『戦争PTSDとサリンジャー 反戦三部作の謎をとく』
野間正二・著/創元社2005年
戦争が終わったからといって、
戦争がひき起こす問題は終わったわけではない。
著者も書いているが、PTSDという言葉が安直につかわれているし、
この分野がまだ未解明なことは多いことは書くまでもないと思います。
しかし、戦争が終わったからといって、
戦争がひきおこす悪いものが、取り払われたわけではない。
ここでは問題をおこした人たちや、
サリンジャーのように心を病んだだろうと思われる
人たちのことが問題視されている。
それも大切なことだろうと思う。
しかし、一見ノーマルにみえるが、
異常をきたしている人たちがいる。
こっちの方が大きな問題だろうと思える。
戦場とは、「人を殺してはいけない」という
日常生活での大原則が逆転する。
とうぜん世界観も動揺する。
それなのに、どうして正常でいられるか?
異常になってこそ、正常なのではないだろうか?
と私は思えてならない。
私の父も戦争にいった。
しかし、戦争のことは何も語らない人だった。
「反戦平和」のことを話すと、
「生意気なことをいうな!」
と怒るだけでした。
そして父が亡くなった後で、
父がソ連軍の捕虜で脱走したことを
聞いた。
僕が保育園を何度も逃亡したのを、
喜んでいたのはそれが理由かと思った。
この著者は大きな壁に挑戦しようとしたが、
その成果には疑問が残る。
それはPTSDというものが、未解明な
部分が多いせいもあるだろう。
しかし、今も苦しんでいる人たちが大勢いる。
もくじ[平和のための読書]
(※)ぼくは「反戦平和」ではなく、平和だけを望んでいます。
野間正二・著/創元社2005年
戦争が終わったからといって、
戦争がひき起こす問題は終わったわけではない。
著者も書いているが、PTSDという言葉が安直につかわれているし、
この分野がまだ未解明なことは多いことは書くまでもないと思います。
しかし、戦争が終わったからといって、
戦争がひきおこす悪いものが、取り払われたわけではない。
ここでは問題をおこした人たちや、
サリンジャーのように心を病んだだろうと思われる
人たちのことが問題視されている。
それも大切なことだろうと思う。
しかし、一見ノーマルにみえるが、
異常をきたしている人たちがいる。
こっちの方が大きな問題だろうと思える。
戦場とは、「人を殺してはいけない」という
日常生活での大原則が逆転する。
とうぜん世界観も動揺する。
それなのに、どうして正常でいられるか?
異常になってこそ、正常なのではないだろうか?
と私は思えてならない。
私の父も戦争にいった。
しかし、戦争のことは何も語らない人だった。
「反戦平和」のことを話すと、
「生意気なことをいうな!」
と怒るだけでした。
そして父が亡くなった後で、
父がソ連軍の捕虜で脱走したことを
聞いた。
僕が保育園を何度も逃亡したのを、
喜んでいたのはそれが理由かと思った。
この著者は大きな壁に挑戦しようとしたが、
その成果には疑問が残る。
それはPTSDというものが、未解明な
部分が多いせいもあるだろう。
しかし、今も苦しんでいる人たちが大勢いる。
もくじ[平和のための読書]
(※)ぼくは「反戦平和」ではなく、平和だけを望んでいます。