磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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みつばち図書館17 原水爆とのたたかい-平和の声 まちに村に-

2008年12月13日 | 読書日記など
『みつばち図書館17 原水爆とのたたかい-平和の声 まちに村に-』
   日高六郎・著/国土社1963年

バーチェットはこんなことは書いていないそうです。下「」引用。

「バーチェットは、彼の見たとおり、聞いたとおりをルポにまとめた。
 そして「ノー・モア・ヒロシマ!」(二度とヒロシマがあってはならぬ!)と書いた。」



正田篠枝の弟と「さんげ」出版。下「」引用。

「しかし、それを出版する許可をアメリカ軍からとることはできない相談である。正田さんの弟で、九州大学の教授をしていた正田誠一さんは「こんなものをだしたら死刑になるよ」と忠告した。正田教授も発表した学術論文について、CIC(在日アメリカ駐留軍総司令部坊蝶隊)によびだされ、殺されるのではないかと思うほど、はげしいとりしらべをうけた経験があった。
 しかし、篠枝さんは、どうしてもこの歌集を出版したかった。思いあぐねた末、広島の刑務所をおとずれる。そこに受刑者の印刷所があるからである。若いおとなしい印刷主任は、内容を見てびっくりした。しかし篠枝さんがあまり熱心なので、とうとう引きうけた。
「もし、マッカーサー司令部に知れたら、きっと殺されますよ。ぜったいに秘密にしてください。どんなことがあっても、一般の人にあげてはいけません。だれにもわからないようにして、被爆者だけにそっとさしあげてください。そういう条件でしたら、一五○部だけ刷ってあげます。」

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土門拳の驚き……。下「」引用。

「写真家土門拳(どもんけん)さんは、一三年目に広島をおとずれて、びっくりした。ジャーナリズムの先端にいて、原子爆弾の問題について関心を持っていると思っていた自分でさえ、とくに被爆者のことはほとんど知らなかったことに気がついたからだ。広島から九人の被爆した乙女が上京したとき、東京のある奥さんが、「原爆乙女は日本に九人しかいないのですね」と言ったという。しかし自分たちはそれにといくらもちがわないほどのことしか知らない。そのことを、自分たちはどのように考えたらよいのだろうか。そう考えて、土門さんは広島と被爆者の写真を、一生けんめいでうつして歩いた。」

渡辺千恵子さんは、亀井監督の映画『生きていてよかった』出演
そして、第二回長崎大会で、被爆者代表に選ばれたという。

この時代と障害者の社会的なことは大きく異ります。下「」引用。

「八カ国の外国代表三六名と、日本代表六、○○○名が、暑い晴れわたった日に、会場の東体育館にあつまった。
 やがて議長席にいるフランス代表のクリーチュリェ夫人が、
「被爆者代表のあいさつ」
と、言って千恵子さんをまねいた。おかあさんは、昨夜から一滴の水ものまないでいる千恵子さんのくちびるを氷でしめすと、千恵子さんをだいて壇上に立った。出席者はそのいたいたしい姿に胸をうたれた。写真班がおしよせるのを見て、議席から「写真をとるな」「うつすな」と叫ぶ声がつづいた。そう叫ぶ声も涙にうるんでいた。
「私は長崎原爆青年乙女の会の渡辺千恵子と申します。」
 千恵子さんはやって、細い、しかしおちついた声で口をきった。
「みなさん、私のこのみじめな姿を見てください。(そう言うと、千恵子さんの声は涙でつまった。)多くを語らなくても、原爆のおそろしさがおわかりのことと思います。何度死のうと思ったか知れません。……恥をしのんで『生きててよかった』に出演しましたが、その際、長崎が廃墟の中から立ちなおる姿を見ました。私は三菱電機で被爆しましたが、むかし暗かった工場も、今は見ちがえるばかりに立派になりました。(声がつまる)楽しかるべき私の青春は二度と帰ってきません。工場のすぐ前の港に、まっ黒いをもくもくと吹きあげる軍艦を見たとき、(堂々とした声で)新しい戦争のにおいを感じて、一一年前のも惨状が思いだされ、不安の渦中に再びまきこまれていくような気がしてなりませんでした。原爆の犠牲は私たちだけでたくさんです……」
 千恵子さんの訴えは出席者を心の底からゆさぶった。」

今なら、写真をとるな!
そんなことをいう人のほうが非難されることでしょう。

どこも醜くもない! そしてかわいそうでもない!
美について、その当時の人はきちんと学んでいないにすぎない。

快楽追究の副産物が美としたら、それほど醜いものはない!
--ボクはそう思うけど……。

むしろ、美しく、多くの人に報せたほうがいい!

構造的暴力をなくしていくことが、積極的平和を求める人たちの姿勢だということは忘れないでほしい……。

自分勝手な平和は、ヒトラーや中曽根でもいう!









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