君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

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『君がいる幸せ』 四章「心のままに」二十話 「jealousy」(追記)

2011-12-30 01:43:36 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
軍事基地ペセトラ 人類の軍事拠点 戦後十二人の代表で議会制になる 
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)二十話

   Epilogue Bridge「jealousy」(追記)  

 二人で暖炉の火を見ていると急にキースが言い出した。
「お前、前に好きになった人数と関係した回数が同じくらいだと言ったな」
「い…言ったけど…」
 ムードぶち壊しじゃん…と思いつつ答えるジョミー。
「…あの…彼らは回数に入ってない…よ」
 入っていたら回数が跳ね上がる…。
「あぁ、入ってないと思ったが、それを聞いたんじゃない」
「何?」
「俺とはメサイアとゼウスで二度だ」
「…そうだけど…」
「お前、いつも、この時だけと思っていただろう?」
「え?」
「他のとは一人で一度だけなら、俺ともこれっきりと思っていたんじゃないか?」
「そ、そこまで思っていないけど、そういう部分はあったかもしれない…」
「関係を継続させた事はないのか?」
「ん…しなかった。させれなかった」
「やはりな…。忙しくても会おうとしていたメティスにいた時の方が、こうなってからより会っていたな。…これからは継続させる関係を持たないか?」
「…どうやって?」
「ジュピターの仕事に戻るのはもう出来ないが、ペセトラかノアにお前の拠点を作ればいい。それで…」
「?」
「……」
 とキースは急に黙ってしまった。
「言いにくいな…」
「キース」
「………」
「そこは、傍に居て欲しい。一緒に暮らさないか?であってるかな?」
「ああ…どうだ?」
「僕の拠点を作るのはいいけど…」
「俺はお前の居る場所を作りたい」
「……キース」
「俺はお前を手を離す気はないと言っただろう」
「僕は僕でする事もしたい事もある。だから、君と居る時間は少ないかもしれない…それでもいいなら」
「それはお前の本心だな?」
「…うん」
「俺はブルーからお前を託された」
 ジョミーは思いがけないキースの言葉に驚いた。
「今、何て…」
 ジョミーの表情が変わる。
「ペセトラのマザーに会わせて動けなくなった事があっただろう。あの時、お前は昔、シロエになったみたいにブルーになったんだ」
「…信じられない…」
 イグドラシルでシロエは急に現れた。
 あれは僕でもマザーの力でもなかった。
 なら、あれは、ブルーが……?
 わからない…。
 まだ何かあるのか?
 でもあれは人の思いの塊だ。
 だったら、ブルーも何か伝えたくて来たはず…。
「…ブルーはなんて言ってた?」
「俺に殺された後はどうなったか?と聞いてきた」
「どう答えた?」
「お前がミュウを地球へ導いたと」
「……」
「喜んでいた」
「…そう…良かった…」
 そう言って黙ってしまったジョミーをしばらくキースは見つめた。
「ブルーは俺にこう言った。起源の謎が解けた時、お前をマザーに掠め取られると。起源の謎は見つかったか?その答えを教えて欲しい」
「今それを口に出すと、今にも時間が溶けて動き出しそうで…。まだ言えない。だけど、君には知っていて欲しいと思えるよ」
 キースはブルーも凍った時間が溶けると言ったなと思った。
「いつか、教えてくれるか?」
「ああ」
「お前の声で、言葉で聞かせてくれ」
 その時間はあるのか?とキース思った。
「必ず。君には、必ず…言う…約束する」
 あるよ。とジョミーは答えた。
「本当は…今言うべきなのかもしれない。だけど、僕は今はこう言いたい。僕にいつも居場所をくれてありがとう」
 僕は君がそうして繋ぎとめようとしてくれるからここに居られる。
 ここに居てもいいと思える。
 だから、僕は…。
 前を向いて歩こうと思えるんだ。
「俺はお前の傍にいていいのか?こんな俺でも、もう何も出来ない俺でも…」
「僕が何も出来ないと言うと、いつも君は出来る事はある。と言ってたね」

 運命というモノがあるならそれを壊すだけの力が欲しい。
 今すぐに。
 ブルーはそれを俺に託した。
 俺達にまだ時間はあるのか?
 だから、俺は…。
 暖炉の前で眠ってしまったジョミーを見つめ、
「俺は負けない」
 とキースはつぶやいた。



    jealousy 追記 終 





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