さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

4ヶ月ぶりの失語症グループリハビリにやっと参加出来ました。ただ、小さな不穏が繰り返し出て、早めに退出することに

2020-07-03 23:59:08 | 言語リハビリ
月1回、第一木曜日の午後1時半から催される失語症のグループリハビリ。
リハビリと言っても、さっちゃんの場合は失語が進行するばかりで、どのようにリハビリになっているのか僕にもあまり理解できていません。
ただ、病院でSTの先生と1対1で行う毎週の言語リハビリはさっちゃんの言語面での現状把握にとても役立つように感じます。
月1回のこのグループリハビリはさっちゃんには気楽に楽しんでもらえればと思っています。
言葉が上手く出ない人たちが主役の集りですから、スタッフの皆さんがさっちゃんにも優しくしてくださいます。
さっちゃんは何も出来ませんけれど、そんな雰囲気の中で過ごす体験をするだけでもいいと、僕は思っています。

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木曜日の夜の10時くらいから、さっちゃんが就寝してやっと僕の時間を過ごしていました。
でも、さっちゃんが度々起き出して来ます。
そのたびに僕はさっちゃんを布団まで連れて行き、布団に横にならせて、タオルケットを掛けてあげます。
ところが、さっちゃんは1分とせずにまた起き出して来ます。
そんなことを10回くらい繰り返し、僕はとうとう諦めました。
さっちゃんの横で一緒に寝ることにしました。

そして、11時前ころに僕は起き出して、再び自分の時間を過ごします。
このブログを書き始めました。
さっちゃんは布団の中で寝息を立てていました。

しばらくして、さっちゃんが起き出して来たんです。
数回、いつもの繰り返しを行いました。
欠伸をしているのにもかかわらず、さっちゃんは寝ません。
起き出しては僕のそばに来ます。

僕は諦めました。
今晩は自分の時間を過ごすのは中止です。
そうしないと、さっちゃんはいつまでも眠りそうにありません。

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翌日金曜日の夜10時半、さっちゃんはよく寝ているようです。

昨日の失語症グループリハビリ。
前回は家を出る前に不穏となり、出かけられるような状況ではなくなってしまい、お休みしました。
昨日は何の問題もなく家を出て、暑い中、駅までさっちゃんの足で30分かけて歩きました。
ホームに降りて、電車の到着を待っていると、さっちゃんが「こっちに来い」みたいな感じで僕の手を引っ張ります。
僕はいつもの場所なので動きません。
すると、さっちゃんだけ一人で行ってしまいました。
でも、遠くまでは行かず。10mとは離れていません。
何かに怒ってるような雰囲気です。
多分、僕に対して怒ってるんでしょう。

電車がホームに入る前には、僕のところへ連れて来て、一緒の入り口から乗りました。
終点で乗り換えて、もう1駅先で降りました。

電車から降りて、ホームに出たのですが、さっちゃんは手をつないでくれません。
スタスタと自分一人で進んで行きます。
階段では僕と手をつないでくれましたけれど、上り切ると、また手つなぎを拒否。
改札の手前でも、手をつないでくれませんし、そればかりか、改札へ向かってもくれません。
さっちゃんは別のホームに降りてしまいました。
「そっちじゃないよ」と、改札の方へ向けさせようとしても、拒否して勝手に進んで行きます。
別のホームに降りても、後ろから付いて歩く僕を嫌がるような態度です。
ホームのいちばん端っこまで行き、僕も諦めて距離を取って立っていました。
入線する電車にだけは乗ってしまわないようにしなければなりません。
僕はさっちゃんと数メートルほど離れた、飲み物の自動販売機の陰に隠れるようにして立っていました。
さっちゃんは姿の見えない僕が気になるようで、少しこちらに向かって近付いて来ました。
その時同時に電車も入線して来たので、僕はちょっと心配したのですが、むしろ下車した人たちの流れに乗って、さっちゃんもエスカレーターに乗りました。
再び改札に向かわせようとし、何とか改札を出ることに成功。

改札を出ても、手をつないでくれませんし、「こっちだよ」と言っても従ってくれません。
結局、反対側の北口に降りて行ってしまいました。
線路沿いの道路を歩いて行くので、「この先の踏切で渡ってもらえばいいや」と思っていました。
ところが、その踏切まで来て、どうしてだかさっちゃんは引き返します。

ただ、時間の経過ゆえか、心細くなったせいか、まだ僕と手はつないでくれませんが、僕の後を付いて来てくれるようにはなりました。
そのまま南口へ向かい、御所水通りを南へ歩いて行きます。
結局、目的地までさっちゃんは手をつないでくれませんでした
でも、しっかりと僕の後ろから付いて歩いてくれました。

そして、本当に久し振りの失語症グループリハビリ。
いつも通りにその集いが進行して、ちょうど1時間が経過したころでした。
さっちゃんが少し大きな声で、隣りに座っている方だか、スタッフの方だかに喋りかけるんです。
何かしら怒ってるんだか、注意してるんだか、少しとんがったような口調です。
その喋りはその時の集いの進行を妨げるようなものでした。

僕は「おしっこかもしれませんから、トイレに行ってきますね」と言って、さっちゃんと部屋を出ました。
トイレに入りましたが、当然おしっこではありません。
トイレを出て、廊下やその階の屋上をしばらく歩きました。

そして部屋に戻ったのですが、そんな短い時間で変わることは出来ず、前にも増して、さっちゃんは何か訴えているようです。
こうなると、さっちゃんを止めることは誰にも出来ません。
僕はここで帰ることに決めました。
皆さんに挨拶し、この日はここで帰ることにしたのです。
少し救われる思いなのは、お別れの挨拶をしてくださるスタッフの方に向けるさっちゃんの表情が柔らかなものだったことでしょうか。

部屋から出ると、さっちゃんは意外とすぐに普通に戻りました。
駅まで手をつないで歩きました。
ただ、ホームで長い時間次の電車を待っている間に、さっちゃんは「こっちへ来い」みたいな感じで僕を連れて行こうとするんです。
連れて行こうとしている場所は、どうやらホームの端っこのさらに先のようなんです。
つまり、一般人は行ってはいけない場所ですね。
当然僕は拒否しますから、さっちゃん反発そして不穏。

帰りの電車の中でも、駅に着くとその駅で降りたがるんですね。
基本的に電車に長く乗り続けるのが嫌みたいです。
僕が降りようとするさっちゃんを押し留めると、さっちゃんは大きな声で僕を非難します。
周囲の乗客にアピールするような感じで叫ぶときすらあるんです。
隣りの座席に座っている僕を両手で押して、遠ざけようともします。
軽く手でぶったりもします。

でも、僕たちの最寄り駅に着いてからは、さっちゃん普通でした。
家に帰る道すがらも、家に帰ってからも普通でした。

こんな感じでこの日は小さな不穏が時々現れました。
歩いていても暑さが堪える日でしたし、さっちゃんにとっては久し振りのグループリハビリは緊張したのでしょう。
じっと座っているのが嫌いなさっちゃんですから、イライラしたのかもしれません。
でも、再開後の初回にしては良かったと思います。
これだけの長い移動もコロナ自粛以降では最長ですしね。

山歩き、言語リハビリ、失語症グループリハビリ、次第に以前の生活に戻りつつあります。
ある程度の活動はさっちゃんの精神、肉体両面の健康にとっても必要だと思います。
まだ、デパートのある繁華街に行ったり、外食をしたり、映画を観たり、音楽会に行ったりは出来ていませんが、何時になるでしょうね?
東京都の感染者数の100人越えが続いていますから、高齢夫婦としては自粛を続けた方がいいと考えています。
コメント
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