磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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スピカの創作文学3 白いチマチョゴリ

2009年03月12日 | 読書日記など
『スピカの創作文学3 白いチマチョゴリ』
   徳永和子・作/岩淵慶造・絵/教育画劇1991年

排他的や狭いナショナリズムが、どんなにひどいものか、理解できない大人は多い。
--それは民主主義ではなく、反民主主義(ファシズム)であることも理解していない。
つまり、民主主義の自由・平等・博愛(友愛)の逆、抑圧(暴力)・差別・冷血……。
排他的や狭いナショナリズムの行動をとっていて、豊かな社会などはつくれない。奪いとるしか人たちに権力が握られたら、大変なことになってしまうだろう……。
--その一つが、第二次大戦の日本である……。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「幼い少女を傷つけた
乱暴な男の心ない言動。
美智子はおどろきました。
そして、悲しみ怒りました。
クラスのみんなだって怒った。
どうして?
どうしてあなたたちは!?」

■もくじ■
1 おくってきた絵本  6
2 手紙  22
3 劇をしよう  33
4 福岡朝鮮学園訪問  48
5 裏通りの事件  65
6 八月九日、長崎へ  77
7 尹(ユン)さんとの出会い  91
8 とどいたチマチョゴリ  109
9 小さなぼくらの大きな挑戦  126
あとがき  158


目のかたきにされている理由……。下「」引用。

「「おとなりの国、韓国の人たちが、どうして日本を目のかたきにしているのか、今から読む絵本を聞いて、考えてもらいたいんだ」
 先生は、美智子が見せたあの絵本、『いえなかったありがとう』の表紙をしずかに、みんなのほうへ向けた。-略-」

4 いえなかったありがとう

見知らぬ人に、朝鮮の若い女性が、どんと突かれる……。
差別的なものも、暴力までに……。もちろん、愛などではなく、冷血なもの……。

そのことを話す。下「」引用。

「「孝志(たかし)にいちゃん。きょうね、ひどい人に会ったのよ」
 美智子は、せきを切ったように、さっきあったことをしゃべりはじめた。
 絵本を持ってきて、クラスでやろうとしている劇のことや、このまえ朝鮮学園に行ったときの話なんかも、つぎからつぎに聞いてもらった。
 孝志は思いのほか熱心に、美智子の話に耳をかたむけた。
「そりゃ、すごいぞ。ぼくたちも、今、大学のサークルで似たようなことをいろいろ調べているんだ。長崎は原爆にあっているだろう。あのとき、原爆で死んだたくさんの人たちの中に、朝鮮人が一万人はふくまれていたそうだ。」
「原爆?」
 美智子はおどろいて、孝志の顔を見た。-略-」

index

「あとがき」に書かれてありました。下「」引用。

「十年前、はじめての絵本を出しました。
 六歳のとき、親切にしてくれた朝鮮人のおじさんに、たったひとこと、「ありがとう」がいえなかった体験をもとにしたものでした。
 ソウルオリンピックがあった年、東京にお住まいの在日朝鮮人二世の女性からお手紙をいただきました。以来四十通を越える文通を続け、日本がかつて朝鮮の人たちに何をしたのか、今なお何をしているのかを知らされました。魅力的なお人柄をしのばせるこの方の美しい筆跡で綴られた文章を読むたびに、私の胸は疼きました。
 朝鮮が植民地化さることなく、花いっぱいのふるさとで育たれ、日本に来られて日本語が上手になられたのだったらよかったのに、と。」






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