痰の吸引は4時間おきくらいになってきていますから、I老健へ戻れる条件は整いつつあります。
病院はI老健よりも近く、15分間だけですけれど、毎日面会もできます。
しかも、直接面会できますから、手で撫ぜたり、鼻を擦り付けたり、唇を当てたりだって出来ました。
I老健では窓越しの面会を週1回だと思います。
寂しい限りです。
退院の日が近づいていることを肌で感じ始めていました。
▲5月27日16:57。うたた寝してしまって、目が覚めて、慌てて時計を見たら、16時半でした。一瞬、「これは無理だ、今日は面会できない」と思いましたが、すぐに気を取り直して急いで準備。自転車で病院へ。面会が許される時間は17時までです。それまでにNSに到着すればいいと思い、ぎりぎりセーフ! いったん病室に入れば、許された15分間いたって構いません。あまり長くなると、事務の方が声掛けに来ますけれどね。僕の手も写っていますね。さっちゃんの手、額、顎、頬、鼻、肩、・・・・。あらゆるところを僕は触り、撫ぜます。
病室に入って、僕はさっちゃんが目を開けているかどうかをまず見ます。
五分五分くらいの確率で目は開けていますね。
目が開けられていたら、何か喋っていないかなと聞き耳を立てます。
極々たまには喋っていることもありましたが、普通は無口です。
それから、さっちゃんの顔の前に現われて、「さっちゃ~ん、こんにちわ!」と挨拶するんです。
さっちゃんは表情は変わらないのですが、「あ~、う~」などと喋り始めるんです。
そういうことなどを確認するのが、嬉しいですよね。
▲5月28日16:00。この日は一日中雨予報の日でした。歩いて病院へ行こうと外へ出ると、雨は降っていません。道路も乾いています。すぐに戻って、自転車で行くことにしました。そろそろ洗濯物があるころと思っていたのですが、ありません。この3日間の排便記録は全部「-」です。寝巻きが汚れることはありませんしね。
写真では撮れませんでしたけれど、さっちゃんの表情が一瞬笑ったように感じられました。
大笑いを10、無表情を0とすれば、どれくらいの笑いのレベルかと言えば、1か2でしょうか。
「僕の気のせいだよ」と言われれば、そうかもしれませんね、反論できません。
でも、ちょっとでしかありませんが、笑ったように見えたんです。
それだけで、僕は幸せを感じることが出来ました。
▲5月29日15:49。この日はちょっと大人しいさっちゃんでした。目を開けている時間がいつもの半分くらいでした。開け方もあまりパッチリではなかったですね。眠たかったのでしょうか?
NSで事務の方に呼び止められました。
相談室と連絡を取ってくださったようです。
「ここで会いますか? それとも後ほど電話で話されますか?」
僕はここでしばらく待つことにしました。
相談室に連絡を取ろうとしてくださいますが、なかなか繋がりません。
しばらくすると、電話(院内用?)を持って来て、「これで話します?」と。
で、相談室の方と話をしました。
「痰の吸引が1日5回くらいまでになっているんですよ」
「I老健さんでもこれくらいの状態なら受け入れは可能だということです」
「退院が可能な状況ですが、どうされますか?」
もちろん、僕としても退院には賛成です。
老健では介護面が病院よりも充実しますから、さっちゃんもより心地よく過ごせることでしょう。
「では、月末の退院にしましょうね」
と言うことで、5月31日(金)の退院が決定しました。
この後で、入退院手続き窓口で入院費用のおおよその額を教えてもらいました。
退院の日に支払う必要があるからです。
退院は嬉しいことですが、毎日直接面会できなくなると思うと、寂しくもありますね。