『児童文学創作シリーズ 北国の子どもたち』
赤木由子・著/池田仙三郎・絵/講談社1982年
今、北朝鮮のミサイル? のことで大騒ぎしていますね。
--この本では日本国内のミサイル……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「青森県車力村(あおもりけんしゃりきむら)の屏風山(びょうぶさん)にミサイル基地ができるという。村は賛成派と反対派に分かれた。あやたち小学生も無関心ではいられない。「村の冷害・凶作の歴史しらべ」をしているうちに、まずしい村の歴史、地主とたたかった小作人、太平洋戦争のかなしいぎせい者のすがたが……。」
反対運動をしているじいちゃん……。下「」引用。
「八年まえにな、屏風山のなかへ、ミサイルの射撃場をつくらせろって、政府や防衛施設庁からいってきたんだ。それを、おらたちのじいちゃんたちが、がんばって、反対運動をおこしたんだよ。」
サハリンから引き揚げ者……。下「」引用。
「あや、よく、きけ。清子さんは、樺太(サハリン)からのひきあげ者なんだよ。一家して、深浦(ふかうら)の開拓にはいって、たいへん苦労をしてきたんだよ。そのとき清子さんは、小学校の六年生ぐらいだったそうだよ……。」
引き揚げ者のなかには中学もいけず……。下「」引用。
「「わかったよ。でも、杉太の母ちゃん、それからどうしたの。」
「清子さんはね、畑仕事や炭焼きなどのてつだいで、中学校だって、まんぞくにいけなかったそうだよ。」
「どうして。中学校は義務教育でしょ。」
「だから、ひきあげ者だっていったでしょ。日本が戦争に負けたとき、樺太や、中国、南方の島なんかへいっていた日本人が、どっと、日本へ帰ってきたんだよ。そういう人を、ひきあげ者っていうんだよ。みんな、リュックサックを背おって、命からがら、日本に帰ってきたんだよ。ところが、住みつくところもない……。」
「地蔵の夕子」
暑くなってきたから、ゆかたに着替え……。
地蔵は子どものため……。下「」引用。
「「ばあさん、ここのお地蔵さんは、みんな、トミヤチの子どものお地蔵さんなの。」
「そうだよ。どれもみんな、かわいそうな死にかたをしたトミヤチの子どものだよ。」
生きるための運動……。下「」引用。
「昭和のはじめも、冷害だ、凶作だ、大凶作だと、苦しいつらい年がつづいたよ。昭和八年に、この車力村に農民組合というものができたな、市助(いちすけ)さんらのいさましい百姓の男たちが、村から村をとびまわって、『わるい地主とたたかうんだ。政府から、お助け米をださせるのだ。』といってまわったもんだ。-略-」
峠三吉『原爆詩集」のことを授業でとりあげている……。
悪だくみの市長のアンケート調査……。下「」引用。
「「おめえたちの家で、アンケートを白紙でだしたべ。あれも、負けた原因のひとつなんだぞ。」
「だって、あのアンケート、『もし、あなたの家に、どろぼうがはいってきたら、どうしますか。』なんて、わけのわからないことが書いてあったんだもの。なんて書いたらよいのかわからなかったよ。」 -略-
「アンケートを白紙でだした人たちは、ミサイル基地に反対ではなくて、それは、ミサイル基地ができてもいいというのとおなじなんだと、村長がいっていたと、じいちゃんたち、話していたぞ。」
ミサイルに核弾頭をつけたら、水爆を爆発させることができる……。
だから、北朝鮮のことでも大騒ぎしている。
ヒロシマ・ナガサキとは無関係だというわけでもない……。
日本でも核保有論者はいる……。
だけど、核兵器で核兵器は守れない……。
そして、核戦争がはじまったら、最初の標的にミサイル基地はなるだろう……。
もくじ
赤木由子・著/池田仙三郎・絵/講談社1982年
今、北朝鮮のミサイル? のことで大騒ぎしていますね。
--この本では日本国内のミサイル……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「青森県車力村(あおもりけんしゃりきむら)の屏風山(びょうぶさん)にミサイル基地ができるという。村は賛成派と反対派に分かれた。あやたち小学生も無関心ではいられない。「村の冷害・凶作の歴史しらべ」をしているうちに、まずしい村の歴史、地主とたたかった小作人、太平洋戦争のかなしいぎせい者のすがたが……。」
反対運動をしているじいちゃん……。下「」引用。
「八年まえにな、屏風山のなかへ、ミサイルの射撃場をつくらせろって、政府や防衛施設庁からいってきたんだ。それを、おらたちのじいちゃんたちが、がんばって、反対運動をおこしたんだよ。」
サハリンから引き揚げ者……。下「」引用。
「あや、よく、きけ。清子さんは、樺太(サハリン)からのひきあげ者なんだよ。一家して、深浦(ふかうら)の開拓にはいって、たいへん苦労をしてきたんだよ。そのとき清子さんは、小学校の六年生ぐらいだったそうだよ……。」
引き揚げ者のなかには中学もいけず……。下「」引用。
「「わかったよ。でも、杉太の母ちゃん、それからどうしたの。」
「清子さんはね、畑仕事や炭焼きなどのてつだいで、中学校だって、まんぞくにいけなかったそうだよ。」
「どうして。中学校は義務教育でしょ。」
「だから、ひきあげ者だっていったでしょ。日本が戦争に負けたとき、樺太や、中国、南方の島なんかへいっていた日本人が、どっと、日本へ帰ってきたんだよ。そういう人を、ひきあげ者っていうんだよ。みんな、リュックサックを背おって、命からがら、日本に帰ってきたんだよ。ところが、住みつくところもない……。」
「地蔵の夕子」
暑くなってきたから、ゆかたに着替え……。
地蔵は子どものため……。下「」引用。
「「ばあさん、ここのお地蔵さんは、みんな、トミヤチの子どものお地蔵さんなの。」
「そうだよ。どれもみんな、かわいそうな死にかたをしたトミヤチの子どものだよ。」
生きるための運動……。下「」引用。
「昭和のはじめも、冷害だ、凶作だ、大凶作だと、苦しいつらい年がつづいたよ。昭和八年に、この車力村に農民組合というものができたな、市助(いちすけ)さんらのいさましい百姓の男たちが、村から村をとびまわって、『わるい地主とたたかうんだ。政府から、お助け米をださせるのだ。』といってまわったもんだ。-略-」
峠三吉『原爆詩集」のことを授業でとりあげている……。
悪だくみの市長のアンケート調査……。下「」引用。
「「おめえたちの家で、アンケートを白紙でだしたべ。あれも、負けた原因のひとつなんだぞ。」
「だって、あのアンケート、『もし、あなたの家に、どろぼうがはいってきたら、どうしますか。』なんて、わけのわからないことが書いてあったんだもの。なんて書いたらよいのかわからなかったよ。」 -略-
「アンケートを白紙でだした人たちは、ミサイル基地に反対ではなくて、それは、ミサイル基地ができてもいいというのとおなじなんだと、村長がいっていたと、じいちゃんたち、話していたぞ。」
ミサイルに核弾頭をつけたら、水爆を爆発させることができる……。
だから、北朝鮮のことでも大騒ぎしている。
ヒロシマ・ナガサキとは無関係だというわけでもない……。
日本でも核保有論者はいる……。
だけど、核兵器で核兵器は守れない……。
そして、核戦争がはじまったら、最初の標的にミサイル基地はなるだろう……。
もくじ