君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

☆ご案内☆

☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

月イチ雑記「問題発生」

2013-04-25 03:26:00 | 月イチ雑記「青い星」
☆最近、新規投稿をしていなくてすみません><
実は、gooのセキュリティー強化でロックされていて、パスワード変更をしたところ、どこをどう間違えたのかログインが出来なくなっていました;

もう二度とここに入れなくなるんじゃないかと、焦っていました。

でも、ここだけで書いてる怖さも感じましたので、、前みたいにPCが壊れても「小説家になろう」に残っていたから、続きが書けた。今度も外部に残すようにします。
一応「さくらまき」で携帯に残してるけど、やっぱ、PCが良いな。
前からどこかに持っていくのは考えてたのですが、流石に150編にもなってるのを移動させるのが面倒で保留してました。
今のがラストまで書き上げれたら、移動させる為に、修正とかをします。
しかし、本当に、入れて良かった。。。。
そして、書けなくなる怖さも感じました。
これからは気合を入れて書きます。
今の時点で、書いてある分は残り3話分です…。
移動(外部保管)させるのが決まったらこことリンクさせておきます。
また何かあった場合(あって欲しくないけど)「小説家になろう」にも居ますので、そちらにも書いておくようにします。

何が起きるかわからないですね><。
もう少し待って下さい。
今はほっとして気が緩んでます^^;
最後に、最近、ちょっと運が悪かったので、いろいろ自重しないといけなんだなと思ってます。



『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十五話

2013-04-15 01:30:51 | 『君がいる幸せ』 Missing-link編
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任
ソルジャーズのブルー 人類が作ったブルーのクローン(タイプブルー)
      ジョミー 本当はジョミーはクローンではない(タイプイエロー)

   『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十五話

 ジョミーは暫く笑った後で、
「もう君の答えを聞かなくてもわかるような気がするよ。答えは出たかい?」と聞いた。
「はい」
 ブルーはジョミーを見て明るく答えた。
「僕を殺せる人間は、力のバランスを考えたら、ソルジャー・トォニィが相応しいと思う。だけど、僕は、僕が死ぬ時に最後に見たいのは彼じゃない。だから…」
 と、少し言い淀んだ。
「わかるよ…その気持ち…」ジョミーが同意をする。
「…僕は…ジョミーがいい」
「それは…」
 どっちの?と言いかけるジョミー。
 それをにっこりと笑って受け止めたブルーが言う。
「二人のジョミー」
「あっは。それは…」
 ジョミーがブルーの顔を見たまま笑い出す。
「ブルー。それって、とっても、君らしいね」
 笑うジョミーを見つめ、真剣な眼差しを浮かべたブルーが聞く。
「ジョミー。僕はあなたをずっと探し求めるように出来ている。そうなんですよね?」
「そうだよ、でもそれは、僕が、そう彼(ソルジャー・ブルー)の中にそう刻み込んだからね…」
「だから、僕は彼と同じようにあるべきだと望んでしまったんだ。それが、僕らをタイプブルーの運命へと進む事になったと、それは、ジョミー。あなたが言うように『悲劇』だと思うんだ。でも、それをあいつに、ジョミーに言ったら「僕はそうは思わない。これは悲劇なんかじゃない。僕たちの、ただの運命だ」と答えたんだ」
「タイプブルーのそんな力を持ってしまった者の『運命』はあるが、それを『悲劇』だとは思わないと、彼は言うんだね」
「運命も何も超えてゆこうって、この力はそんな、悲劇を呼ぶものじゃないって、これは『幸運』なんだって。僕たちには僕らでしか出来ない何かがあるはずだと言うんだ」
 そんなブルーのまっすぐな視線を受け止めジョミーは答えた。
「二人は、それを求めて生きると言うんだね」
「だから、彼を選んだそれでは…いけませんか?」
「ううん。わかったよ。彼は強いな。彼なら任せられるかもしれないな。いい?ブルー。知っていて欲しい。僕やトォニィが言う何か起きるような状態はきっと起きない。殺せる相手を決めるなんて事は、僕たちタイプブルーとしての覚悟を言うだけのものなんだ。君に何かを出来る者はいない。君は誰かに心を操られるような事は無い」
「ジョミー、あなたになら…」
「僕に?それはありえないよ。それとね、ブルー。自分を殺す相手に選ぶという事は、自分をそれほどまでに信頼する人間を殺すという十字架を相手に背負わせる事になる」
「…あ…」
「残すつらさ。残されるつらさ。そこには何があれば良いと思う?」
「わからないな…」
「考えてみて」
 ジョミーはにっこりと笑った。
「でも、それでも、僕になにか起きたら、二人で殺して欲しい。それなら、僕も、あいつもきっと辛くないし…」言葉に詰まるブルーだった。
「わかったよ。さっきの問は…次までの課題にしておこうね…」
 と、ジョミーは笑った。
「ジョミー」
 つられるようにブルーも笑う。
「しかし、ずいぶん我ままな願いだね。二人で殺してなんて、本当に君らしい」
「違うよ。ジョミー。僕だからじゃない。これはきっと本体も…ソルジャー・ブルーも同じ事を聞かれてたら、そう言うと思う…」
「ソルジャー・ブルーも?…確かにそうかもしれないね」
 ジョミーが思い出したように少し考えながらこう言った。
「ねぇ、ブルー。もう一つ聞いていいかい?あの時、どうして「僕を忘れろ」と言ったの?」
 ブルーがハッとしたようになり、顔を逸らした。
 そして、小さく息を吸うと再び顔を上げた。
 ゆっくりと、ジョミーを見つめた。

「僕はジョミー、君を望むんだ…」
 ソルジャーズのブルーがジョミーの事を「君」と呼んだ。
 それだけで、ジョミーは心が騒ぎ出した。
 僕はブルーを見つめ、何も言えなくなった。
「ジョミー」
 さっきまでより少しゆっくりと、そして、優しい声でブルーが僕の名を呼んだ。
 あの優しい声だ。
 僕を呼ぶ、あの優しい声。
 時間が戻ってゆく気がする。どんどんと過去へ。
 それに流されないようにジョミーは両手にぐっと力を込めて握った。 
「…それは、僕が、君に植え付けてきたものだ。だから、僕はそれを、その僕を求めてしまう気持ちを取り除こうって言ったじゃないか。だから…君はもうそれで苦しむ事は無い…」
「この気持ちを取り除く?そんな事出来るはずがない。君は僕に暗示をかけてそう思わせるだけだろう」
「いいや。出来る」
「出来るはずがない…」
「僕には出来る…だってそれは…僕が」
「だって、そうだろう。こんなにも深く根付いているものを取るなんて出来ない。これは…誰にも、そう、君にも取れないし、消せやしない。僕が消させやしない」
 ブルーが強い瞳でまっすぐにジョミーを見返す。
「ブルー!ちがう。それは…」
 ジョミーは思わず声を荒げた。 
「だから、それが、貴方の重荷になってしまって…過酷な運命へと歩ませてしまったんだ。だから、僕は、それは、僕の責任なんだ。その気持ちは僕が…与えた。ミュウとなり、運命を生き抜き。そして、いつか生まれてくる僕を追えと、探し出せと、過去に行った僕が貴方に植え付けたんだ。だから…」
「ジョミー。それを…僕が苦しいと言ったかい?」
 ブルーがじっとジョミーを見て、にっこりと笑った。
「…!…」
「君を求める事、それを、僕が苦しいなんて思うはずがない…僕自身がそう願い。僕がそう求めて、追ってきたのに…それが苦しい筈がない」
「…僕は…僕は貴方と…地球へ行きたかっただけ…。いつか…あの山の頂きに立ち、あの風を感じてみたかっただけ…だったんです…」
「僕も見たかった。君とね」
 じっと見つめ続けるブルーの視線から逃れるように下を向いたジョミーが、ブルーの両腕を掴んで苦しげに言った。
「…ごめん。クローンのブルー。もう…止めて。僕は…もう…」
 うつむいたままのジョミーを見つめてブルーは答えた。
「ダメだ。ジョミー逃げないで。溢れてくるんだ。彼が聞いて欲しいって言うんだ」
「これが、君たちを傷つけた僕への罰なのか?」
「いいえ。いいえ。違います。罰じゃありません…彼は聞いて欲しいだけ…なんです」
「…ブルー」
 ブルーの腕を掴んだジョミーの手が小さく震えていた。
「…わかった。ブルー。これが貴方の言葉なら…僕は全てを受け止めないといけない。だから…ここから逃げても後悔をするだけだ…もう、逃げないから…ちゃんと受け止めるから…」
 そう言って顔を上げたジョミーの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「こんな形で君に伝える事になるなんて…僕はどこまで諦めが悪いんだろうね」
 ブルーが笑う。
「それは…それが貴方が貴方だからですよ。何百年も一人で待つなんて…とても出来ないでしょう?でも、貴方も随分な天邪鬼ですね。「忘れて」は「忘れないで」…だなんて誰も思わないですよ…」
「君に忘れて欲しくて、忘れて欲しくなかったんだ…」

 やはり、ブルーだったんだ。
 フィシスが彼の力を受けてミュウとして生きているのなら、彼女の中にもブルーがいる筈、なかなか記憶が戻らないのを「大丈夫」だと言ったフィシス。
 彼女が「僕が何を選ぶのか見てみたかった」などと言う理由だけで、あんな事をする筈が無いと思っていた。
 きっと、彼女は機会をずっと待っていたんだ。
 実験体と生まれ、ブルーに助けられた身。そして、後悔の中、彼を失った。
 彼女は何も言わずに、ただ優しくずっと僕を支えてくれた。
 それは、長い間、辛く苦しかっただろう。 
 そして、そうしてずっと待っていた。
 ブルーに恩返しが出来る時がくるのを。
 僕の中の記憶を消し、僕の中の彼に託した想い。
 これで、彼女の中のブルーも思い出になってゆくだろう…。
「辛かっただろうね…」
 彼女が下した決断を、僕もしなければならない。

 そう、それは。
 僕も思い出にしなければならない時が来たんだ。



     続く




『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十四話

2013-04-08 03:01:17 | 『君がいる幸せ』 Missing-link編
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任
ソルジャーズのブルー 人類が作ったブルーのクローン(タイプブルー)
      ジョミー 本当はジョミーはクローンではない(タイプイエロー)

   『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十四話 

「君と僕との間で決着を着けなくてはならない事は二つあるね」

 ジョミーは空港にやって来たソルジャーズのブルーに聞いた。
 ブルーは淡い水色に黄色のラインのミュウの幹部服だった。
 ジョミーは昔のソルジャー服を着ていた。
 近づいてくるジョミーをまっすぐに見つめブルーは答えた。
「一つは記憶の事、もう一つはタイプブルーの力の事ですか?」
「いや、僕の記憶がなかなか戻ってこないのは…多分、僕の所為で君の所為じゃない。だから、気にしなくていいよ。それに、もうほとんど戻っているから心配はいらない…」
 と、ジョミーは笑った。
 あの時、僕らソルジャーの力を増幅出来るフィシスの力を借りてまで奪った記憶だ。そう簡単には戻らない。彼女が大丈夫と言った言葉を疑う気は無いが、またここでジョミーは心配はいらないと言うんだなとブルーは思った。
 それは、本当に大丈夫なのか?と聞いてみたい気持ちを抑えてブルーは答える。 
「…それでは、二つとは…何なんですか?」
「一つは力の事。ストッパーを誰にするのか?だ。それと…」
 ジョミーは言葉を切り、真剣な眼差しで告げた。
「ねぇ、ブルー。君は僕が憎いだろう…」
「ジョミー」
 ブルーが困惑したような顔をしてジョミーの視線から目をそらした。
「ソルジャーズのジョミーを危険にさらし、死んでしまうような目に遭わせた。だから、あんな風に記憶を奪ったり、全力で戦いたいと言ったのだろう?だけれど、僕たちは力ではない方法で決着を着けなくてはならない」
「……」
「僕は…君に何をすればいいんだろうか?どうすれば、許してもらえるのだろうか…二人に償える余地はある?僕はどこまでも卑怯で汚い事をした…それで…」
「…それで、僕が何かを望んだら、叶えてくれるんですか?」
「何でもしよう…」
「最強のタイプブルーでも出来ない事を要求するかも…それでも?…」
「それでも、必ず」
「わかりました。僕の願いは…今は言わないでいいですか?貸しにして下さい」
「貸しに?」
「はい」
「わかったよ。後にしよう」
「……」
 ブルーはホッとしたように小さく笑った。
「ですが、ジョミー。償う事より、あなたは何故彼があんな事をしたのかがわかっていますか?」
「彼は僕たちが彼に二重スパイになる事を強要した。だから、純粋な彼にはそれが耐えられなかった。それと、僕とキースが殺しあうという状況にさせたくなかったんだろう?」
「…そうです。ですが、それだけでは無いですよ」
「これ以外に何が…」
「あなたは自分の命を、命の重みがわかってないんです」
「…僕の命の重み…?」
「僕はクローンとして育ちました。目の前で自分が殺されてゆくのを見てきました。僕はその事に何も感じてなかった…。感じる事なんて何も無かった」
「わかる気がする…僕も僕のクローンを作った。彼は死を恐れる心が無かった…運命のように淡々とそれを受け入れて死んでいった。僕はそれを哀れに思う事しか出来なかった」
「僕も何も感じなかったけど…だけど、僕は悲しみではなくて人に対する憎しみで暴走した。それを抱きしめておさめてくれたのが彼。まだ小さかった頃の…」
「……」
「ジョミーは悲しみを知っている。命を粗末にするあなたに怒りを感じているんです」
「…粗末になんてしいない」
「これは、彼が言ったけど、何故、何も言わずに消えるなんて事になったんです?僕らには何も出来ないかもしれないけれど、せめて、言って欲しかった。短い時間しか一緒にいなかった僕たちでもこう思っているんです、トォニィはもっとそう思っていますよ」
「彼は僕の選択を支持してくれる」
「意見に賛同する事と、何も言われなかったのは違います」
「言えなかったんだ…」
「言わなくてもわかってくれると思っていただけでしょ?」
「ああ…そうかもしれない」
「考えが甘いです。それでは、言われなかった僕らには、辛過ぎです。選ぶ余地すらない…でも、だけど、何も出来なかったのは事実です…が。僕らは…ただ待つしか出来なかった。ただ信じて…」
「……」
「僕らはトォニィを見ていました。彼はとても何かが失われるのを嫌っている。だけど、あなたがする事に関しては、見逃してしまっていて…それが、タイプブルーの運命だなんて言葉になって現れているんです。運命に流されているのは誰より、ソルジャー・シン。あなたなんです」
「そう…かもしれないね…」
「だから、あいつはその運命がキースと殺しあう事を呼ぶのなら、そこを変えようとして…でも、それが、自分が彼を庇うなんて行動になってしまって…自分も誰かを置いてゆく道を選んだと、あの場に一番必要が無いのは自分だと、自分が死んでも良いと思ってしまったのは、やはり、タイプブルーでは無いけど…それが、自分のタイプブルーの運命なんだと言っていました」
「すまない…」
 ジョミーはそう答えるしか出来なかった。『地球再生』と言う言葉に酔い。タイプブルーの運命なんてものに翻弄されたのは、自分自身だったのだ。
 ここまで、非難し責めているのに、ジョミーは優しそうな顔のままで自分を見ている。
 ブルーは自分が感情に流されてトォニィやシド、フィシスまで巻き込んでしまったのは事実だけど、それは全てもう一人のジョミーの為。、
 こうしてちゃんと言いたい事を伝えれたので気分はすっきりしていた。
「これは、きっと僕がジョミーだから仕方がないと笑っていましたよ」
 と、フォローにもならないな。そう思いつつブルーが言った。
「…僕が僕の命を軽んじているのは、認めているよ。何をしても死なないとは思ってはいないけど、他の誰かが死ぬのなら僕はそれに替わりたいと思っている。多分、それは自分の命が先が無いと知っていたから、僕はミュウを何をしても地球へ送り届ける事だけで生きてきた。その日までは死ねないと…。それが成し終えて、次は『地球再生』までの命だと知ってしまったから、もう僕は全てに満足して、僕を生かそうとしなかった。ただ、息をしているだけの物体だったんだ。それでも、何もかも僕の全てをかけて、人類とミュウの共存を願った。「生きろ生きろ」と皆に言いながら、僕は何も見ないで皆から離れてゆくようにしていた。だって…そうだろう…死にゆく者と、今さら何を望んでどうするんだ?悲しみが増すだけじゃないのか?」
 黙って聞いていたブルーが苦々しく叫んだ。
「なら、何もしなければ良いんです!」
「……」
「何も見えないような、聴こえないような身体なら、その通りに何も感じず、何もしないで、ただじっとしていれば良いんですよ」
 その言葉はまるで、ソルジャーズのジョミーのようだった。
 僕は彼に責められている。
「…そう思っていたのなら、人との関係を完全に切っていれば良かったと…そうかもしれないね。いつか居なくなるからって、相手が悲しむからと僕は逃げていたんだ…」
「相手が、残した者が悲しむのはその人の物です。それまで…あなたが背負う事はないです。それは僕らが背負う僕らの物です。誰にも替われません」
「…僕は、僕が怖かったのかもしれない…誰かを悲しませるんじゃなくて、僕が彼らと別れる時に悲しいから…。だけど…今はわかっている。ブルー。僕は君に命を要求され殺されても償えるならと思った事もあった。でも、今は殺される気はない。何があっても僕は殺されない」
「今はミュウの長じゃなくても?守るものが無くても?僕らより弱くても?」
「ああ、ミュウの長でなくても、出来る事はある。守るものは無くなっていない。人がそこにいる限り僕は守り続ける。君たちより弱くても僕は君たちに負けると思っていない」
「一度、全てを無くすと強くなるのかな?」
「僕は何かを無くしたなんて思っていないよ」
「死んだののに?」
「ああ,、そうだったね」
「僕に壊されそうになったのに?」
「ああ、そんな事もあったね」
「…壊してみたくなってきた…」
 と、ブルーが笑った。
「やってみればいい」
 ジョミーがそう返事をした。

「しかし、君たちは僕の大切な子供だ。親が子供にここまで言われるとは本当に情けないな」
「見た目は僕らより子供だから仕方ないんじゃないか?」
「見た目って、今はそう違いはないだろう」
「でも、追い抜けはしないよ」
「そう…だね」
 二人は声を上げて笑った。



  続く



『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十三話

2013-04-02 01:47:13 | 『君がいる幸せ』 Missing-link編
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任

   『君がいる幸せ』 Missing-link編 「伝えたい言葉」 十三話

  惑星「アルテメシア」

 ジョミーはアタラクシア空港でソルジャーズのブルーを待っていた。
 僕は彼に会うのが怖い。それは、ほぼいつもの事だ。
 彼の本体が僕の人生を変えた人だから…、僕の中には彼の意思のままに引きずられてしまう自分が存在する事も、それに反発する自分が存在する事も最初からわかっていた。
 ミュウの戦闘特化のタイプブルーの自分(ソルジャー・シンは)そんな不安定な状態な自分をを不快に思い「力」で決着を着けようとした。
 それが、出会った時の戦いだった。あの時は僕が押さえつけた。
 それから、一年余り僕は彼らと一緒に行動をした。この間に、クローンのブルーがとても素直な性格である事を知った。それはとても楽しかった。
 きっと、実際のブルーも、僕と出会う前の若い頃の彼もこんな風に明るくて素直だったんだろうなと思って嬉しかった。
 でも、ただ一つ…問題があった。それは、僕と彼の間を結ぶ因縁が強く深過ぎて、遺伝子レベルでお互いを求めてしまう事だった。
 僕が『地球再生』でマザーの元に行く時に、心ならずも彼を僕の最後に一緒に居る者と選んでしまったのも、僕は無意識に彼に僕を看取って欲しかったからだろう…。
 そう、僕は立ち位置を変えて…あのナスカの再現をしてしまったんだ…。
 あの時気が付いた。僕は皆の残される辛さを知りながら見ないふりをしていたんだと…。

「連れて行って!」
「置いて行かないで」
「一人にしないで」

 と、ナスカ上空で去ってゆくブルーの背中に僕は何度叫んだだろうか?
 そんな事は出来はしない。なのに、声にならない声で何度も…。
 皆にそんな思いをさせてしまったんだ…。
 そして、そこから逃げるように僕はブルーの眠る「月」で消えた…。
 月に僕が残したブルーの墓標の氷は僕の思いそのものだ。
 『悲しみの氷塊』
 無限に成長をし、永遠に消えない悲しみの塊。
 そして、僕は泣けなくなった…。
 ナスカで流せなくなった涙は、遥かな時間の先でブルーに会って取り戻した。
 そして、僕に涙は悲しみだけじゃないと心から思えるようにしてくれたのはキースだ。
 それなのに…。
 僕は、あの時空を超えた先で会った事が、ブルーとの本当に最後の別れだと思っていた。
 でも僕は、戻った。
 この現実に…。

 そして、僕は不義理で不誠実な事をしたんだ。
 キースが僕に言った。
「お前は俺の物にならないのに、お前は自分の物になれと言うんだな」と。
 アレはそのままだ。
 僕はブルーと一線を越えようとした。
 そう何度も…。
 二人がそれを超える事は無かったが、それはお互いはもう超えていると実感していたから、もうそれ以上の結びつきを拒絶したんだ。
 例え、お互いが惹かれあっても、そうなる事が怖かったんだ。お互いに。
 僕らのその迷いがソルジャーズのジョミーの命を危険にさらすような事になってしまったのだろう。
 ブルー。
 君は僕を責めていい。
「記憶を奪うなんて、生ぬるいよ…もっと憎んでいい…」
 僕は彼に殺されても文句は言えない。
「どうして、こんな愛し方しかできないのだろうか…」
 キースが執拗に僕の記憶回帰とブルーへの思いを知りたがったのは、そういう事だろう。
 でも、ごめんね。ブルー。
 今の僕は君に殺される気は無い。
 腕で済むなら斬りとっていい。足でも目でも、何でも自由にすればいい。
「僕は最低な男だな…」
 彼がそんな道を選ばないのを、わかってて言ってる。
 キースにも…。
 僕は偽善者で、強欲で、傲慢で自分勝手だ。
トォニィを欺き、シドを貶め、ジョミーを利用して、ブルーを弄び、キースを裏切った。
 人は本来我がままなんだ。思うとおりに生きていいとは言われたが、まさか、ここまで自分が好き放題をするとは思ってなかったな…。
 それでいて、こんな僕なのにキースだけは自分の傍から離れないと思っている。
 情けないな…。
 そんな事わからないのに、どこまでいっても自分にとって都合が良い考えばかりだ…。
 人と人との関係は、どうやって築いてゆけばいいのだろう?
 その方法を、僕はまだよくわかっていない。
 力を使わないで、キースと対等にやってゆけるのだろうか?
 人と人の繋がりとは何だろう?
 まずは相手を認め、信じ信頼する事、そして、その人物の生き方を見極め、尊重し見守る事…。
 でも、僕らの生き方はまだこれからだ。
 そう、まだこれから。

 空港の窓から陽が射す青空を見上げて、ジョミーは大きく伸びををした。
「でも、それでも。自分の最後(いのち)を自分の手に委ねる事が出来るようにはなったな。それが、人の運命(さだめ)ならば…」
 人として自分の命に責任を持つ事。
 命は、かけがえのない大切なものだ。
 生きてゆく事に責任を持つ事。
 「人」として生きるのは弱くなる事じゃない。
 強くなる事だ。
 何があっても、何を失っても、強く生きる事だ。
 涙を超えてその先へゆく事。
 それが生きる事。

 僕らは相手の命を奪ってでも生き抜く道を選んだ。
 その贖罪がこの身が引き裂かれながら生きるという事であっても、生き抜いてみせる。



  続く