晴れたら山へ

写真を中心にした山登り、沢登りのブログです

0333   南アルプス 甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根

2023-07-25 17:37:35 | 登山

       烏帽子岩と二本の剣 九合目

 

期日 :   2003年10月 26~27日

メンバー   :    単独 

コースタイム 

一日目 天気 晴後曇

 須玉IC7:10=尾白川渓谷駐車場770m 8:40~50―休憩9:50~1:00―笹ノ平10:36―昼食 11:17~32―刃渡り11:45―刀利天狗12:08―五合目小屋(屏風岩)12:38~56―急な梯子と鎖13:38―七丈小屋13:42

二日目 天気 快晴

   七丈小屋6:23―八合目御来迎場6:52~7:00―垂直大岩鎖場 7:12―駒ヶ岳神社7:43―山頂7:49~8:45―烏帽子岩と二本剣9:11―八合目御来迎場9:45~50―梯子と大岩10:01―七丈小屋10:18~41―五合目屏風岩(小屋跡)11:23―刀利天狗11:58―刃渡り12:09~12―昼食1965m12:20~40―笹ノ平12:51―竹宇駒ヶ岳神社14:00―駐車場14:06=名水公園760m 14:20~15:30=帰路へ 

 時間 12:39、登り6:18(4:52+1:26)、下り 6:21、距離19.2km、標高差 2996-770=2266m 累積標高差2517m

 

                            甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根 ルート1

      甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根 ルート2

         甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根ルート標高

 

記録、感想

一日目

今週末も天気が良いとの予報。今年最後の3000mとして三大急登の黒戸尾根経由甲斐駒に行くことにした。予報では土曜日は天気がよく、日曜日は曇時々晴のとの事。

道を間違え尾白川渓谷駐車場に予定より一時間遅れの8時40分に到着。七丈小屋までコースタイム7時間の予定であるから、遅くとも4時半には小屋へ着くとの予定。「ビスターリ」の気持ちで出発。尾白川渓谷駐車場から竹宇駒ヶ岳神社に向かう。尾白川渓谷や日向山をハイキングする人が多い。

      尾白川渓谷周遊路分岐

 

竹宇駒ヶ岳神社は昨年の失火で焼けてしまってまだ再建されていない。吊橋を渡り十二曲りのジグザク道を登ると右方向に再び尾白川渓谷の標識。直進し樹林帯のU字型に切れ込んだ落ち葉が積もった道を登っていく。昨年の雨乞岳の登山道を思い出す。急坂を登り痩せ尾根を登るがなかなか粥餅石につかない。コースタイムより遅れているのではないかと不安になる。北西には木々の間より白いガレのある日向山が見えた。笹が多くなり平になると急に小さな標識が見えた。どうやらここは笹ノ平らしい。粥餅石方面へはガレの通過が危険なため新しい巻道になっていた。コースタイムは2:30のところ1:46で来たことになる。

 ここで20kg程の大きなザックを背負った人に追いつく。こちらは寒くて長袖なのに半そでのシャツである。テント持参らしい。それにしてもかなり早い。紅葉がなくなりシラビソなどの針葉時樹林になった。11時になったので昼食。南方向に木の間から地蔵岳、観音岳が見えてきた。その上に富士山。すばらしい。すぐに刃渡りに到着。両側が切り落ちた道。しかし鎖が付いており安全に渡れた。日向山、八ヶ岳などが見えた。

     刃渡り、鎖がある

    展望良好

また、大武川をはさんで鳳凰三山、富士山、尾白川をはさんで鋸岳が見えた。ここを通過すると三段の梯子。登りきると刀利天狗の祠ピークに到着。さすが信仰の山である。駒ヶ岳教として江戸時代から大正まで盛んに登られたとのことである。

    刀利天狗手前の水平梯子

       刀利天狗 四合目

黒戸山の北側、シラビソや苔むした木々の間をゆるく巻いて下ると林が切れ五合目小屋に着いた。五合目小屋は皇太子が昼食を取られたところである。今は営業していない。中はきれいで充分使用可能である。前には、まだ青い木を載せた屏風岩がそびえていた。その向こうには六合目ビークと甲斐駒の頂上と八合目がはるかかなたに見えた。でも七丈小屋までは一時間のコースタイムであるから少しのんびりする。

  黒戸山の西五合目から甲斐駒ヶ岳山頂と六合目ピーク

 

ここで東京から来た人に会う。何でも昨夜出て韮崎の駅で一眠りして登ってきたとの事。疲労で膝が痛くなりのんびり登っていくとのことであった。初めて言葉を交わせる人と会って何か人恋しくなった。休んでいると先ほど追い越してきたテント泊の人が着いた。速いな。

下ると五合目鞍部に屏風小屋跡があった。もう小屋は取り壊されてない。鞍部は屏風岩と言われており、祠やたくさんの石碑があった。本当に信仰の山である。

五合目鞍部屛風岩 祠と長い梯子

 

祠の脇から長い梯子を登り、2262mピーク(地図上の屏風岩)を越して下ると二重の六丈橋。橋を渡り梯子を登ると、六合目不動岩。威力不動の石碑と剣が三本あった。高度感のある急な三段梯子と鎖場を登ると七条小屋に到着した。

白く尖った屋根のすてきな小屋である。さっそく宿泊の手続きをしてビールを飲む。うまいこと。小屋はすでに四組到着しており話で盛り上がっている。

   垂直な梯子を登ると七条小屋

65才くらいの御夫婦は鋸岳や穂高など厳しいところを登っているとの事であった。小屋はストーブが入り暖かかったので移動したくなかったが、今日は宿泊者が多いため、素泊まりの我々二人は第二小屋に行くことになった。後で頂上に行って来た人と三人でウイスキーのお湯割を飲んで盛り上がった。やっぱり山の話をしながら飲む酒はおいしい。

 

二日目

二日目の予報は曇であったが、台風が太平洋を通り過ぎたため快晴になった。寒い為早出せず6:23に出発。もう一人の人はすでに出発。サブザックに水筒とカメラとゼリーを入れ出発。

小屋の上のキャンプ場を過ぎてしばらくゆるい道を登っていく。梯子を一つ登り右側の大岩を過ぎると八合目御来迎場に6:53に着いた。花崗岩の鳥居はすでに壊れ片側の柱だけ残っていた。石碑はしっかり残っているが残念であった。ここは樹林限界を越したところでハイ松と低い木が多い。

    八合目御来迎場 鳥居は壊れている 展望が良い

 八合目えぐれた鎖場

 

下には黒戸山、雁ヶ原、八ヶ岳、金峰山や鳳凰三山、摩利支天、鋸岳などが見えた。

すばらしいところだ。ここから鎖場を登りオーバーハング気味の鎖場を登りトラバースして急な岩の登り。二本の剣が立てられた大岩の下の急坂を登るとゆるくなり、まもなく駒ヶ岳神社本社に到着。お参りをして頂上へ急ぐ。

  烏帽子岩の西側を登ると上に出た 二本の剣が立てられている

 駒ヶ岳神社本社 山頂が見えた

    白い花崗岩の道を登って行く

     甲斐駒ヶ岳山頂

頂上には四人組が展望を楽しんでいた。天気がよく360度見渡せた。今回で三回目であるがこんなに天気が良いのは初めてだ。鳳凰三山、富士山、北岳、間ノ岳、悪沢岳、荒川岳、塩見岳、兎岳、奥穂高岳、槍ヶ岳、大岩山、雨乞岳など数え切れない。

まもなく、ベテラン夫婦(糸魚川から来た人)や足をいためた人も到着。北沢峠からの登山者も着いた。

       鳳凰三山と富士山

    仙丈ヶ岳アップ

  頂上からのパノラマ 350~40度

           8~70度

            90~140度

 

                     130~185度

               170~240度

                    260~360度

     285度 中央アルプス、御嶽山

 

                  300~325度 鋸岳

          甲斐駒ヶ岳山頂標識にて

展望はいくら見ても飽きないが名残を惜しんで下った。頂上直下の北側の斜面は少し雪があったので慎重にコースを見極めながら下だった。しばらく下ると二本の剣が立てられた烏帽子岩に着いた。登る時は下ばかり見ていてわからなかった。こんな大きな岩に剣を立てるなんて昔の人の力はすばらしいと感心し驚いた。狭い岩の急坂を、鎖を頼りに下りトラバースするとオーバーハングの所に着いた。

スムーズにおりて、足場が切られた鎖場を降りると八合目の御来迎場。右側は摩利支天の岸壁、左側は横蓮谷の岸壁が見渡せる。ここまで下るとかなり暖かくなった。

     烏帽子岩と二本の剣

 

  烏帽子岩(右上)から降りて来たルートを振り返る かなり急坂

八合目から降りて来た道を振り返る 烏帽子岩、V形の岩が良く見えた

       八合目か御来迎場

       八合目から黒戸山

大岩の下の梯子を降りると七丈小屋に着いた。残っていたおにぎりとパンで二回目の食事をとり、ザックを背負うと軽くなったはずなのにまだ重く感じた。四段の梯子を下り、橋を渡ってさらに四段の梯子を下ると五合目鞍部に着いた。ここから眺める甲斐駒と屏風岩は少し紅葉があるが、鋭く聳え立っており厳しく見えた。

七条小屋に別れを告げる

  六合目の急な梯子の下を下る

   四合目の長い梯子を下って屛風岩に着いた

 

残っていたおにぎりとパンで二回目の食事をとり、ザックを背負うと軽くなったはずなのにまだ重く感じた。四段の梯子を下り、橋を渡ってさらに四段の梯子を下ると五合目鞍部に着いた。ここから眺める甲斐駒と屏風岩は少し紅葉があるが、鋭く聳え立っており厳しく見えた。

黒戸山のトラバースは、こけが生えたシラビソが茂っていかにも南アルプスという樹林帯を下った。

帰りは、名水公園の露天風呂で一浴し、露天風呂を独り占めして堪能し帰路についた。

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0336   日向山、鞍掛山

2023-07-11 10:16:40 | ハイキング

 

         鞍掛山展望台

 

期日 : 2003年11月 23日 晴   風強し

コースタイム

   須玉IC7:15=矢立石登山口1120m 7:55~8:05―日向山三角点8:50―雁ヶ原1655m 9:03―1622mヤセ尾根9:23-駒薙1916m10:37―駒岩(分岐)10:48―鞍掛山11:15―展望台(昼食)11:25~51―鞍掛山12:05~10―鞍部12:27―駒岩12:40~50―駒薙上1955m13:00~13:10―休憩1710m13:35~45―1622mピーク13:51―1600m鞍部14:25~48―雁ヶ原15:12―矢立石登山口15:50~57=むかわの湯16:24

      時間7:26(登り3:20、下り4:06) 距離10.4km、標高差2037-1120=917m 、累積標高差+1352m

 

記録、感想

  めっきり寒くなってきて富士山も八合目まで白くなった。今年の3000m級は甲斐駒で終わりだ。これからは展望の山登りに切り替える。新ハイキング10月号に鞍掛山のガイド記事が出ていたので参考にして登る。朝が暗いため5時出発。天気予報は、低気圧の通過で風が強く気をつけるようにとの予報。笹子トンネルを抜けると久しぶりに南アルプスのジャイアント達のオンパレード。笊ヶ岳から甲斐駒まですばらしいのの一言。予定時間に矢立石登山口に到着。途中20号線に出るところで甲斐駒の展望がすばらしく写真を撮る。20号線に入りすぐの大武川のところもすばらしかった。

     中央高速道より日向山を望む

 矢立石登山口には早いためか一台しか車が止まっていない。小楢の落ち葉を踏みながらゆっくりペースで登る。矢立石はかなり大きいことを今回始めて知った。気持ちよく登っていくと一人下ってくる人に出会った。なんでも朝焼けの甲斐駒を撮りに来たとのこと。でも甲斐駒は赤くならなかったらしい。この山は、朝焼けの南アルプスが見える山と紹介されてから登山者が増えたそうだ。

     矢立石登山口

     40分くらい登ると少し急になり、唐松の林になった。少し早ければ青い空に黄色の唐松が映えてすばらしいだろう。天気が冬型のため寒い。左手には富士山、鳳凰三山、黒戸山、そして甲斐駒が見えてきた。少し下るとアメダスの観測設備があり少し登ると日向山三角点があったが木々に囲まれて展望はない。三角点から5分で雁ヶ原についた。白砂の崩壊地でスッパリ神宮川まで切れ落ちている。風の通り道で寒い。崩壊地は太陽が低く影が多く写真には適切でなかった。甲斐駒は少し雲がかかっていた。

 

 

     雁ヶ原着いた 甲斐駒と鞍掛山が見えた

    雁ヶ原から八ヶ岳を望む

    雁ヶ原から水晶ナギと雨乞岳を望む

 

 ここから白砂の斜面を鞍部まで60m下る。前にそびえる1622m峰は岩山でスリルのあるやせた岩稜とのことで少し不安になる。1600m鞍部には錦滝への案内板はあるが鞍掛山への標識はなかった。始めの岩山をヘツり、やせ尾根を通り1622mピークを越えると1600mより急登になった。左がガレ沢の狭い道の斜面を笹につかまりながらると大岩(水場)が出てきた。シラビソやコメツガの樹林帯を登ると1800mで急坂が一段落し、ゆるい坂の気持ちの良い尾根になった。左手に富士山、黒戸尾根、鳳凰三山が見えてきた。すぐに左側が切れ落ちた大きな岩の上を登っていく。ここが駒薙と思われる。シャクナゲが群生しているが、他の木の枝が出ており歩きにくい

雁ヶ原から鞍部へ下りて1622mピークのヤセ尾根を登る

 

 木がないところから鞍掛山と甲斐駒が見えた。甲斐駒は逆光で陰になっている。下のほうは、韮崎と金峰山や茅ヶ岳が見えた。すぐに平らな山頂についた。大きな赤い印が松に付いているが、道標はない。左と直進の印があった。ここが駒岩(分岐)と判断した。左の鞍掛山へ進むと最初はゆるく下るが段々急坂になった。鞍部より右へ行くと右が崖の狭いヘツリになり緊張して通った。次いでいきなり急登になったが、踏み後がしっかりついており木や根っ子につかまりながら70m程登ると平らな鞍掛山山頂に出た。鞍掛山の小さい標識が確認された。

            駒岩(分岐)に着いた

 ここから樹林帯を5分程下ると前が切れ落ちた崖の上に出た。左の踏み後をたどると屋根がひっくり返った祠と石仏(不動明王像と石像)と石碑がある展望台に着いた。バンザイようやく到着だ。こんな重いものをよく担ぎ上げたと感心する。

 

   鞍掛山展望台 ひっくり返った石祠があった

    甲斐駒と烏帽子岳が見えた 鋸岳は曇の中

   展望台から富士山と鳳凰三山が見えた

 

 前には甲斐駒が大きくそびえており鋭く黄蓮谷に落ちている。すばらしい眺めであるが逆光になっており写真には今一である。風が強く寒い。風を通さないフリースを慌てて出して着る。

 ここで甲斐駒を見ながらパンとおにぎりの昼食を食べた。暖かい飲物がおいしい。段々甲斐駒に雲がかかってきてこちらに来たので曇るのかなと思ったがしばらくするとなくなった。体が冷えてきたので早々に下った。登る時は、下りが大変だと思っていたが木につかまりながら何のことはなく急坂を降りた。でも左が崖の狭いヘツリはやはり緊張した。満ち足りた気持ちが湧いてきて元気が出てきた。鞍部から駒岩に登り返す道はいくつもあり少し迷ったが踏み後が強い北側の道を登ったら無事に駒岩についた。ここから写真を撮りながらのんびりと下った。駒薙(1995m)で甲斐駒と鞍掛山に別れを告げた。

     駒薙から鞍掛山と甲斐駒を望む

            駒薙から富士山方向

                     富士山、鳳凰三山を望む

          富士山のアップ

      1680m水場の大岩

 

 るんるん気分で注意深く下ったが、1622mピークのやせ尾根のヘツリで岩を登ってしまい間違えかけたかすぐに気が付きの正しい道にもどった。鞍部についたらペンタックス645で写真を撮っている人に出会い初めて話した。富士山がまたきれいに見えた。雁ヶ原の白砂の道を登り返して八ヶ岳方面の写真を撮った。まだ晴れていてきれいに見えた。雁ヶ原の山梨百名山の標識の近くでまだ食事?を楽しんでいる組がいた。この後、大岩山に後ろ髪をひかれながら矢立石まで一気に下だった。むかわの湯もすばらしかった。

 

     雁ヶ原下の鞍部まで戻った 登り返す

      雨乞岳が見えた

    富士山もきれいに見えた

    鳳凰三山もきれいに見えた

     雁ヶ原より富士山

 

      雁ヶ原から八ヶ岳

     雁ヶ原上部から八ヶ岳

 

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