わせてみる。
 サイズは合っているようだ。
「……」
 もちろんここにも対ミュウシールドがある。
「こんな物が無い世界…」
 人類へと組み込まれる事になったミュウは人と暮らす事を望んだ者から順に登録をして、少しずつ病院等の公共施設が使えるようになっていた。だが、さすがに軍事施設はまだだった。
「問題は山ほど、わだかまりも消えてはいないか…」
 キースは僕をどうするつもりなのだろうか?
 しばらくすると、さっきの男が僕の服を持ってきた。
 僕は、ちょっと丈の長めな黒のスーツに着替えた。
 渡されたスーツケースに、洗濯が終わったソルジャー服をしまうと、空気が違って感じられた。
 そして、ある部屋の前に来ると男はこう言った。
「キース・アニアン総監が本日付けで復帰されたましたので、会っていただきます」
「あなたはこれから総監の指示に従ってもらいます」



  続く






月イチ雑記2011.11「やはり一度日記を挟むべきかと…」

2011-11-21 03:27:56 | 月イチ雑記「青い星」
二次元・妄想小説も早半年。
言いたい事の殆どを三章「星の祈り」に入れてしまったので、後は最終章を残すのみとなってしまいました。
でも、まだ省いてしまった所やこれは話がズレ過ぎで。と入れれなかった所とかがあります。
それを残して完結すると後で不完全燃焼となってしまう恐れが…;
でこぼこになりますが、、。
四章はバラバラの短編の集まりとなってゆくと思います。
年代も飛びますので、よろしくです。
しかし、四章を始めてしまう前に日記を入れるつもりが、さくっとupさせてしまった。

では日記です。
先日、聖地東京に行ってまいりました。
行く四日前から熱を出して寝込んでいて、会う約束をした東京の友人も先週、寝込んでいたので、直前まで会えるかどうかが決まらなかったです><;
でも何とか短い時間でした会う事ができました。
彼女は私のBL師匠であり・同志です。
ですが、「地球へ」では萌えないと言ってこの小説もBLのとこだけ読むわ。
と、「一刀両断」してくれました><。

ちょっとした(笑)話を、少し。
これは、その師匠との昨年東京で会った時の事であう。
私と友人は混雑したホテルのチェックインに手間取り、その間彼女(師匠)はロビーの椅子で待っていてくれました。
やっとキーをもらい、先ずは部屋に荷物を置きに行こうとして、もうこれ以上ロビーで待たせるのも悪いと思ったので…。
「部屋に来る?」と椅子に座る彼女に声をかけたら、こちらを見たまま。
「…………。」
と微妙な空気と絶妙な間がありました。
その後、二人ロビーで吹きだしていました。
マジ笑えた。
先日、「何故笑えたんだろうねぇ」と聞いた所、師匠は私のあの一言で頭の中を妄想がぐるぐるぐるぐる~していたそうす。^^;、
「あの空気はあんたから出たものか」と思いました。
あれは、東京での最高のお土産となりました。

なんとなく上記でわかるように、彼女は主にBL好きで、私はアニメ好き。
共通する所は声優が好きだと言う所です。
実写映画のツボる所が同じだったりもしますが、全然タイプが違う二人が仲良くなれたのも
声フェチなおかげ。
いつか彼女にOKを出してもらえるように頑張ります。
とはいえ、彼女は甘々が好きとの事なので、そういうのも書けるといいな。とは思うのですが、、甘々って照れませんか?
だけど、最近はジョミーがすっかりツンデレみたいになってしまってますね;
(しかも、バカ呼ばわりされてるし)
どうしてこんな風に育ってしまった…のか…;
砂吐くようなのを書くと次は痛めつけたくなってしまい…(←オイ)
多分…裏ページでないと置けないようなを書いてしまいました。
でも、出来たら優しい系のジョミーの女性歴も挑戦してみたいと思っています。
※カテゴリーから入る裏ページ作成もしてゆくと思います。
ですので、まだしばらくお付き合いをお願いします。
★真城灯火★