さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

一日中一緒にいると、さっちゃんにもストレスが溜まるのかもしれませんし、僕には確実に溜まります。それが互いに爆発して・・・・

2020-07-05 23:33:10 | 生活の一場面
昨日の土曜日のこと。
この日は何も予定のない日でした。
新型コロナウイルスの影響がなければ、街に出たり、映画を観たり、外食したり、何かしているのでしょう。
天気が良ければ、山を歩いていたかもしれません。
でも、二人とも高齢者ですから感染リスクを可能な限り減らそうと今もほぼ自粛生活です。

ですから、必然的に一日中家の中で一緒に暮らすことになります。
すると、溜まります! 溜まります!
ストレスが次々と溜まります!

さっちゃんの場合は聞き取り調査が出来るわけでもなく、ストレスと不穏が関連性があるのかないのかも分かりませんからちょっと置いといて、
僕は明らかにどんどんどんどん溜まっていきますね。

今のさっちゃんはほとんど何に対しても興味を示しません。
本や漫画も読みません。
テレビも観ません。
何か手を動かしてする趣味があるわけでもありません。
それで、さっちゃんが何をするかと言うと、寝ている以外では僕に纏わり付くんです。

その纏わり付き方が僕には大きなストレス。
さっちゃんは僕のすぐそばで何やらずうっと喋り続けます。
楽しそうな内容のことも極々たまにあるんですが、ほとんどは僕の気分を下げてしまうような喋りです。
僕への文句のようであったり、すすり泣くように喋り続けたり、延々と途切れることなく喋り続けます。
それを聞かされ続けている僕の気分はどんどんどんどん沈み込んでいきます。
もう、止めてくれ~っ! ってな感じになってしまいます。

しかも喋りと同時に、僕が嫌がるようなことをさっちゃんはします。
テーブルでPC作業をしていると、僕の対面に座っているさっちゃんは喋り続けながら、PCを掴んで倒そうとします。
台所仕事をしていると、流し場のものを触ったり、僕の後ろから回り込んで火の点いているガスレンジへ行こうとします。
邪魔なので布団に連れて行って寝かせるんですが、すぐまた台所へやって来ます。
来るだけでなくて、タオルケットなどをズルズルと引きずりながら持って来たりします。

僕も疲れて、布団で横になって新聞を読むことにするのですが、僕が読んでいる新聞をパタパタと手ではたいたりします。
僕が怒ると、それが気に喰わなかったのか、新聞をビリッと破かれてしまいました。
腹に掛けている僕のタオルケットを取ろうとしたり、まだ読んでない新聞を持って行こうとしたりします。

起きてからずうっとそんな感じでさっちゃんにされ続けていますから、僕のイライラ、ストレスは高まっています。
さっちゃんに対する僕の対応もひとつひとつが少々オーバー気味になってしまいます。
PCを触られると、「壊れるでしょ!」と大きな声で叫んで、テーブルをバン! と叩いたりします。
台所から僕の体をぶつけるようにしてさっちゃんを押し出します。
タオルケットをさっちゃんに持って行かれないように、強く一気に引っ張ります。
僕自身、悪いなぁ、ここまでしちゃぁ駄目だよなぁ、と自覚はしているのですが、何かをワア~ッ! と発散しないとやってられません。

そんな中、さっちゃんをトイレへ連れて行きました。
僕自身は冷静にいつも通りにするんですが、さっちゃんの方がイラついています。
毎度のことですが、さっちゃんはすぐ便座に座ろうとしますから、僕はその前にパンツまで脱がさないといけません。
そこで両者間での葛藤があるのですが、これがいつも以上に酷くて、さっちゃんが凄く怒るんです。
何とか便座に座ってもらってからも、僕に文句を言い続けます。
僕を押したり、軽く叩いたりして、トイレから僕を追い出そうとします。
そういう訳にも行きませんから、僕は忍の一字。

その他にも書き切れないこと、たくさんあり過ぎて忘れてしまったこと、ばかりです。
そんなことがこの土曜日には起きてから絶えることなくずうっと一日中続いていたんです。

そんな一日の最後を飾る夕食の時間。
さっちゃんの前には幾つものお皿が並びます。
ご飯には玉子入りの納豆がたっぷりとかき混ぜられています。
破竹と豚バラ肉の煮物、空芯菜とシイタケのお味噌汁、さっちゃんが朝残したおかず、マヨネーズのかかったブロッコリー。
一汁一采が基本の僕にしてはおかずが多いですね。
(朝の残りのおかずもありますけど)

何か腹立たし気に食事を始めたさっちゃん。
すぐさまブロッコリーをテーブルに放り捨てました。
「何してんの!」と強く言って、僕はブロッコリーをお皿に戻し、落とした辺りをティッシュで拭きます。
すると今度は、納豆ご飯が入ったお茶碗をさっちゃんはテーブルに逆さまにぶちまけました!

これで僕は完全にブチ切れました!
僕は席を立って、さっちゃんの元へ行き、「何をしてんの! こんなことしちゃぁ駄目でしょ!」と叫びます。
そして、さっちゃんを椅子から引きずり立たせて、引っ張ったり押したりしながら布団まで連れて行きました。
「もう食べなくていい! ここで寝てな!」と、さっちゃんを布団に押し倒してしまいました。

さっちゃんは他の皿もぶちまけそうな雰囲気でしたから、僕のもさっちゃんのも料理は全部台所へ移動させました。
布団から再びダイニングに来たさっちゃんは怒り心頭!
僕だってそうですから、再び力ずくでさっちゃんを布団まで押していきます。

さっちゃんも怒りで震えているような感じです。
ただ、哀しい感情も混じってるような泣いているような声で喋り続けています。
僕もさっちゃんが相手ですから、半分ほどは冷静な自分を失わないよう対しています。
でも、こんなさっちゃんの喋りの声の感じに接して、一気に僕の感情が変わってしまいます。
悪いのは僕なんですね。

「ご免ね、ご免ね、ご免ね」と言い続けて、さっちゃんをハグしました。
さっちゃんはハグされることを嫌がって、体を捩りますが、それ以上の力で僕はハグします。
それでも嫌がっているさっちゃん。
それが分かるので、「ご免ね、ご免ね」を繰り返しながら、僕はその場を離れました。

さっちゃんは布団から出て来ませんでした。
ダイニングと寝室の間の戸は閉めています。
1時間くらいして、僕は改めてひとりで夕食を始めました。
食べ終わるころ、さっちゃんが起き出して来ました。
さっちゃんは先ほどまでのことはすっかり忘れてしまったみたいです。
僕はさっちゃんをハグして、「ご免ね」とつぶやきました。

今日の日曜日も何も予定のない日でした。
昨日とはうって変わって穏やかな一日。
まあ、昨日のようなことを連日繰り返すようでは、あまりにも僕が愚かということですよね。
コメント
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