君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

閑話 『七夕』

2017-07-08 02:31:05 | 『君がいる幸せ』 limitato etemita編二章
☆月イチ雑記のかわりに。
「小説」は日記と違って、
一回別の所で書いたものをコピーして持ってきています。

今日は、いきなり書いてみようと思います。
気分は ほろよいなので、ハチャメチャになっていたら、ごめんなさい。


  閑話  『七夕』


 前に聞いた事がある。七夕は恋人が一年に一度会うのを許された日だと。

「そんなロマンチックな日なんだ」
と僕が言うとキースはこう答えた。
「じゃあ、俺たちは年に一回会えない日を作ろうか?」と。
あの頃はいつも一緒だった。
あの頃、僕はジュピターと呼ばれていた。

キースの傍らにいて彼を守るのが仕事だったのだから、一緒なのは仕方がない。
「一日、時間をずらして、無事に済んだ日をもう一回繰り返すならいいよ」
と、僕は提案した。
キースはそれを本気にしなかった。
もちろん、そんな事が出来る筈もなく、ただ言ってみただけだった。

地球再生という時間に波に流された先で僕は時間を捕まえる力を授かった。
その力は、そう難しいものでもなかった。
ワープ航法が発見されたこの世界では理論的は無理なことではなかったのだが、
人間の脳ではその演算が処理できないものだった。
ミュウが生まれ、時間跳躍が人の身体を使って出来るようになった。
それを応用すれば、簡単だった。
だが、それをする事の影響は計り知れなかった。
1つ1つ改変してゆく事は出来なかった。

やがて時間跳躍はブルーだけのものとなった。
ブルーはそれを僕には教えなかった。
いつか時間の果てで訪れる別れを知っていたからだろうか…。
今、僕も同じことをしている。
真実を告げずにここにいる。


 見知らぬ船

「お前は時間を跳べるのか?」
キースに良く似た男が僕に聞いてきた。
「跳べると答えて欲しいなら、出来ると答える」
「それは出来ないって意味か?」
言い回しまで彼に似ているこの男。
この男が僕は嫌いだった。
「どっちとも言えないからね」
「どういう意味だ」
「もし僕が時間を自由に跳ぶ事が出来ても、何も変わらないからね」
「そんな事はない」
男が怒りだした。
彼はとても感情の起伏が激しかった。
気に入った事を言ったりするととても優しく。
何もしていないのに、殴られる事もあった。
僕は彼を心の中で「エラー」と呼んでいた。

「願いがある」
「願い?」
男は僕の肩に手を置き、テレパシーを送ってきた。
この慣れた感じもそっくりだった。
「俺をキースだと認めてくれないか?」
「君をキース本人だと言えって事?」
「ああ、そうだ」
覗き込むように、不遜な顔をする。そんな所も似ていた。
僕は気分が悪くなった。
「そんな事をしたら、君は殺されるよ」
「お前が殺される前に助ければいい。お前はジュピターだったんだろ?」
「その権限はもう無い」
「権限なんて必要ないさ。ただ守ればいい」
「何のために?」
「俺の為にだ」
この会話が成り立つと思えない。話もしたくないと思い始めた時、抱き寄せられキスをされた。
このまがい者は、どこで仕込まれたか、セックスは上手かった。

僕を上手く使えていると思っているんだろう。
これも僕がそう思わせていると最初は思っていた。
だが、だんだん身体が慣らされていくのがわかる。
快感に溺れてゆくのを感じていた。
これを教えたのが、セドルなのだとしたら、僕は彼に本気だったと言う事だ。

キースが惑星メサイアで殺されたと教えられ、その犯人が僕だと報道されたと聞いた時、
あっさりとメサイアを脱出出来た事を、疑えば良かったと思った。
どこかで、トォニィを信じつつ、守れなかった事を後悔した。

僕はどこを間違えたのか?

「ジョミー」
しっとりと汗ばむ体でキースに似た男は、僕でその渇きを満たそうとしている。



「ああ、キース」

僕も願いがある。

今、会いたい。

「ねぇ、このまま、会えなくても良いから、今、一度会いたいんだ」






 閑話 終わり