磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

戦争PTSDとサリンジャー 反戦三部作の謎をとく

2006年01月08日 | 読書日記など
『戦争PTSDとサリンジャー 反戦三部作の謎をとく』
  野間正二・著/創元社2005年

戦争が終わったからといって、
戦争がひき起こす問題は終わったわけではない。



著者も書いているが、PTSDという言葉が安直につかわれているし、
この分野がまだ未解明なことは多いことは書くまでもないと思います。

しかし、戦争が終わったからといって、
戦争がひきおこす悪いものが、取り払われたわけではない。

ここでは問題をおこした人たちや、
サリンジャーのように心を病んだだろうと思われる
人たちのことが問題視されている。

それも大切なことだろうと思う。

しかし、一見ノーマルにみえるが、
異常をきたしている人たちがいる。
こっちの方が大きな問題だろうと思える。

戦場とは、「人を殺してはいけない」という
日常生活での大原則が逆転する。
とうぜん世界観も動揺する。

それなのに、どうして正常でいられるか?
異常になってこそ、正常なのではないだろうか?
と私は思えてならない。

私の父も戦争にいった。
しかし、戦争のことは何も語らない人だった。
「反戦平和」のことを話すと、
「生意気なことをいうな!」
と怒るだけでした。

そして父が亡くなった後で、
父がソ連軍の捕虜で脱走したことを
聞いた。

僕が保育園を何度も逃亡したのを、
喜んでいたのはそれが理由かと思った。

この著者は大きな壁に挑戦しようとしたが、
その成果には疑問が残る。
それはPTSDというものが、未解明な
部分が多いせいもあるだろう。

しかし、今も苦しんでいる人たちが大勢いる。





もくじ[平和のための読書]


(※)ぼくは「反戦平和」ではなく、平和だけを望んでいます。


葬式

2006年01月08日 | 短編など
葬式

葬式のとき泣いちゃいやと母は生前いっていた
泣いて忘れちゃおうなんてイヤといっていた

それよりもひっそりとでもいいから
心を大切にといっていた
だから泣くなといっていた

何度も何度も死にかけた事のある母だったから
そんな事を言うのもわかった
気丈な母だった

だから泣かなかった
涙をこぼせなかった
さらし者のように正座して
馬鹿みたいに唇をかんだ

死んだら教会でといっていた茶目っ気も
16の僕にはつらいものだった

唇ばかりバカみたいにかんで
涙をこらえていたから
唇のうらはざらざらの歯がたができた

それさえも防波堤にならず
今度は太ももを積めで力いっぱいつまんだ

あの時の読経はとても涙をよんだ
泣けばよかった
あの母さんだから
やはり許してくれる

泣いて泣いて早く確実なものにしたらよかった
心が大切なんだから……






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もくじ「母」




【本人談】これを友達にみせたら、ずいぶん泣いていたといわれた。
友人たちには、それをカバーしてくれたことを今も感謝している。
いい友達をもったものだ。よすぎたね。

目次・原爆児童文学

2006年01月08日 | TOP【もくじ】
目次・原爆児童文学


もくじ

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■疎開先で■

ポプラ社文庫A20 あしたの風

ロマンブック ひとりひとりの戦争

あの戦争のなかにぼくもいた

■他の地区で■

赤毛のポチ

転校生とぼくの秘密

光る夏-たつひこ

カモメの家

スピカの創作文学3 白いチマチョゴリ

わたしの動物記14 かあさん牛の涙

チロの星まつり-イヌの天文台長-

北国の子どもたち

おばあさんのとっくり

【不明】

ブーツをはいた女の子

【模擬原爆】

パンプキン!-模擬原爆の夏-

■アメリカ■

アイリーンのとうろう

ヒロシマから帰った兄

さよならをいう時間もない

■歴史の本?■

ちくま少年図書2 歴史の本 おそろしい本

[被爆二世]

講談社 青い鳥文庫52-1 チョウのいる丘

■原爆がテーマ?■

化石原人の告白

■平和運動■

原水爆とのたたかい-平和の声 まちに村に-

■評論など■

原爆児童文学を読む

■エッセイ■

夕焼けの子どもたち

■こどもの作文■

「戦争と平和」少年少女の記録10 よみがえるふるさと-平和な国を築く-

せんそう-詩と作文-






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もくじ















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核関連Web小説


司馬遼太郎原作「巧妙が辻」

2006年01月08日 | 読書日記など
司馬遼太郎原作「巧妙が辻」

司馬遼太郎作品が原作となる大河ドラマが本日から始まる。

司馬遼太郎についての評論を読んでいるが、

賞賛だけのものは、少し割り引いて読んでいます。

しかし、かなりディープな批判本もあります。

だけど、どう考えても、その批判を他の小説家に

もっていったら、もっと手厳しい批判になりそうです。

この「巧妙が辻」の主人公は、「山内一豊の妻」である。

良妻の模範のような人物といわれてきた方でもある。

巧妙というのも、ラッキーというわけではなく、

もっと深いものとして司馬遼太郎は描いている。

坂本竜馬ファンの方は、ぜひこの作品をみられるときも、

坂本竜馬を忘れずにいていただきたいものです。

この方がおられなかったら、坂本竜馬は生まれなかった

かもしれない。

この女性の思慮深さが、坂本竜馬を生んだと、

司馬遼太郎の目線があるように僕には思えるんです。

そして、この千代がこれほどになれたのも、

秀吉の妻・おねさまの影響が大きいと思う。

ちなみに、淀君(よどぎみ)とは、淀に城がったからである。

君というのは花魁などにつける敬称であったという。

淀君のような方が多い時代です。

時代のあだ花にしかすぎない。

多くの民に不幸をばらまく……。









目次





D112.サーカスの大スター・セール

2006年01月08日 | 【小説】 レインボー...
VIII.黄色の部屋(虹の世界)

D112.サーカスの大スター・セール





「大ダコ・セールは海の正義の味方さ」
 カールは大ダコ・セールの物まねをした。結構、カールとユリカはいいコンビになっている。同じ目的を持つといいコンビになれるものなのだろうかと、カールは思った。

 風船は、よく売れた。大ダコのセールは子供たちに人気があるからだ。
 大ダコ・セールの水晶の剣(クリスタル・ソード)というのもよく売れた。

 親に買ってもらって、それを受け取ると、
「海の正義の味方、大ダコ・セール様だぞ」
 子供たちは大威張りである。

「おじょうちゃん、風船売りはもういいよ。みんな、ショーをみるだろうからね。さあさあ、ショーをみなよ」
 猛獣使いのピエロは、10ポイントをわたしてくれた。
「ありがとう」
 二人は駆けだして行った。

「こっちこそ、風船まで売ってくれて、すまんな」
 猛獣使いのピエロは手をあげた。Vサインをしていた。

 ユリカは、振り返って、
「どういたしまして。わたしこそ助かったわ」
 と大人じみた口調で言った。

「わぁ、サーカスが二百年ぶりに見られる」
 カールは、うれしそうだった。

 ユリカは二百年ぶりなんて、大袈裟なことを言うと思った。でも、本当はカールは魔法使いディスカールであるから、その通りなのである。

 ユリカは、ヤスやチャボもこんな大袈裟なことを言うのが好きだったと思い出していた。100円のオツリを100万円だなんていうのである。景気がよくって楽しいことだって、ヤスは話していた。

「さきに、着替えるわよ」
 ユリカは言い更衣室に入った。

 カールは更衣室の前でユリカを待っていてくれた。
「もう、はじまっているよ」
 カールはあわてて、大きなテントの中に入って行った。

 ユリカもあとに続いた。熱帯魚たちがダンスを踊っていた。よくみれば、魚たちのマス体操だった。大ダコのセールがいて、水晶の剣を振り回して、魚たちをカラフルにしていた。赤だの黄色だの、さまざまな色が鮮やかに見える。魚たちはマス体操で、宇宙に行くスペースシャトルや恐竜のチラノザウルスをつくりだしていた。

 黄色しかしらない世界の人たちは、驚きでいっぱいだった。これなら、セールが大スターになるのは当然だわとユリカは思った。

「本当の海でも、小さな魚たちは群れをつくり、大きな生き物のように見せかけているんだよ。でも、これほど、見事じゃないがね」
 とカールは感激している。

 次はスナメリの火の輪くぐりだった。青色の世界でユリカたちを助けてくれたスナメリくんだとユリカたちは思った。スナメリはさまざまな曲芸を見せてくれた。でも、水のなかでどうして火が燃えているのかしらとユリカは悩んだ。でも、この世界では、水の中でも息ができるんだから、火も水中で燃えても当然のように思えた。

 サーカスの最後のだしもの、それはサーカスの最大のスターである大ダコのセールであった。セールは、いろんな楽器をひとりだけで演奏していた。それもそのはず、セールには手足が合わせて八本もあるのである。あまりにも見事な演奏である。






閑話休題

本日の読売新聞夕刊の「よみうり寸評」に、

「クラゲがたくさん捕れる年は大雪あり」と

書いてあった。

「ことわざから読み解く天気予報」

(南利幸、NHK出版)に、

クラゲのおおい年は海水温が高いというのが、

原因らしい。

やはり、雪も温暖化の影響なのだろう。

地球全体の温度は四季の影響の少ない、

ハワイで計るのが一番だから、

そこの気温があがっているのだから、

温暖化はさらに進んでいるのだろう。

雪の多い理由を化石燃料によって、

水蒸気が生まれたからという人もいます。






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